cocone / 株式会社はぐくみプラス

数々のヒット商品を手掛けたはぐくみプラスが語る 「ヒット商品を生み出す仕組みとは」

消費者の購買行動を起こす場がオフラインからオンラインへと変化していく中で、 どうすれば自社商品を選んでもらえるのか、頭を悩ませている事業者様も多いのではないでしょうか。また、年商10億円を達成する障壁に直面している方もいらっしゃるかと思います。
先日開催されたウェビナーで大好評だった株式会社はぐくみプラスの松浦理奈氏に、詳細を深堀るためインタビューをさせていただきました。
本記事では、10億円の壁に対する最適なブランド体験構築やマーケティング戦略について、徹底解剖していきます!
聞き手は株式会社wevnal 執行役員CROの森元昭博です。

はぐくみプラス公式サイト https://www.hugkumiplus.net/

松浦 理奈氏
株式会社はぐくみプラス 執行役員
大学卒業後、株式会社リクルートライフスタイル(現リクルート)に入社し、企画営業に従事。退職後、ゲストハウススタッフや農業など不定住で働く生活を経て2018年株式会社hugkumi+に入社。2020年執行役員就任。「coconeクレイクリームシャンプー」をはじめ、入社時より商品開発からマーケティング領域を主に管轄している。

◼️商品開発~販売開始までに気を付けていること

━━まずは、商品の開発段階から販売開始までのフェーズについて、お伺いさせてください。

はい、弊社の商品開発の流れはかなりスタンダードで、オリジナリティはあまりないのですが弊社は小さな会社なので、商品開発に関わるスタッフがかなり少ないです。ほぼ一人で1ブランドを担当することもあり、やり方はかなり特殊かもしれません。
通常、フロント商品はマーケティングを行っているチームが主導しており、市場調査や口コミ、外部調査、お客様インタビューなどの手法を使って、売り方やチャネル、価格、ペルソナなど多面的な視点からヒットの可能性が高い商品要素を設定し、優先度の高い要素から商品に組み込んでいきます。商品の設計は商品開発者が行いますが、商品評価においてはできるだけ客観性を持たせるために、ペルソナからの意見を取り入れるなど、何度もすり合わせを行っています。

また、特殊な点として、シミュレーションを商品開発者自らが行っていることが挙げられます。原価や販促費、単月の黒字化や回収予測など、コスト管理に関する全てのシミュレーションを一人で行い、価格交渉も商品開発者が担当しています。こういった責任範囲の集中により、コストカットし効率的に進めることができると思います。
テストローンチについては、既存顧客に向けて先行発売を行い、売れ行きを見てから購入者のアンケートを実施します。売れ行きの結果やアンケートのフィードバックを元に初動テスト予算を決定し、商品改善やビジネス展開を検討していきます。

クレイクリームシャンプーの開発背景について言うと、元々coconeシリーズではスキンケア商品が発売されたため、ヘアケア領域に参入したいという意欲がありました。さらに、広告規制の厳格化や健康食品、スキンケアに対する規制もあったことから、広告表現にとても配慮しました。また、当時のトレンドである動画広告の拡大にも注目し、動画表現でインパクトのある商品開発を意識しました。インフルエンサーの影響力も大きいという点も考慮し、インフルエンサーに受け入れられる商品設計も重要視しました。

さらにお客様インタビューで印象的だったのが、子どもを持つママさんの「お風呂は戦場」という言葉でした。お客様は子供と一緒に入浴すると、自分を洗う時間がなく、髪を洗うのも一苦労だとおっしゃっていたんです。そこから、ママさんが助けられ、かつ綺麗になれる商品を作りたいという発想を得ました。
こういった背景から、オールインワンでお風呂を楽にするヘアケアを目指しました。当初、一般的にリンスインシャンプーは髪がパサつくイメージがありました。しかし、それを覆せればヒットに繋がると考え、価格面においてもシャンプーとトリートメントそれぞれ1,500円前後の高単価商品が好調であったことから、価格を3,000円程度に設定しても付加価値が十分にあると考えました。商品開発当時からその部分を意識しましたね。

━━なるほど。具体的に、どのようにアイデアを出されているのでしょうか?

これは難しい質問ですね。何を目的として製品を開発するかというテーマによるのかなと思いますが、私たちは解決したい課題にフォーカスし、情報収集するという形を取るようにしています。
答えになっているかわかりませんが、何においても目的が大事だと思っています。商品開発をする上では、やはり目的と顧客のニーズを深く掘り下げることが重要です。そして、一つの解決方法だけでなく、いろんなアイデアを集め選定することが大切だと思います。

━━ありがとうございます!はぐくみプラスさんは「顧客ファースト」であるとすごく伝わってきました。
商品を作っていく上でのユーザーヒアリングの頻度や気にしているポイントはありますか?

どういうポイントにするか、という部分はヒアリングを通して何を得たいかというところだと思います。
例えば商品開発であれば、使っている商品であったり、それついてどう思っているのかなどを聞きますし、新規施策を行うための顧客インタビューであれば既存顧客に対し、セグメント分けしてお客様の熱度によってヒアリングの内容を変えています。内容は事前にかなり綿密に練りますね。

━━新商品テストの初回ロットは具体的にどのくらいから始めるのか、聞いてもいいでしょうか?

