チャットボットとは、「対話(chat)」と「ロボット(bot)」という言葉を組み合わせたもので、ユーザーからの質問にチャット形式で自動返答するコミュニケーションツールのことです。
現在では、さまざまなビジネスシーンにおいてチャットボットが使われており、中でもECサイトやWebサイトの問い合わせ対応などでの活用が広がっています。
ということで本記事では、現在様々な場面で活用されているチャットボットに関して、
・そもそもチャットボットとは
・チャットボットの活用事例
・チャットボットを導入する際の注意点
などを中心に解説します。
チャットボットの導入効果はあるのだろうか…?
チャットボットの導入費用はいくらくらいだろうか…?
チャットボットはどのような手順で導入するのだろうか…?
など、不透明な部分も多くあると思います。
まずは1社、調べてみるのはいかがでしょうか?
チャットボットサービス「BOTCHAN」であれば、月額5万円からの料金で、問い合わせ率や購入率が平均130%改善することが可能です。
「BOTCHAN」については以下からお問い合わせください。
目次
実際に触りながらチャットボットを理解する
チャットボットとは、一体どのようなツールなのでしょうか。
本見出しの前半にて、最新のニュースや簡単な概要を読んだ後は、実際にチャットボットを触ってどのような使い心地なのかを感じてみてください。
世の中からの注目度が高まるチャットボット
「チャットボットスタートアップのHeydayが約5.6億円を調達」というタイトルの記事が、2021年の3月11日に公開されました。
(参考記事はこちら)
チャットボットサービスを開発するHeydayというスタートアップが、約5.6億円の資金調達をしたというニュースです。
いまから約50年前の1966年に初めて開発され、日進月歩での発展を続けるチャットボット。
その発展とともに普段の生活の中で活用される場面も増えており、Googleトレンドを見ても、チャットボットに対する注目度が高まっている様子がうかがえます。
実際にチャットボットを触ってみよう
チャットボットの最新ニュース紹介と概要は以上です。
それでは実際に、チャットボットを触ってみましょう!
いま見ている画面の右下に、女性のアイコンと青いバナーが見えませんか・・・?
(スマートフォンで本記事をご覧になっている方は、画面下部に「お問い合わせはこちら!」の青いバナーが出ていると思います)
その女性の顔、もしくは「お問い合わせはこちら!」の文言をクリックすると、バナーが大きくなるはず。
これが、チャットボットです。
ではここから実際に、何問かチャットボット内に出ている質問に答えてみましょう。
チャットボット画面の上のあたりに「あと◯問」という表示が出ていると思いますが、これが0問になるでは問い合わせが完了せず、誤って問い合わせてしまうことはないので、安心してください。
課題や会社名、名前など、質問に答えていくと、どんどん下から新しい項目が出てくる感覚を体験できると思います。
最後にもう一度チャットボット上部の「お問い合わせはこちら」のあたりをクリックすると、チャットボットの表示を小さくすることができます。
このようにして、一問一答の会話形式でスラスラとコミュニケーションを行なうことができるのが、チャットボットの大きな特長のひとつです。
チャットボットはどういう課題を解決できるのか
では、活用場面の増えているチャットボットですが、実際にどのような課題を解決しているのでしょうか。
一般的にチャットボットの活用と相性の良い課題は、以下のようなものが挙げられます。
・社内問い合わせの対応負担の軽減
・顧客からの問い合わせの対応負担の軽減
・Webサイト/LPのCVR向上
・潜在顧客の育成
・既存顧客のロイヤリティ向上
チャットボットのメリットについては、下記の記事も参考にしてください↓
そしてこれらの解決できる課題をもとに、世の中のチャットボットは大きく2種類に分けることができます。
解決できる課題別にチャットボットを2タイプに分類
チャットボットは大きく、解決できる課題別に「問い合わせ対応型」と「マーケティング支援型」の2種類に分けることができます。
それでは、それぞれのタイプのチャットボットが具体的にどのようにして効果を発揮するのかについて、解説していきます。
問い合わせ対応型
1つ目は「問い合わせ対応型」です。
「社内からなのか or 顧客からなのか」という対応相手はひとまず脇に置いておき、これまで人が担っていた、ユーザーからのなんらかの問い合わせを代替するチャットボットは全て、この「問い合わせ対応型」に分類できます。
そして「問い合わせ対応型」のチャットボットは、主に3つの利点があります。
対応コストの削減
