ユーザーがカートに入れた商品を購入せずにサイトを離脱する「カゴ落ち」は、ECサイト運営者の皆さんが頭を悩ませる原因の一つです。
カゴ落ちを減らすことができれば、その分、売上アップも見込めます。とは言え、具体的にどんな対策を取ればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カゴ落ちが起きる8つの原因とその改善策をまとめました。
チャットボットサービス「BOTCHAN(ボッチャン)は、CVR改善に特化したマーケティング支援型のチャットボットです。
「BOTCHAN」であれば、月額5万円からの料金で、問い合わせ率や購入率が平均130%改善することが可能です。
「BOTCHAN」は、ECサイトを運営するときに悩みの種となるカゴ落ちにも効果のあるツールです。
まずは導入効果や事例、チャットボットならではの機能について解説した資料が無料でダウンロードできます。ぜひご覧ください。
目次
カゴ落ちとは?
「カゴ落ち」は、ECサイトにおいて一旦ユーザーが商品をカートに入れたものの、購入に至ることなく離脱してしまうことを指します。
「カート放棄」や「カート離脱」と呼ばることもあります。
カゴ落ち率の計算方法は以下の通りです。
株式会社イー・エージェンシーの調査によると、ECサイトのカゴ落ち率は平均約68.2%、カゴ落ちによる売上機会損失は平均約2.5倍にもなります(※)。
同社はこれに具体的な数字を当てはめ、「カートインユーザーが3,000人、月商500万円のECサイトの場合、カゴ落ちをしたユーザーは約2,046人、カゴ落ちによる機会損失額は約1,250万円発生している可能性がある」としています。
(※出典:ECサイト、売上の約2.5倍がカゴ落ちによる機会損失 ~ イー・エージェンシー)
なぜ、ユーザーは購入せずにサイトを離れたのでしょうか。カゴ落ちの原因となる要素を改善して、ユーザーの満足度を上げ、機会損失額を売上につなげていきましょう。
カゴ落ちが発生する8つの理由と原因
カゴ落ちの原因・理由は、大きく以下の8つに分けることができます。
1.カートに入れたままで購入を忘れていた
2.送料、手数料が高かった
3.購入までのプロセスが多く途中で止めてしまった
4.途中でエラーやクラッシュが起きた
5.サイトの信頼性が低く情報の入力が不安
6.決済の際、クレジットカードの利用ができなかった
7.納品まで時間がかかりすぎる
8.返品がしづらい
カゴ落ちの理由はこのうちの1つだけとは限りません。2つ以上の理由が組み合わさっている可能性もあります。
カゴ落ち率を改善するには、この8つの視点からECサイトを見直して改善をし、ユーザーがより安心して買い物できるサイトを作ることが必要です。
カゴ落ち率を下げる対策方法
前項では、カゴ落ちが発生する原因・理由として8つの要素を挙げました。続いてそれぞれの原因と理由を詳しく説明し、改善する方法を紹介します。
自社のECサイトの課題の洗い出しや、カゴ落ち率改善の参考にしてください。
改善策の中にはコストをかけずすぐにできるものもありますので、すぐにできるものから取り組んでみてはいかがでしょうか。
リマインドメール
リマインドメールは、カートに入れたままで購入を忘れていた場合に起きるカゴ落ちに効果的です。
ユーザーの中には、以下のような理由で「ついうっかり」サイトを離脱してしまうケースがあります。
・比較のために他のページやサイトを見ているうちに、カートのページを閉じてしまった
・カートに入れたものの「購入はまた今度でいいかな」と思って離脱した
・隙間時間に買い物をしていたが、急用ができてブラウザやアプリを閉じた
サイトにアカウント登録済みのユーザーであれば、カゴ落ち対策専門ツールを使いリマインドメールを送ることもできます。
アカウント登録をしていないユーザーに対しては、離脱前に「カートの中に商品が入っています」などのリマインドメッセージを表示させましょう。
また、動的リマーケティング広告を打つことも対策のひとつです。動的リマーケティング広告とは、ユーザーが過去に閲覧した内容に合わせて表示する内容が自動的に切り替わる広告を指します。
過去に閲覧した商品を広告で紹介することで、まだ購入していなかったユーザーに対してリマインドする方法です。
余分なコストの最小化
商品をカートに入れたものの、合計金額が予想以上に高かったためカゴ落ちするというケースもあります。
合計金額が予想以上に高くなる理由は、送料・手数料など商品価格以外のいわば余分なコストです。カゴ落ち率を改善したいのであれば、これらのコストを見直すことが必須です。
