朝日新聞 (デジタル版) / 新聞・出版

CV数5.5倍・友だち追加後CVR3.8倍増。
PoCで終わらなかった、LINEナーチャリング戦略の全貌

POINT

01

入力フォームの“板挟み”課題を解決する対話型UI

POINT

02

CV数最大5.5倍、友だち追加後CVR3.8倍を達成。
PoCから事業貢献する主力施策へ

POINT

03

業界特性を捉えたシナリオを共同開発。
二人三脚で成果を最大化する伴走型サポート

「PoC(概念実証)として始まった施策が、今では継続的にコンバージョンを生み出す、頼れる存在にまで成長しました。施策の効率が劇的に改善し、直近のキャンペーンでは過去最多のコンバージョン数を記録するなど、確かな手応えを感じています。」

そう語るのは、株式会社朝日新聞社 朝デジ事業センターの金(キム)氏。140年以上の歴史を誇る朝日新聞社が、朝日新聞(デジタル版)の新たな顧客獲得施策として選んだのが、LINEを活用した「BOTCHAN Engagement」でした。

多くのウェブマーケティング施策を試す中で直面した「施策開拓の難しさ」と「サイト離脱者への施策」、そして「若年層へのアプローチ」。この根深い課題に対し、同社はいかにしてLINEという新たなチャネルで活路を見出し、コンバージョン数(CV数)を最大5.5倍、LINEの友だち追加後のコンバージョン率(以下、追加後CVR)を3.8倍にまで引き上げるに至ったのか。

本記事では、施策を推進した金氏の言葉をもとに、導入の背景から、業界特有の難しさを乗り越えた試行錯誤のプロセス、そして伴走型サポートによって大きな成果を生み出すまでの道のりに迫ります。


企業紹介:「紙」から「デジタル」へ。進化を続ける朝日新聞の挑戦

株式会社朝日新聞社は、新聞事業を核としながら、デジタルメディアやイベント事業など多角的な情報サービスを展開しています。中でも「朝デジ事業センター」は、朝日新聞(デジタル版)の事業運営を担う専門組織です。マーケティング担当からエンジニアまで多様な人材が集い、サービスの企画・開発からプロモーションまでを一貫して手掛けています。

近年では、アプリの大幅なリニューアルやリブランディングキャンペーンを実施するなど、「紙の新聞」という従来のイメージに留まらず、デジタルならではの価値をより多くの読者に届けるべく、日々新たな挑戦を続けています。


朝日新聞(デジタル版) サービスサイト:https://www.asahi.com/
朝日新聞 総合ガイド:https://digital.asahi.com/info/
朝日新聞社 コーポレートサイト:https://www.asahi.com/corporate/


担当者紹介:データと顧客視点で認知からリテンションまでを繋ぐ

株式会社朝日新聞社 朝デジ事業センター 戦略部 プロモーションチーム金 恩智氏
2023年に朝日新聞社へ入社後、朝デジ事業センターに配属。
以来、デジタル版の有料会員獲得や、継続利用を促すリテンション施策の企画・運用を主務として担当。近年ではブランディングキャンペーンやアプリリニューアルのプロモーションなど、認知から獲得、定着まで一気通貫で顧客体験の向上に取り組んでいます。

金氏:
「認知から獲得、そしてリテンション(顧客維持)までを一貫したストーリーとして設計することが重要だと考えています。特に、多様な施策がある中で、いかにして新規のお客様にアプローチし、朝日新聞(デジタル版)の価値を伝えていくかという獲得部分には常に課題感を抱いていました。」

金 恩智氏

導入前の課題と背景:若年層へのアプローチと、離脱ユーザーへの次の一手

朝日新聞(デジタル版)では、様々なウェブマーケティング施策を展開し、有料会員の獲得に努めてきました。しかし、長年の取り組みの中で、新たな課題が浮き彫りになっていたといいます。

金氏:
「ウェブマーケティング施策は一通り試してきた感があり、既存の施策を改善して数値を伸ばすことに行き詰まりを感じていました。 事業としてさらに成長していくためには、新たな切り口での施策展開が不可欠な状況でした。」

特に大きな課題となっていたのが、20〜30代の若年層へのアプローチです。 若年層の間では「無料のネットニュースで十分」という意識が根強く、有料メディアとしての価値をいかに伝え、購読に繋げるかが長年のテーマでした。