これまで人が担っていた業務をチャットボットで代替することによって、対応コストの削減をすることができます。
これまで同じような質問にその都度、人が電話やメールなどで対応していた工数も、チャットボットであれば瞬時に自動で応答することが可能です。
また、業務そのものに必要なコストだけでなく、担当社員間同士の引き継ぎコストや新しいメンバーが加入したときの教育コストなども、チャットボットであればデータを蓄積することができるので、削減することができます。
(短期的な)顧客満足度の向上
人による電話やメールの対応の場合、多くの企業では基本的には「対応可能な時間」が定められており、深夜や土日などは対応不可としている企業も少なくありません。
しかしチャットボットであれば24時間365日、稼働しています。
また、対応可能な時間帯であっても、一気に問い合わせが殺到するとなかなか電話がつながらなかったり、メールの返信がなかったりするケースもありますが、チャットボットであれば即時に対応をすることが可能です。
(中長期的な)顧客満足度の向上
チャットボットであれば文字として顧客とのやり取りの記録が残るので、後からも見返しやすく、今後のサービス内容の改善に生かしやすいです。
どういう内容で顧客は困っていることが多いのか、どういったサービスを求めているのかを、データとして可視化することによって、企業や部署によっては属人的になりがちな顧客対応の質を、底上げすることができます。
マーケティング支援型
チャットボット、2つ目の種類は「マーケティング支援型」です。
1つ目の「問い合わせ対応型」が「コスト削減」を主な目的としたタイプのチャットボットであるのに対し、こちらの「マーケティング支援型」は主に企業の「売り上げ向上」を目的としたチャットボットと言えます。
それでは、この「マーケティング支援型」のチャットボットは、どのようにして売り上げの向上に寄与するのでしょうか。
大きく分けて3つの方法があります。
Webサイト/LPからのCVR向上
1つ目は自社のWebサイトやLPにチャットボットを設置して、CVRの向上を図るやり方です。
これまでの一般的な情報の入力フォームに追加、もしくは代替する形でチャットボットを設置することによって、顧客との新たな接点として機能します。
一問一答形式のストレスが少ないフォーム画面、画像やイラストなども駆使した訴求内容の視覚化などによって、CVRの向上に貢献します。
潜在顧客の育成
2つ目はチャットボットを通じて顧客との双方向なコミュニケーションを実現することにより、潜在層の顧客の熱量を高めることができます。
具体的には顧客の属性や会話データなどに応じて、顧客それぞれに合わせたサービスや情報を提供したり、チャットボットという気軽なコミュニケーションツールを活用したりすることで、継続的に顧客と接点を持つことが可能です。
結果的に顧客のサービスに対する理解が深まり、熱量の高まりにつながります。
既存顧客のロイヤリティ向上
3つ目は既存顧客のロイヤリティ向上で、一度商品を購入したりサービスを導入したりしていただいた顧客と、定期的なコミュニケーションを図ることにより、既存顧客のロイヤリティ向上に貢献することが可能です。
例えば、新商品や別プランの案内によるアップセル・クロスセルの実施や、企業やサービスのキャラクターをチャットボットのアイコンとして活用し、愛着が増加することによるLTVの向上といった効果を期待できます。
チャットボットの種類についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
業界課題別のチャットボットの導入事例
チャットボットの導入によって解決できる課題の概要を解説したところで、ここからは業界課題別のチャットボット導入事例をご紹介します。
一口で「課題」と言っても、業界ごとにその抱える課題は千差万別です。
自社の業界、もしくは自社に近い業界はどのような課題を抱えており、その課題に対してチャットボットを活用することによってどのように解決したのかを見ていきましょう。
カゴ落ち率の改善(EC)
株式会社ファンファレ
導入の目的:売上の増加
導入後の成果:CVRが向上
EC業界の方が異口同音に事業の悩みとして挙げるのが、購入フォームの途中でユーザーが離脱してしまう、いわゆる「カゴ落ち」。
ご多分に漏れず、スキンケア商品「ととのうみすと」を展開する株式会社ファンファレも、カゴ落ち率の改善がなかなかできないという課題を抱えていました。
そんななか、商品LP(ランディングページ)に新たな購入フォームとして設置したのがチャットボット。
在庫切れの危機に直面するという、うれしい誤算もありました。
チャットボットの設置によってカゴ落ち率を改善した事例です。
