老舗リユースブランドの進化と挑戦
「まずは試してみる。そのうえで、数字を見て改善する」
そう語るのは、HOLIS株式会社 代表 片桐 拓也氏。
「買取王子」は立ち上げ当初から片桐氏が関わり、現場視点で成長を支えてきたリユースブランドであり、現在は株式会社ティーバイティーを通じて運営されています。
“家にあるなんでもまとめて売れる”という手軽さでファンを集めてきた買取王子が、今、新たに取り入れたのは、LINEを活用した接客施策「BOTCHAN Engagement」でした。
高騰する広告費、伸び悩むCVR、リピーター施策の構築課題——複数の課題を前に、LINE施策をともに設計・改善してきたパートナーとの取り組みが、どう突破口となったのか。
本記事では、片桐氏の「現場主義」と「データドリブンな改善姿勢」に焦点を当てながら、「BOTCHAN Engagement」導入までの背景、実際の施策と成果、そして今後の拡張構想に迫ります。
企業紹介:多角的事業で成長を遂げるHOLISグループと「買取王子」
HOLISグループは、小売事業を軸としつつ、EC、リユース、フィットネスなど、複数の事業領域で約36の事業を展開している企業グループです。総売上規模は約80億円に達し、グループ全体で多角的なビジネスモデルを推進しています。
なかでも株式会社ティーバイティーが手がけるリユース事業のブランドが「買取王子」です。2009年頃にDVDの買い取り・販売からスタートし、Amazonマーケットプレイスをはじめとしたオンライン販路の拡大に伴い、取り扱い商材を幅広く拡充してきました。現在は書籍やCD、ゲームソフト、家電、日用品まで「家にあるまとめて売りたいもの」を宅配にて買い取るサービスとして、多くのユーザーに利用されています。
買取王子 サービスサイト:https://www.kaitoriouji.jp/
担当者紹介:「まずはやってみる」を貫くグループ代表・片桐 拓也氏
片桐氏は、宅配買い取りの現場フローから広告施策まで一貫して携わり、データを活用した改善や新しいマーケティング手法の積極的な導入に取り組んでいます。豊富な経験値とフットワークの軽さを活かし、「まずは試してみる」姿勢を社内で浸透させる推進役を担っています。
片桐氏:
「気になったらまずは試してみる。合わなければやめればいい。そんな文化が社内に根付いているんです。」
導入前の課題と背景:高騰する広告費と取りこぼし防止の必要性
HOLISグループでは、EC・リユース領域において広告流入を積極的に拡大してきました。しかし近年、競合増加に伴い広告単価が上昇し、自社サイトへ流入したユーザーをいかに取りこぼさずコンバージョン(買い取り申込み)につなげるかが大きな課題になっていたといいます。
片桐氏:
「広告費が高止まりするなか、サイトに来訪してくださったお客様が途中で離脱してしまうケースを極力減らす必要がありました。そこで、利用ハードルを下げ、離脱率をコントロールできるLINE施策の実装に着目していました。」
しかし、自社内で一からLINE施策を構築することは工数がかかり、ノウハウ面でも未知数でした。ちょうどそのタイミングで、信頼している代理店様のご担当者から「BOTCHAN Engagement」の紹介を受け、導入検討がスタートしたといいます。
HOLIS株式会社 代表 片桐 拓也氏
BOTCHANとの出会いと導入の決め手:紹介の安心感とスピード
片桐氏によると、HOLISグループでは「新しい広告や施策はまず試してみる」という文化が根付いており、「BOTCHAN Engagement」についても初期段階から導入を前向きに検討していました。
・半年単位で始められる契約のしやすさ
・初期費用を抑えて効果検証ができる手軽さ
・LINE施策の実装から運用まで伴走する支援体制
特に上記のようなポイントが後押しとなり、社内合意のスムーズさにつながりました。
片桐氏:
「一般的に、初めて接点を持つ企業様のサービスは、サポート体制や運用面の不透明さから、導入検討に時間を要することが少なくありません。しかし今回は、信頼する代理店のご紹介という背景があり、導入にあたっての不安もなく、スムーズに社内での合意形成が進みました。加えて、LINEを活用した施策自体に大きな可能性を感じていたこともあり、『まずは試してみよう』という方針のもと、導入を決断しました。」
導入プロセスと実行時の判断軸:柔軟なPDCAで最適化を追求
高額可能性診断からマッチ度診断へ
導入当初は担当CSの提案に基づき「高額可能性診断」というコンテンツを軸にして、ユーザーが自宅の品物を売るとどれほどの査定価格になるかイメージしやすい仕組みを展開しました。