送料・手数料は無料にできるのであればそれに越したことはありません。無料にすることが難しい場合は、例えば一定額以上購入すると送料無料になるなどの特典を設定する方法もあります。
一定額以上で送料無料という特典を設定する場合は、カート画面に「あと○円以上購入で送料無料」と表示されるようにしておくのも効果的です。
ユーザー側に「送料無料になるまで購入しよう」という気持ちが生まれやすく「ついで買い」してもらいやすくなります。
代引き手数料や振込手数料などを無料にすることが難しく、コストが発生する場合は、何のためのコストがいくら発生するのかを明記しておくことも必要です。
入力フォームの簡略化
入力フォームが多く購入までのプロセスが長いと、ユーザーはストレスを感じカゴ落ちが起きやすくなります。入力フォームはできる限り簡略化しましょう。
特に見直したいのは、アカウント登録を促すタイミングです。初めの利用時にまずアカウント登録を促すECサイトは少なくありません。
しかし、ユーザーにとっては、少しでも早く購入したいときにまずユーザー登録を求められることは面倒で、ストレスを感じます。
初めての利用者もアカウント登録せずに購入できるようにしておき、購入後に希望者はアカウント登録ができるという流れのほうが、ユーザーのストレス軽減に、ひいてはカゴ落ち率の低下にもつながります。
また、アカウント登録しているユーザーについては、ログインすれば発送先住所や支払い方法などの登録情報が自動的に読み込まれるようにしておくと良いでしょう。
入力項目はできるだけ簡略化し、ストレスなく購入できる仕組みを作ることが重要です。
また、入力フォームの簡略化に、チャットボットというツールを活用するのも効果的です。
チャットボットとは、以下の画像のような、ロボットが音声やテキストを通じて人と会話するコミュニケーションツールです。
チャットボットを導入することで、必要な情報をチャット形式で気軽に入力できるようになり、カゴ落ち率の低下につなげることができます。
チャットボットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
システムの改善
購入手続きをしている最中にエラーが発生する、サイトの動作が重くてなかなか購入手続きが進まない、などもカゴ落ちの原因のひとつです。
ECサイトにおける最適なページの読み込み時間は2.7秒以下で、これ以上になると100ミリ秒ごとに最大7%CVR(コンバージョン率)が下がると言われています。
サイトのシステムを改善するなどして、エラーが発生しにくい、動作が早いサイトを作りましょう。
特に人気商品の発売時やセールの初日などは、ユーザーが多数アクセスすることが予想されます。
サーバーダウンなどしないようにサーバーを強化して、ユーザーがストレスなく商品を購入できるようにしておくことが必要です。
また、フォームの入力エラーにより、なかなか次に進めないこともカゴ落ちの原因のひとつです。
リアルタイムで入力ミスを分かりやすく示す入力アシスト機能を導入すると、ストレスもなく入力できるようになります。
サイトの信頼性の向上
ECサイトで買い物をするときには、氏名や住所などの個人情報のほか、クレジットカードの番号なども入力しなければいけません。ユーザーがこういった情報を入力するのに不安を覚えた場合にも、カゴ落ちは発生します。
そこで必要なのが、ユーザーに安心感を与えるサイト作りです。
インターネット上のセキュリティに関する技術に「SSL」と呼ばれるものがあります。
この技術は、インターネット上のデータ通信を暗号化し、安全にやり取りできるためのものです。サイト全体をSSLに対応させることは、基本的な対策のひとつです。
また、個人情報の扱いについては、プライバシーポリシー(個人情報保護方針)ページを作って明確にしておきましょう。
さらに、入力フォームにはSSL化に対応していること、入力された情報は安全に送信されること、個人情報はプライバシーポリシーに従って行っていることなどを明記しておくと、ユーザーも安心して購入することができます。
決済方法を選べるようにする
希望する決済方法がない場合、68.7%のユーザーが「他のサイトで購入する、購入を止める」というデータがあります(※)。
カゴ落ちを防ぐためには、決済方法は複数用意し、ユーザーが使いやすいものを選べるようにしておく必要があります。
クレジットカード、銀行振込、代金引換はもちろん、コンビニなどでの後払い決済などさまざまな決済方法を用意しておきましょう。
(※出典:ジャックス・ペイメント・ソリューションズ「2020年アンケートから見るECサイト利用者の決済事情」)