こちらの事例に関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
学生との接点を増やしたい(教育・学校)
早稲田美容専門学校
導入の目的:学生(顧客)との接点を増やす、Webデザインの改善
導入後の成果:学生(顧客)との接点が増加
「SNSの活用法」を授業として取り入れるなど、単なる美容の技術にとどまらない時代に合わせた柔軟なカリキュラムで、人気・知名度ともに急上昇していた早稲田美容専門学校では、サイトに設置している入力フォームの地味なデザインを改善したいと考えていました。
そこで、サイトの雰囲気に合わせたよりポップで使いやすい入力フォームとして、チャットボットを導入。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、早稲田美容専門学校ではそれまで行なっていたオープンキャンパスを実施しにくいという状況になりました。
学生さんに実際に来校してもらいにくいという制約を抱えるなかで、オンラインでの新たな接点として「オンライン説明会」という施策を開始。
チャットボットが早稲田美容専門学校と学生との重要なオンラインでの窓口となりました。
LINEやインスタグラムでのDM(ダイレクトメッセージ)といったチャット形式でのコミュニケーションに慣れた学生との接点として、チャットボットが重要な役割を果たした事例のひとつと言えるでしょう。
本事例に関して、より詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください↓
資料請求数を増やしたい(BtoB)
株式会社RESEPTIONIST
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求率が162%上昇
BtoB、つまり法人を対象にビジネスを展開する企業にとって、「資料請求」によるリードの獲得は有効な施策のひとつです。
そんな中、クラウド受付システム「レセプショニスト」を提供する株式会社RECEPTIONISTは、資料請求数の増加を目的として、自社サイトにチャットボットを導入。
ユーザーとの新たな対応チャネルとして、チャットボットが効果的に働いた事例と言えるでしょう。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
見込み顧客をたくさん確保したい(不動産)
遠州鉄道株式会社
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求が2倍に
土地や家を買うというのは、一生のなかでも一番と言っても過言ではないくらい大きな買い物です。
当然、検討から実際に購入するまでの期間は長くなります。
顧客一人ひとりの検討期間が長くなるため、不動産の事業者側としては、一人でも多くの購入検討者との接点を持っておきたいところ。
不動産事業を展開する遠州鉄道株式会社では、自社サイトからのCVR(≒問い合わせ率)を上げるため、チャットボットを導入。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
会員登録を増やしたい(オンラインサービス)
ビズメイツ株式会社
導入の目的:会員登録数の増加
導入後の成果:全体のCVRが117%、スマートフォンからのCVRが133%改善
オンラインの英会話サービス「ビズメイツ」を展開するビズメイツ株式会社では、どれだけ無料の会員登録数を増やせるかが、事業拡大の鍵のひとつでした。
そこで、自社のサービスにサイトに、新たな入力フォームとしてチャットボットを導入。
豊富な画像やイラストなどを用いてユーザーとコミュニケーションを図ることのできる、チャットボットの特長を生かした事例と言えるでしょう。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
転職希望者とより気軽に接点を持ちたい(人材)
株式会社夢真ホールディングス
導入の目的:エントリー数の増加
導入後の成果:前年比131%のCVを達成
転職や就職は、人生の一大事。
どうしても慎重にならざるをえません。
ただ一方で、ちょっとしたきっかけや気持ちの変化などで一気に行動に移す場合もあるでしょう。
そんなときにすぐにサポートできるよう、人材事業者は、転職希望者・検討者とできるだけ気軽に接点を確保しておきたいもの。
建設業界に特化した転職支援サービス「俺の夢」を展開する株式会社夢真ホールディングスは、転職希望者が気軽に情報を入力できるよう、自社サイトにチャットボットを設置。
結果的に自社サイトからのCVR(≒申し込み率)が131%向上しました。