金氏:
「また、広告などを経由してサービスサイトに訪れていただいたものの、お申し込みに至らず離脱してしまうお客様も一定数存在します。 こうした方々に対しては、リターゲティング広告以外に有効なアプローチができておらず、機会損失が発生していることに強い課題感を抱いていました。」

事業サイドとしてLINE活用に着手できておらず、やらなければならないという認識はありつつも、具体的な一歩を踏み出せずにいたといいます。

BOTCHANとの出会いと導入の決め手:成果報酬と伴走サポートがPoCのハードルを下げた

様々な施策を模索していた折、お取引先からご紹介いただいたのが「BOTCHAN Engagement」でした。

金氏:
「ちょうど新規開拓や離脱ユーザーへの対策を検討していたタイミングで、LINEを活用してお客様の購読意欲を高めていく『ナーチャリング』というアプローチは非常に興味深く感じました。 導入の決め手として大きかったのは、成果報酬型の料金体系です。 新しい施策は、やってみなければ効果が分からない部分も多いため、初期投資のリスクを抑えながら試せる点は、社内での合意形成を進める上でも非常にありがたかったです。」

加えて、過去に別のツールを検討した際には、自社でシナリオ設計やクリエイティブ制作を行う必要があり、リソース面で導入に至らなかった経験があったといいます。

金氏:
「弊社のリソースだけでは、施策をゼロから立ち上げて定着させるのは困難です。 BOTCHANは、我々の課題に真摯に向き合い、施策の設計から運用まで一貫して伴走していただけると伺い、それであれば導入も進めやすいと考えました。 専門的な知見を持つ外部チームと一緒に進められる安心感が、導入を後押しした大きな要因です。」


導入プロセスと実行時の判断軸:業界の特性と向き合い、PDCAで最適解を追求

「まずはPoC(概念実証)として試してみよう」という形で導入が決定。しかし、サブスクリプション型のニュースサービスならではの難しさが、当初の運用に立ちはだかります。

二人三脚のPDCAが生んだ「勝ちパターン」

当初はなかなかコンバージョン数が伸び悩んだものの、wevnal社のカスタマーサクセス担当と密に連携し、粘り強くPDCAサイクルを回し続けました。
特に若年層に「有料メディアの価値」を伝えるため、単なる機能訴求ではなく「朝日新聞のデジタル版を読むことで得られる未来の人物像(情報収集力・時事対応力・情報リテラシーなど)」に焦点を当てた診断コンテンツを共同で開発。 PUSH配信 (※1)・STEP配信 (※2)・リッチメニュー (※3)など、多角的なアプローチを展開しました。

【注釈】
※1 PUSH配信:企業やメディアが任意のタイミングで、ユーザーのスマートフォンに通知を送り、情報を直接届ける仕組み。LINE公式アカウントでは、「友だち」登録しているユーザー全員に一斉にメッセージを配信する機能を指す。

※2 STEP配信:LINEの友だち追加などを起点として、あらかじめ用意しておいた複数のメッセージを、決められたスケジュールで段階的に自動配信する機能。顧客との関係構築や育成(ナーチャリング)を目的として活用される。

※3 リッチメニュー:LINE公式アカウントのトーク画面下部に、タイル状に固定表示されるメニュー機能。ウェブサイトへの誘導やクーポン表示など、企業が設定した複数の情報への入り口を常設できる。

金氏:
「当初はコンバージョンを焦るあまり、施策が空回りしていた時期もありました。 そこで担当の方と議論し、『まずはクリックしてもらう』『まずは友だち追加してもらう』というように、ユーザーとの接点を段階的に構築していく方針に転換しました。 バナーの色をオレンジから赤に変えるだけでも友だち追加の割合が向上するなど、細かな改善を重ねた結果、友だち追加数も大きく伸び、最終的なコンバージョンに繋がっていきましたね。」

このような試行錯誤を経て、選挙期間中に関心が高まるテーマを訴求するなど、朝日新聞ならではの「勝ちパターン」を発見。 コンバージョン数は着実に増加し、キャンペーン期間中には桁違いの成果を記録するまでに成長しました。