既存顧客から始めるテストローンチの場合、その顧客の規模によると思います。売り上げ予測を立てて、適切な数量を決定しています。

◼️販売開始直後に気を付けていること

━━では、次のテーマなのですが、ローンチ後から販売開始にかけて気をつけていることについて、お聞かせください。

はい。弊社では厳選したパートナーを選び、小予算でテストを行っています。予算については先ほどお伝えした通り、予約販売の反応を参考にして決定します。パートナーは限定し、LPなどの数値を見ながら改良したり、wevnalさんとの協業でチャットのシナリオ提案をいただいたりして、数字を最大限に高めています。CVRや初動獲得件数が、自社の規定ボーダーを超えた場合は、次以降の予算は多めに 組んでもいいかなと考えています。
CPOの適正予測についてはF2やLTVが出てからでは遅いと思っており、広告費の過剰支払いを防ぐために、弊社では先行指標を設けています。
例えば、F2の先行指標としてアップセル率を指標に用いて、実際に相関関係があると仮定して計測しています。アップセル率が悪ければ、原因を究明したり、必要に応じて代理店や媒体など、細かくレイヤーごとにCPOの目標値を調整していくことも行っています。
アンケートや口コミも積極的に活用し、商品が自己満足に陥っていないかを確認したり、改良できるポイントがないかを見つけることが得られるヒントとなるため、これらの情報を毎日拾えるような仕組みを弊社では作っています。

━━ありがとうございます。
毎日情報を拾うのはハードルが高い部分もあるかと思いますが、どのような仕組み化をしていますか?

弊社では、社内連絡ツールへ定期的に情報を送信するシステムを作ったり、コールセンターからヒアリングしたお客様の声を社内チャットツールに入れるなど、毎日のように各部署で確認できる仕組みを導入しています。

━━なるほど、ありがとうございます。
先ほどCPOとLTVの最適化についてという話題が出てきました。オファーの設計の部分やテストの頻度について、どのように対応しているかが気になります。教えていただけますか。

はい。弊社では先行指標をいくつか設けて、それらをデイリーでチェックする仕組みを作っています。鈍化傾向が見えた場合には、先手を打つように対応しています。定期的に何ヶ月に一回とか一ヶ月にしようといった期間は特に設けていません。

━━あくまでも閾値や一つの指標の変化に対応してオファーを変える手法として捉えているのですね。
先ほど、パートナーとの関係についても言及されていました。代理店や広告代理店、SPなど、御社の関係するパートナーにもCPUやLTVの調整についてどれだけ開示しているのか気になります。

具体的な社内の数字について開示はしませんが、社内平均や目標数値との相対的な評価はお伝えしています。パートナーとの調整については、代理店さんと相談しながら進めています。

━━ありがとうございます。
web広告以外に、まずできることとして口コミの収集や第三者のお声をいただいたりがあると思っているのですが、その情報の有効な活用方法を教えていただけますか。

やはり口コミの収集は重要ですね。未使用者へのサンプリングはよく行われる手法かなと思いますが、最近は長期利用者の口コミの方が反応がいいと感じています。その口コミを活用する方法としては、LPに長期利用者の方の声を載せたり、アップセルページで使用したり、メルマガに取り入れることが効果的だと思います。

◼️今後のD2Cブランド運営において大切にしていくこと

━━では、次のテーマに移らせてください。
今後長くブランドとして継続していくために大切にしていることについてお聞かせいただければと思います。
法規制や広告費、物価の高騰などの様々な課題もありますし、ブランド力をどのように高めていくかを考えていかないといけませんよね。

私たちが意識しているポイントとして、「提供価値」があります。商品そのものだけでなく、お客様に付加価値を提供し、顧客満足度を向上させることが重要です。口コミなどでお客様の意見を拾いやすくなったことで、その意見を活用しない手はないですよね。お客様の意見はアイデアの源泉であり、全ての部署で確認すべきです。また、その意見を素早く反映するスピード感も重要です。

次に、「顧客起点の考え」です。お客様に直接関わらない部署でも、全員がお客様の意見を理解し、レベルアップに活用するべきだと思っています。そして、お客様の声をキャッチする速さと、反映に動く速さの両方が大切だと感じています。

最後に、「結果楽しんでる人の周りには人が集まってくる」という部分です。お客様だけでなく、実行するメンバー自身が楽しむことが大切だと思っています。結果を楽しんでいるメンバーがいるからこそ、外にもつながりファンを生み出すことができるのではないかと考えています。

━━ありがとうございます。
付加価値を大切にし、人材の育成とフォローアップを行っていくことが重要だと感じておられるんですね。逆境だと感じられる部分もあるかもしれませんが、長く続くブランドを築くためには、高付加価値を提供する方法と優秀な人材の育成が欠かせないということを再認識しました。
ちなみに、余談で質問させてください。はぐくみプラスさんは人材の採用に力を入れているというお話を事前に聞いていましたので、今後どのような人たちと働きたいかをぜひお聞かせいただけますか。


そうですね。業界として変化が多いと感じていますので、変化を楽しんで、主体的に取り組める方が良いと考えています。順応性や主体性は簡単に身につけられるものではないと思いますが、そのような能力を持つ方を積極的に採用したいと思っています。

━━ヒットに繋がる必須項目はズバリ何でしょうか?

失敗を極力減らすことではないかなと思います。
ヒットの再現性を担保する事は、なかなか難しいとは思うのですが、失敗は再現性高いと思いますので、失敗の要因の分析やノウハウの蓄積を行いながら、失敗を減らしていく事で、ヒット確率をあげていく事を意識しております。

━━では最後に「BOTCHAN」の良さや、使い続けていただいている理由を教えてください!

一番の理由は、CSの質の部分です。
wevnalさんのCSはリテラシーが高く、対応スピードも速いので本当に助かっています。弊社ではEFOを強化しており、無数のテストをこなしているのですがもれがなく、真摯にコミットしていただき、これまで数値改善において大きく貢献してくださいました。
これからも弊社に欠かせないパートナーとして協働していきたいと考えております。

━━ありがとうございます。貴重なお話ありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします!!

はぐくみプラス公式サイト https://www.hugkumiplus.net/

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