チャットボットの手軽な使い心地が成果に結びついた事例と言えるでしょう。
チャットボットの他の導入業界についても知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください↓
他にはどのような課題を解決できるのか
先ほどは、業界別の導入事例を紹介しました。
ここからは、業界を問わずチャットボットの導入によってどのような課題を解決できたのかに関する実際の事例を解説します。
自社の課題に近いものや当てはまるものがあるかどうか、確認してみてください。
オンラインとオフラインとのスムーズな接続
カツデンアーキテック株式会社
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求数が過去最多112件に増加
建材メーカーのカツデンアーキテック株式会社では、サイトからの資料請求を増やすためチャットボットを導入。
チャットボットを通じた問い合わせのあと、問い合わせたユーザーの地域に応じて、それぞれのエリアの営業担当者に通知メールがいくよう設定しました。
チャットボット自体はオンラインでのサービスですが、そこからの各地域の営業担当者への連絡というスムーズなオフラインへの接続を実現。
チャットボットの導入後、サイトからの問い合わせも増加しており、様々な面でのチャットボットの効果を実感することのできる事例と言えます。
この事例に関してより詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
潜在層との接触
株式会社いえらぶマーケティング
導入の目的:会員登録者数の増加
導入後の成果:CVRが向上、会員登録者数増加
自社のサービスサイト「いえらぶ不動産転職」の会員登録数を増やしたいと考えていた株式会社いえらぶマーケティングの小泉さんは、手軽かつ低予算で始められる施策として、チャットボットの導入を決断。
結果的にチャットボット導入以前と比べてCVR(≒会員登録率)は150%改善。
また、チャットボット内のシナリオにて、「適職診断」というコンテンツを展開したところ、いますぐに転職を考えているわけではない、いわゆる「潜在層」のユーザーも会員登録をしてくれるようになりました。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひ下記の記事をご覧ください↓
購入単価・LTVの向上
株式会社フロムココロ
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが150%改善
自社のEC商品としてマウスウォシュ「Daily1(デイリーワン)」を展開していた株式会社フロムココロでは、CVRの低迷に課題を抱えていました。
そこで新たな情報の入力フォームとして、チャットボットを導入。
結果的に、CVRが150%改善しました。
具体的には従来の購入フォームと比較した場合に比べて、チャットボットを通じて商品を購入したユーザーの方が、アップセル率が5ポイントも高いという結果。
チャットボットでの柔軟なシナリオ設計やコミュニケーションによって、購入単価やLTVを向上させた事例のひとつです。
こちらの事例に関してさらに詳しいことを知りたい方はこちら↓
顧客満足度の向上&業務の効率化
株式会社クロコス
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが140%改善
ハンド美容液「Siro jam(シロジャム)」を展開する株式会社クロコスは、商品LPからのCVRを高めるため、チャットボットを設置しました。
チャットボット内の設問項目の順番を変更したり、画像を活用したビジュアル訴求をしたりするなどの工夫によって、チャットボット導入後のCVRは140%改善。
チャットボット内で購入にあたって住所情報を入力するなかで、これまでカートシステムの都合で実装がかなわなかった「宅配ボックスへお届け」という選択肢を、チャットボット内で表示。
これまで数多くあった「宅配ボックスへお届けという選択肢を欲しい」というお客様からの要望に答えるだけでなく、これまでそういった問い合わせに個別対応していた企業側の対応工数の削減にもつながる、まさにWin-Winの結果となりました。
チャットボットでの柔軟なシナリオ設計によって顧客満足度の向上と業務の効率化につながった、ひとつの事例と言えるでしょう。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひ下記の記事をご覧ください↓
データをもとにした数値改善
株式会社レッドビジョン
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが約200%改善