▲限定オファー イメージ

導入後の成果・得られた価値:CV数は最大5.5倍に向上、キャンペーンの成果を飛躍的に押し上げる

粘り強い改善の末、「BOTCHAN Engagement」は朝日新聞のデジタル版にとって欠かせない施策の一つとなりました。

コンバージョン効率が劇的に改善、成果の総量も最大5.5倍に

最も大きな成果は、コンバージョン効率の飛躍的な向上です。ナーチャリングの精度向上により、LINEの友だち追加後のCVRは約3.8倍に改善。LINEで繋がったユーザーをより高い確率でコンバージョンへと導けていることを示しています。

こうした施策効率の改善が最終的な成果を力強く押し上げ、直近のキャンペーンでは、大幅な割引とも相まって、「BOTCHAN Engagement」 経由のCV数は、最も少なかったキャンペーンと比べて約5.5倍に増加。本施策としては過去最多となるコンバージョン数を記録しました。

まさに、PoCから始まった施策が、試行錯誤を経て事業の成果に大きく貢献するまでに成長したことを、これらの数字が物語っています。

獲得後の「顧客の質」も向上、優良顧客の育成に貢献

「BOTCHAN Engagement」がもたらした成果は、コンバージョン数や率といった「獲得時点」の指標に留まりません。キャンペーン等の割引価格での購読期間が終了し、正規料金に移行するユーザーの「転換率」においても、「BOTCHAN Engagement」経由のユーザーは質の高さを示しています。

データによると、「BOTCHAN Engagement」経由のユーザーの転換率は、常に全体の平均値を上回っており、期間によっては約10ポイント高い傾向が見られます。

これは、一度サイトから離脱しかけたお客様であっても、LINEを通じたナーチャリングによってエンゲージメントが高まり、結果としてロイヤリティの高い優良顧客の育成に繋がっていることを力強く示唆しています。

機会損失を防ぎ、若年層にもアプローチ

金氏:
「BOTCHANが担っているのは、サイトを一度は離れようとした、本来であれば失っていた可能性のあるお客様へのアプローチです。 他の施策とは担当領域が重複しないため、純粋な機会損失の削減に繋がっており、非常に心強く感じています。 また、メールマガジンなどの施策と比較して、「BOTCHAN Engagement」経由では比較的若い年齢層のお客様の反応が良いという特徴も見えています。 これまでアプローチしきれていなかった層を獲得できている点も、大きな価値です。」

今後の展望・注力する取り組み:CV最大化の追求と、さらなる連携強化

現在、順調に成果を伸ばしているBOTCHANに対し、金氏はさらなる期待を寄せています。

金氏:
「まずは、引き続きコンバージョン数の最大化を目指していきたいです。 そのためにも、他社の成功事例や効果が見込めそうな新しいクリエイティブなどを積極的にご提案いただき、我々の施策に活かしていきたいと考えています。 将来的には、有料会員になっていただいた後のリテンション施策などにも活用を広げ、お客様とより長期的な関係を築いていけるような取り組みにも挑戦していきたいです。」

同じ課題を抱える企業様へのメッセージ

最後に、同様の課題を抱える企業担当者に向けて、金氏からメッセージをいただきました。

金氏:
「メールや広告と異なり、LINEはほとんどの人が毎日利用しており、お客様とのコミュニケーションにおいて不可欠なツールになっています。 しかし、自社だけで知見のない状態からLINE施策を始めて、成果を出し、定着させるのはリソース的にも非常に難しいと感じています。 wevnal社は、多くの知見をもとに、課題の発見から施策の実行、改善までを一緒に担ってくれる心強いパートナーです。 特に、『サイトからの離脱を防ぎたいが、何から手をつければいいか分からない』『リソースがなくて新しい施策に踏み出せない』といった課題をお持ちの企業様にとっては、最適なソリューションではないでしょうか。 まずはPoCとして、リスクを抑えて試してみて、その効果を実感されることをお勧めします。」

歴史あるメディア企業が挑んだ、デジタル時代の新たな顧客コミュニケーション。その挑戦を、「BOTCHAN Engagement」はこれからも力強く支えていきます。

・・・
BOTCHANの導入をご検討中で、自社での活用可能性や状況に合わせた具体的なアドバイスをご希望の企業様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

弊社コンサルタントが、ご対応させていただきます。


SOMPOダイレクト損害保険様がLINEで実現した、顧客との新たな関係構築



キリンホールディングス様が購入フロー改善でCVR最大200%向上 
 

資料ダウンロード・お問い合わせ

サービスの改善でお困りの方は
お気軽にご相談ください。
課題に応じた手法を
ご提案させていただきます。

資料ダウンロード・お問い合わせ