配送スピードの効率化
ジャストシステムが2018年に行った調査(※)によると、16.4%のユーザーがカゴ落ちの理由に「配送日が遅かった」を挙げました。
商品がなかなか届かないのはユーザーにとってのストレスになり得ます。お急ぎ配送のオプションを設けるなどして、商品の到着を急ぐユーザーへの体制も整えましょう。
配送方法を複数用意し、ユーザーが選べるようにしておくことも必要です。配達日・配達時間が指定できるようにする、コンビニ受け取りをできるようにするなどして、ユーザーが受け取りやすい環境を作ってください。
なかには、即日発送できないもの、予約商品や輸入商品などどうしても配送に時間がかかるものもあります。
その場合は、発送日・入荷予定日はいつなのか、配送までにどれくらいの日数がかかるのかなどを、商品ページに明記しておきましょう。
配送までかかる時間がある程度分かるのであれば、ユーザーも安心、納得して購入することができます。
(※出典:Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2018年1月度)ECで「かご落ち」したのは、「送料や手数料が高かった」から)
返品方法の簡略化
インターネットショッピングでは、実物を手にとって選ぶことができません。
そのため、手元に届いた後に「イメージと違う」、「サイズが違う」などの理由から返品・交換手続きがしばしば発生します。
万一のときは返品・交換ができると分かっていれば、ユーザーも安心して買い物をすることができます。
返品・交換の方法はできるだけ簡単にして、サイトに分かりやすく書いておきましょう。
返品・交換はできる限り受け付けるほうが、カゴ落ちも防ぎやすくなります。しかし、商品によっては返品・交換が難しいものもあるでしょう。
その場合は「開封後の返品・交換は不可」、「購入後○日以上経った場合は返品・交換不可」などのルールを明確に決めて、分かりやすく案内しておく必要があります。
返品・交換方法やそのルールについては、なるべく早い段階で分かりやすく伝える必要があります。
商品ページに記載しておく、詳細を書いたページへのリンクを張っておくなどしておくといいでしょう。
チャットボットを活用してカゴ落ちを改善した事例
ひとつ前の見出しの中で、カゴ落ちを改善させるツールとして、チャットボットを紹介しました。
本見出しでは、実際にチャットボットを導入して、カゴ落ちを改善させた事例を紹介します。
売上が10倍
株式会社ライブナビ
導入の目的:売上の上昇
導入後の成果:売上が10倍に
獣医師との共同開発を経たのち、満を持して犬のデンタルケア商品「ドクターワンデル」を販売し始めた株式会社ライブナビでしたが、当初は売れ行きが芳しくありませんでした。
しかし、商品ページにチャットボットを設置して、購入の際にそのチャットボットからの情報入力を促したところ、設置から半年で売り上げは10倍に。
こちらの事例の詳細はこちら↓
CVRが200%改善
株式会社レッドビジョン
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが約200%改善
ヘアケアブランド「マイナチュレ」を販売する株式会社レッドビジョンでは、自社で運営する女性向けECサイトのカート内での離脱率が高いという悩みを抱えていました。
そこでチャットボットを導入し、チャット内で決済まで完結できるようにしたところ、CVRが約200%改善。
本事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
CVRが向上
株式会社ファンファレ
導入の目的:売上の増加
導入後の成果:CVRが向上
スキンケア商品「ととのうみすと」を展開する株式会社ファンファレは、カゴ落ち率の改善がなかなかできないという課題を抱えていました。
そんななか、商品LP(ランディングページ)に新たな購入フォームとして設置したのがチャットボット。
スムーズな入力体験により、CVR(=購入率)は向上。
在庫切れの危機に直面するという、うれしい誤算もありました。
チャットボットの設置によってカゴ落ち率を改善した事例です。
こちらの事例に関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
工夫をすれば改善できるカゴ落ち
カゴ落ちの8つの原因とその改善策を紹介しました。
大きな機会損失額を発生させるカゴ落ちは、適切な対策をとることで減らすことができます。ぜひ、今回紹介した8つの対策を参考に、カゴ落ち率が低いECサイト作りを目指してみてください。