ヘアケア商品「マイナチュレ」を展開する株式会社レッドビジョンでは、ECの際のカートでのカゴ落ちに悩んでいました。
そこで導入したのがチャットボット。
結果的にCVR(≒商品購入率)は200%改善されます。
どこでユーザーが離脱して、何問目は何%の人が通過しているのかなどのデータを蓄積することができるので、改善の際の大きな材料となります。
データを数値やテキストなどで可視化しやすいチャットボットならではの実績と言えるでしょう。
この事例に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
導入から半年で売り上げが10倍
株式会社ライブナビ
導入の目的:売上の上昇
導入後の成果:売上が10倍に
獣医師との共同開発を経たのち、満を持して犬のデンタルケア商品「ドクターワンデル」を販売し始めた株式会社ライブナビでしたが、当初は売れ行きが芳しくありませんでした。
しかし、商品ページにチャットボットを設置して、購入の際にそのチャットボットからの情報入力を促したところ、設置から半年で売り上げは10倍に。
こちらの導入事例について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考になってください↓
販売代理店の活発化
株式会社magicnumber
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが1%改善
株式会社magicnumberは、自社のヘアケアブランド「Le ment(ルメント)」のEC展開にあたって、購入途中での顧客の離脱、いわゆる「カゴ落ち」を課題のひとつとして抱えていました。
その課題を解決してCVRを改善するため、商品LP(ランディングページ)にチャットボットを設置。
そして、それだけでなく、チャットボットの設置されているLPであれば商品が売れやすいということで、Le mentの販売代理店の動きが活発化。
CVRの改善による売り上げアップはもちろん、代理店との関係強化という面でも、チャットボットが効果を発揮した事例です。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひ下記の記事をご覧ください↓
受電率が向上
エイチアールワン株式会社
年末調整システムの開発運用を手がけるエイチアールワン株式会社では、10月下旬から年末にかけて電話が集中する時期には、受電率が100%に満たないという課題を抱えていました。
そこで、ユーザーからの問い合わせを代替するためのチャットボットを導入。
結果的に、7割に満たなかった受電率を100%にすることができました。
(事例参考:https://saichat.jp/saichat/saichat-case/interview-hrone/)
問い合わせが7.5倍に
エン・ジャパン株式会社
採用支援サービス「engage」を立ち上げたエン・ジャパン株式会社のもとには、求人企業からの電話問い合わせが殺到。
まずは問い合わせ対応の工数を削減するためにチャットボットを導入したものの、加えて有料オプションに関する問い合わせ対応の質を上げるため、チャットボットの改善を開始しました。
結果的に有料オプションの問い合わせ数は7.5倍、発注率は約3倍という大きな成果へとつながりました。
(事例参考:https://karakuri.ai/cases/en-japan)
チャットボットの導入効果に関して、本記事で紹介した事例含むより詳細な記事を読みたい方は、こちらをどうぞ↓
ここまでの事例に自社の課題が当てはまらない方へ
ここまでの「チャットボットによって解決できる課題」を読んできて、ひとつもピンと来る課題のなかった方、また逆にこれから述べるポイントに当てはまるものがある方は、もしかするとチャットボットの導入が自社の課題解決に適していない可能性があります。
その課題は本当にチャットボットの導入が向いているのか、再度確認してみてください。
以下では、チャットボットの導入によって効果を出しにくいケースを3つ解説します。
毎度異なる問い合わせ内容や入力内容のサービスを運営している場合
AIが日進月歩の発達を続けているものの、人間と同じレベルでのコミュニケーションを行なうことのハードルは、まだまだ高いです。
同じような問い合わせ内容や入力内容であればチャットボットで代替することができますが、毎度異なったり複雑だったりする場合、チャットボットにその役割を任せるのは難しいかもしれません。
チャットボットが向いているのは、例えば不動産で毎度「エリア」や「家賃」などの同じ問い合わせ内容だったり、ECで商品を購入する際に「名前」や「住所」など毎度同じ内容を入力したりする場合です。
