KAMIKA / ECH株式会社

【D2C HACK DAY イベントレポート】ECH井関社長登壇!「成熟期にあるDtoC業界でなぜ「KAMIKA」はヒットしたのか」

2023年3月28日に、大盛況の中開催されたオンラインイベント「D2C HACK DAY」。
イベントを聞き逃してしまった方や、もう一度内容を見返したい!という皆様にお声をいただき、レポートとしてまとめました。
第1弾では、ECH株式会社 代表取締役社長の井関氏と株式会社wevnal代表磯山によるトークセッションの模様をお届けいたします。

登壇者紹介

井関 貴博氏
ECH株式会社 / 代表取締役社長

高知県出身。新卒で大和証券系のベンチャーキャピタル大和企業投資に入社し5年間従事した後、ユナイテッド(ネットエイジ)取締役CFOで東証マザーズ上場後、2006年にECHを創業。これまでにもジェイフロンティア、手間いらず、富士山マガジンサービス、イード、肉のハナマサ等の社外取締役を歴任。

磯山 博文
株式会社wevnal / 代表取締役社長

2008年大手インターネット企業に新卒入社。2011年4月に株式会社 wevnal を創業し、BXプラットフォーム「BOTCHAN」を展開。総額16億円の資金調達を実施し、集客から購入、継続、解約において、ユーザーのブランド体験を重視した「BX(Brand Experience)プラットフォームBOTCHAN」を通じて顧客の売上向上を支援する。

ECH社を大きく成長させたブランド「KAMIKA」

wevnal 磯山 博文(以下、磯山):
本日はECH株式会社の井関社長と対談します!
どうぞよろしくお願いいたします。
井関さん、まずは自己紹介をお願いします。

ECH 井関 貴博氏(以下、井関氏):
よろしくお願いします。簡単に自己紹介させていただきます。
私は新卒でベンチャーキャピタルに就職し5年間働いた後、転職を経験し、2006年に現在のECH株式会社を設立しました。ECH株式会社は、クリームシャンプーの「KAMIKA」や、ヘアケア用サプリメントの「ブラックサプリ」、トリートメントの「トリコレ」など、いくつかのヘアケアブランドを展開しています。2021年には化粧品分野にも進出しています。通販事業は2007年から展開しており、直近は時代の移り変わりが今までにも増して激しいのでその辺りも磯山さんとお話しできれば幸いです。

「KAMIKA」サービスサイト

磯山:
ぜひお願いします。それこそ2007年当時はD2Cなどの用語はまだ一般的ではなかったので、このような事業モデルも主流ではなかったですよね。ECHさんは早くからEコマースに参入されていましたし、その部分も本日はお話できればなと思います。

まずはECH社がどのような取り組みをしていて、「KAMIKA」の業績をどのように伸ばしてきたか、ということについて教えていただこうと思います。様々なトレンドや流行がある中でどのようにブランドを築き上げてきたのかを聞かせてください。

井関氏:
こう言っては身も蓋もないかもしれませんが、ヒットの再現性は非常に難しく「KAMIKA」が人気になったのは、あらゆる要素が重なって一定の時期に多くのお客様に購入していただいたためだと思っています。最初期はオーダーメイドのサプリメントを販売していましたが当時は売れ行きが芳しくなく、在庫処分として肌やヘアケアに良さそうなサプリとして販売したところが会社の成長のきっかけとなりました。
その後、お客様の数が増えた中で、髪の毛の問題意識を持たれているお客様に対して新しい商品を開発することになり、「KAMIKA」を開発しました。
最初のターゲットは40代から60代の女性で、その後1年半ほどかけて、シャンプーも開発しました。

磯山:
1年半かけてプロジェクトを進めるのには時間と労力が必要だと感じましたが、手応えを感じたタイミングはあったのでしょうか?

井関氏:
売れる売れないという感覚は、本当に分からなかったです。ゼロイチの立ち上げはそこが難しいですよね。その部分で言うとサプリメント事業を行っていたため、元々ヘアケアの観点では多くのノウハウが蓄積されていました。他の分野と比べると立ち上げやすかったとは思います。

磯山:
会社としてある程度元々のノウハウがあり、カスタマーサポートやマーケティングのPDCAで良かったものを引き継いで、それを拡張して新しい製品を作っていったということですね。そして、組織の強みを生かしながら進んでいった結果、新しい製品が生まれたという。
別プロダクトの立ち上げをKAMIKAブランド以外にもいろいろされてらっしゃると思うんですけど、立ち上げのときに気を付けられているポイントはありますか?