しかし、実際の数値を分析したところ、件数こそ増加したものの、買取金額や成約率では想定ほどの成果につながっていないことが判明。
そこで定例ミーティングでは、CSとともにデータをもとに議論を重ね、「買取王子」ならではの強みを活かす新たなコンテンツとして「買取王子マッチ度診断」への切り替えを決定しました。
導入から4ヶ月後にはCVRが右肩上がりに改善し、買取金額は最大約36%増、成約数は約2.7倍と、件数・質ともに大きく向上する結果につながりました。
片桐氏:
「高額査定を前面に打ち出した施策では、かえって単価の低い商品をまとめてお送りいただくケースが増加し、結果として収益の最大化にはつながりにくいという課題が見えてきました。一方で、”幅広い品目をまとめて送れる”という点こそが買取王子の本来の強みであることを改めて認識し、その特性とユーザーのニーズとの相性に着目した診断型コンテンツへと方針を転換しました。その結果、買取金額や成約率といった主要指標においても、着実な改善が見られるようになりました。」
緻密なデータ分析ときめ細かなサポート
「BOTCHAN Engagement」 CS担当は細かなKPI分析を実施し、診断コンテンツの改善点やユーザーの離脱ポイントを定期的に報告。定例のミーティングでは、クリエイティブや訴求メッセージを都度見直すなど、密なコミュニケーションと迅速な修正によって成果向上を後押ししています。
片桐氏:
「施策運用にあたっては、各数値結果を丁寧に分解したうえで、原因の特定や仮説立てを行いながら、非常にスピーディーにPDCAを回していただいています。私自身も複数の業務を並行している中で、つい後回しになりがちなタスクについて、適切なタイミングでリマインドいただけるため、進行管理の面でも大変助かっています。パートナーとして、非常に心強いサポート体制を感じています。」
導入後の成果・得られた価値:CVR改善とリピーター活用で広がる可能性
目に見えるコンバージョン増加
「BOTCHAN Engagement」導入後、片桐氏は「数値面で顕著に成果が上がったことで、広告費を今後増やす決断もしやすくなった」と手応えを感じています。
実際、買い取り件数や買い取り金額においても着実な増加傾向が確認でき、採算性の面でも十分に投資対効果が見込める状況だといいます。
LINE友だちの活用でリピートを促す新たな展望
「買取王子」は、まとめ売りニーズを背景にリピート率の高いサービスとして支持されていますが、これまで既存ユーザーへの継続的なアプローチは限定的なものでした。
今後は、LINEで友だち追加してくださったユーザーに対して、一定のタイミングで不要品の送付を促すようなリマインド施策が行えないか、可能性を模索している段階です。
「BOTCHAN Engagement」の機能を活用することで、こうしたリピーター施策も効果的に設計できるため、両社で意見交換しながら、検討を進めています。
今後の展望・注力する取り組み:さらなる施策強化と他事業への展開
現在は「買取王子」での成果をもとに、「BOTCHAN EFO」の導入準備を進めており、「BOTCHAN Engagement」との連携によってさらに効果的な施策展開を目指しています。
両プロダクトを組み合わせることで、ユーザーの行動に応じたリマインド配信やアンケート施策など、より多角的で継続的なアプローチにつなげることができます。
また、HOLISグループ内の他事業においても、LINEを活用した施策の可能性を模索中であり、「買取王子」で得た知見を活かしながら、横展開の形でマーケティング効率の底上げに寄与できるかを見据えています。
同じ課題を抱える人へのアドバイス:「まずは試して、データを見ながら改善する」
最後に、片桐氏から「自社サイトの離脱率改善」「LINE活用に関心がある」企業様へのメッセージをいただきました。
片桐氏:
「広告コストが上昇するなか、サイト来訪者をいかに取りこぼさずコンバージョンにつなげるかは多くの企業に共通する課題だと思います。「BOTCHAN Engagement」は、数値をもとにスピーディーな改善を重ねてくれるので、導入のハードルが低く、成果が見えやすいのが特徴です。まずは小さくでも試してみて、CVRが上がる手ごたえを掴んだら、施策を拡大していく形が良いのではないでしょうか。LINE施策に精通した外部チームと一緒にPDCAを回せる点も非常に大きなメリットだと感じています。」
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