チャットボットの導入業界について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
想定しているFAQのパターンが多い
こちらは1つ目のケースと関連しますが、想定するFAQのパターンが多い場合は、チャットボットの導入が向いていない可能性があります。
チャットボットが解決できる課題の1つとして「問い合わせ対応を代替して業務を効率化する」がありますが、事前に想定するFAQのパターンが多いと、チャットボット内のシナリオが複雑になってしまい、うまくユーザーからの問い合わせに答えられない場合があるのです。
目安としては登録するFAQが300件以上の場合は、チャットボットよりもFAQシステムを導入した方がコストの削減につながる可能性が高いです。
チャットボットとFAQシステムの比較については、こちらの記事をご覧ください↓
そもそもPVや問い合わせ数が少ない
そして最後、チャットボットの導入が適していない3つ目のケースは、そもそもサイトのPV(=閲覧数)や問い合わせ数が少ない場合です。
上記で解説したように、(現状では)チャットボットは同じ内容のやり取りを繰り返すことが得意です。
つまり、同じパターンのコミュニケーションを繰り返せば繰り返すほど、チャットボットの費用対効果は高まります。
そこでそもそものPV数や問い合わせ数が少ないと、チャットボットの効果を発揮しにくくなるのです。
また、これまで蓄積された問い合わせのデータが少ないと、チャットボットにてシナリオを作成する際に、精度の高いチャットボットを構築することが難しくなります。
どれくらいのPVや問い合わせ数があれば費用対効果を高めることができるのかというのは、チャットボット提供各社の料金やAIの精度によって異なるので、比較時に確認してみてください。
チャットボットの導入がうまくいかないケースについて、より詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
チャットボットは自社開発?ツール導入?3つの違いを解説
チャットボットの導入事例と失敗する可能性のあるケースを読んだ上で、自社の課題に対してチャットボットの導入が適していると感じ方は、実際にチャットボットの導入を検討してみましょう。
チャットボットは、大きく「自社開発」と「ツール導入」の2つの導入パターンがあります。
両者の違いについて3つの特徴に分けて解説するので、自社に適した導入方法の参考にしてください。
カスタマイズ性の高さ
当然ですが、自社で開発を行なった方が、カスタマイズの幅が広がります。
ただ、自社でカスタマイズ性の高いチャットボットを開発する際には、そのカスタマイズを実現する技術を持ったエンジニアが社内にいるか、もし現時点で存在しない場合は採用できそうかどうかの検討が必要です。
トラブル時の対応スピード
自社で開発した場合、保守運用のメインも社内で担うことになるので、何かトラブルが起きた際の対応スピードも上がるでしょう。
ツール導入をした際は、まずツール導入先のカスタマーサポートに問い合わせることになるので、場合によっては対応が遅れる可能性もある点に注意してください。
しかし一方で、ツールベンダーの場合はそれまで数多くのクライアントのサポートをしてきた実績とノウハウがあるので、自社開発の場合に対応しきれないような複雑なトラブルに対しても解決することが可能な場合もあります。
開発コスト
開発の費用や工数を含む開発コストに関して、どちらの導入方法が高くなるかについては、ケースバイケースという形になります。
自社開発の場合でも、LINEやFAcebook、Twitterなどが公開しているAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)や、チャットボット用のフレームワークを用いて開発すれば、それほどコストかけずに開発できる可能性があります。
しかし、自社の仕様に合わせてゼロから自社開発する場合は、そもそもの設計や必要な技術も含めて、高額なコストが必要になるでしょう。
一方で、ツール導入の場合も、工数面ではチャットボットの開発を外部のツールベンダーに依頼できるので、それほど負担はかかりません。
しかし初期費用や月額費用などに関しては、どのチャットボットベンダーを選定するかによって大きく変わります。
自社の課題を解決するために必要な機能は何なのか、事前に整理しておきましょう。
チャットボットの導入費用に関してより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください↓
チャットボットのシナリオってどうやって作るの?