井関氏:
自分自身が連続でヒット商品を出してきたというわけではないため「これが正解」とは言いづらいのですが、私は一度成功した後に再度同じ組織内での新商品開発をすることは難易度が高いと考えています。マーケは新規獲得しやすいものの方に傾注していきますし、CRMも同梱物多くレバレッジが効きやすいところに注力してしまいがちです。
​​これは私の持論ですが、新商品を立ち上げる場合は別の会社に分けた方が良いと思っています。もしくは別の組織を作って、企画・マーケティング・CRMを行うようにすべきです。
実は私自身この部分をやりすぎてしまって。
CSやフルフィルメントなどまで細分化しすぎたところがあると反省しています。この領域で言うと、商品数に応じてノウハウも溜まりますしそっちの方が効率よかったんじゃないかなと今になって後悔していますね。笑
売り上げを立てていくための組織作りにおいては、10億円から20億円、30億円と成長していくことを考慮して、人員配置やチームの配置が非常に重要だと思います。

成功の要因とは

磯山:
ありがとうございます。複数ブランドを持つことの相乗効果もありますし、単独ブランド戦略を進める方法もありますよね。
ここで次のトークテーマに移りたいのですが、ちょうど視聴者の方から「成功の要因」についての質問があります。成功の要因は多岐にわたると思いますが、一番売れたもしくは成功したきっかけについて教えていただけるとありがたいです。

井関氏:
2018年ごろまではサプリメント販売に注力していましたが、景品表示法の改正等がありシャンプーの販売戦略に転換しました。50代や60代の女性がスマートフォンを持ち始めネットで商品を買い始めたタイミングで広告宣伝費にかなり投資をし、新規会員獲得に注力したことが成功の要因だと考えています。ただおそらくこの時のように安価な広告費での宣伝は現在では難しいのかなとは思いますが・・・。
過去には、CPA8000円程度で毎月2万件以上の新規会員を獲得していた時期もありました。しかしやっぱりD2Cのビジネスモデルは、在庫の確保や広告宣伝費の先行投資によりキャッシュフローが厳しく、周りの支援が必要であると感じます。
特にベンチャー企業である場合、銀行、広告代理店、物流会社、wevnalさんのような支援会社などの支援は必須ですね。
今の状況としても、やはり常に変化に対応することが求められる時代ですね。従来のビジネスモデルだけでなく、新しいテクノロジーやトレンドをいち早くキャッチし、ビジネスに取り入れることが重要です。今後、さらに多様化したビジネスモデルが生まれてくることも予想されるので、常にアンテナを張っておくことが大切だと思います。

磯山:
なるほど、そこは大切ですよね。
在庫管理や広告費の調整は、ブランド構築と販売加速の両面に関わる重要な要素であるため、その調整は難しいと改めて感じます。タイミングによってマーケティングを加速させたいという思いと、その反面在庫調整の遅れなどの問題が生じることもあります。これらの問題を解決するには、適切なバランス感覚が必要だと思いますが、全体的にどのようにコントロールされていますか?

井関氏:
その部分は日々変化していますね。例えば商品1つの場合は比較的在庫管理がやりやすいですが、化粧品などでは商品に合わせてアイテムやプレゼントが複数個あるため倉庫が混乱してしまいます。弊社の同梱物もお客様によって異なり、ABテストを重ねながら10種類以上を調整しています。一つの商品で100億円売り上げるようなことがあればよいのですが。笑

磯山:
はい羨ましいですよね。笑
「成功の要因」をもう少し深堀させていただきたいです。
弊社は2017年ごろからECHさんとご一緒させていただいておりますが、当時と比べて獲得やマーケティングの状況、購入者層のITリテラシーの変化などがあると思っています。
その部分をどうマッチさせながら、ビジネスを成功に導いてるのかっていうのをもう少しお話いただきたいです。

井関氏:
わかりました。
パートナー企業との信頼関係やコミュニケーションは大切だと思っていますし、ソリューションのレベルもどんどん上がっていると感じます。
今利用しているwevnalさんのBOTCHAN Keeperと言うサービスは、シナリオを作ることでチャットで定期販売の継続・解約フェーズにいるお客様を接客するものです。
元々は電話を利用していたため対応者ごとのコミュニケーションの匙加減でブレが生じており課題感を持っていました。
ここでチャットを使うことで、お客様に継続していただけるパターンが可視化できPDCAを回してABテストを行っています。月に数千件ぐらいは、このサービスを通して継続促進をしています。
このように、技術やサービスを活用して、より効率的にビジネスを行っていくことが重要ですね。
ちなみに、電話がなくなることはないと思っていますが、お客様にとって気持ち良いサービスができるかって言うところには向き合わないといけないですよね。
当然月曜日の朝などはどこの会社も電話が繋がりづらいですし、経営者はどんどん工夫していかないと時代に取り残されていきます。
成功パターンに固執することが一番怖いです。
実際、「KAMIKA」が売れた時には僕自身油断があったと反省しています。人間は成功パターンにはまるとそれが絶対的になりがちですから。
なので、そのパターンがうまくいってるときは当然いいんですけど、経営者は常に新しい情報に向き合い、自社のサービスや製品に工夫を重ねていかなければならないです。成功パターンに固執してしまうと陳腐化してしまうため、常に新しいアイデアや改善点を探る必要があります。

磯山:
確かに、SNSや新しいテクノロジーの登場により、ビジネスや消費者の行動が急速に変化していると感じますよね。また、成功事例の拡散によって、市場が平準化されるスピードも速くなっているように思います。

井関氏:
まさにその通りですね。難易度は年々上がっているようにも感じます。
難しいですけど、やっぱり起業家はそれをやらなければならないという宿命ですね!
現状維持は衰退ですから。
挑戦的な状況ではあるものの、楽しみながらアクションをし、その中で自身を成長させることができれば事業も拡大していくと思います!

磯山:
なるほど、貴重なお話ありがとうございました。
お互い業界発展のため切磋琢磨していきましょう。
今後ともよろしくお願いいたします!

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