自社で開発する場合でも、ツール導入をする場合でも、実際にチャットボット内のシナリオをどのように作成するかは気になりますよね?
自社で開発する際にはもちろん、ツール導入する際でもベンダーのカスタマーサポートの手厚さの度合いに応じて、シナリオの作成工程を全て代行してくれるベンダーもあれば、シナリオ作成は導入企業側の担当者が行なう場合もあります。
細かいサポート内容は各社へ実際に問い合わせることが必要ですが、いずれにしろチャットボットの動く仕組みについて詳しくなることは、チャットボットのうまく活用するためにプラスに働くでしょう。
本見出しでは、実際の作成画面も見ながら、チャットボットのシナリオをどのように作成するかの一部分をご紹介します。
チャットボットのシナリオ作成画面を大公開
こちらはチャットボットサービス「BOTCHAN(ボッチャン)」の実際にシナリオ作成画面です。
画面下部にある黄緑色の「+」マークと水色の「+」マークは分かりますか??
チャットボット側の発言を新規で作りたい場合は、左側にある黄緑色の「+」マークを、ユーザー側の回答する選択肢や項目を新規で作りたい場合は右側にある水色の「+」マークを押すと、新たな発言や設問、回答欄などを設定することが可能です。
チャットボットの発言やユーザーの回答する選択肢を設定してみよう
では実際に、チャットボット内に新規の項目を追加していきましょう。
まず左側にある黄緑色の「+」マークをクリックすると・・・
画面右側にチャットボット側の発言を記述する画面が現れます。
そこに例えば「こんにちは」と入力すると、プレビューのような形で、画面中央部のシナリオ画面にも「こんにちは」の文言が反映されるという手順です。
次に画面下の水色の「+」ボタンを押すと・・・
画面右側に選択肢の数や内容を編集できる画面が登場します。
このようにして、最終的にはチャットボット各社の仕様にも左右されますが、チャットボットのシナリオはある程度直感的に作成することも可能です。
具体的なシナリオ作成方法やFAQの組み合わせ方などは、実際にチャットボット各社に問い合わせてみてください。
ちなみに、今回一例として実際にお店したチャットボットサービス「BOTCHAN」の場合は、ここまでご紹介したように、直感的な感覚で新規のシナリオを作れます。
チャットボットを比較する際の3つの確認ポイント
ここまでの内容を読んだうえで、自社の課題解決のためにチャットボットのツール導入を検討している方は、実際にチャットボット各社の比較を行なっていきましょう。
各社のチャットボットを比較する際には、これから挙げる3つのポイントに、特に注意して見てください。
すぐにチャットボット各社の比較結果を知りたい方は、こちらの記事からどうぞ↓
自社の課題を解決することのできるチャットボットか
上記にて、チャットボットは大きく解決できる課題に応じて「問い合わせ対応型」と「マーケティング支援型」の2種類に分けられると解説しました。
両方の用途に対応できるチャットボットも存在しますが、どちらか1つのタイプに特化しているチャットボットも珍しくはありません。
そのチャットボットがどちらのタイプなのか、自社の課題に対応しているのか、確認しましょう。
チャットボットの種類についてより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください↓
料金
料金に関しては、導入を検討する方全員が気になる項目だと思います。
かかる料金によって、求められる効果や使用できる機能なども大きく変わってくるので、料金は必ず確認しましょう。
ただ、「料金」と一言で言っても、初期費用や月額費用、またそもそも月額費用は固定なのか成果報酬型なのかなど、タイプは様々です。
一般的な相場としては、初期費用は無料〜10万円、月額費用は1万〜30万円程度を目安としてください。
ただ、もちろん例外の企業も数多くあるのと、AI(人工知能)の搭載をはじめとしたカスタマイズの程度によっては、初期費用や月額費用が100万〜数百万円になることもあります。
正確な金額は、チャットボットの提供各社に問い合わせてみてください。
チャットボットの費用相場に関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参考にしてください↓
AI機能搭載の有無
これによって、先ほど確認ポイントとして挙げた「料金」はもちろん、チャットボットに期待する役割の範囲や導入までの期間などが大きく変わってきます。
AI機能が搭載されているものであれば、多くのケースで料金が高くなったり、導入までの期間が長くなったりするなどの注意点があります。
しかしその分、顧客からの様々な種類の問い合わせに対応できたり、顧客の状態それぞれに合わせた柔軟なコミュニケーションが可能になったりします。
自社が導入する際に、チャットボットにどこまでの役割を求めるのかを検討したうえで、「AIが使われているのかどうか」も確認しましょう。
これらの比較項目を踏まえた上で、チャットボット各社の比較をしたい方は下記の記事をご覧ください↓
チャットボットの中でAIはどのように活用されているのか?
先ほどの見出しにて、チャットボット各社の比較を行なう際には、AI機能搭載の有無も確認した方が良いと解説しました。
ただ、実際のところAIはチャットボットの中でどのように活用されているのでしょうか?
今後益々AI機能の活用場面はチャットボットに限らず広がっていくことは確実ですが、本見出しでは、現時点での主な2つの活用場面について紹介します。
自社の課題解決に対してそのAI機能は必要そうかどうか、検討する際の参考にしてみてください。
ユーザーの入力した言葉や内容を読み取る
1つ目は、ユーザーが入力した内容をAIによって読み取るという活用方法です。「自然言語処理」と呼ばれることもあります。
例えばAIを用いずに「このキーワードを入力したらこの返答をする」と決めたチャットボットの場合、その特定のキーワードを入力したときしかチャットボットが反応しません。
つまり、「料金」と入力された場合に「1,500円です」と事前に設定していた場合、ユーザーが「料金」と入力した場合にしか、料金に関する返答をできないのです。
しかし、もしAIを活用して表記の揺れに対応した場合、「価格」や「値段」といった、入力している単語は異なるものの、ユーザーの求めている情報が共通しているものに関して、的確に反応して「1,500円です」といった返答が可能になります。
ユーザーの意図したものや適性に合わせて柔軟にシナリオを変更できる
AIを活用していない、「シナリオ型」や「人工無脳型」と呼ばれるチャットボットの場合、事前に綿密なシナリオを設計して、ユーザーの回答内容に応じて決められた通りの分岐をします。
しかしAIを活用すれば、ユーザーの入力した内容に応じて、そのユーザーに合った最適な選択肢を提示したり、最適な商品をオススメしたりすることも可能です。
これらの提示やオススメする精度などは、ユーザーとのコミュニケーションを通じてデータが蓄積されればされるほど、精度が高まっていきます。
自社の課題解決にAIは必要か?
以上2つが、チャットボットにAIを搭載して実際にどのようなことができるのか、現時点での機能のご紹介です。
もちろん、今後AIの研究が進むなかで、より幅広い箇所でAIの活用は進むでしょう。
ただ、もちろんですがAI機能を搭載すればその分、費用は高くなります。
あくまでも相場ですが、AIを搭載しないチャットボットと比較して、初期費用であれば30~50万、月額費用であれば10~50万円ほどの差が出ます。
また、導入までの期間や工数、実装後の精度改善の運用コストも大きくなります。
費用対効果の高いチャットボットを導入するにあたって、自社の抱えている課題に対してAIは本当に必要なのか、導入する場合はそれに応じた期間や金額のコストは負担できそうか、事前に確認しましょう。
AI機能搭載の有無や料金など、チャットボット各社を徹底比較した内容についてご興味ある方は、下記の記事もご覧ください↓
チャットボット導入後に最大限活用するための3つの注意点
チャットボットは、設置して終わりではありません。
むしろ、設置してからが本番です。
設置後にチャットボットに蓄積されたデータをもとに、どれだけ精度を高めたり、改善できたりするかどうかが、チャットボットで成果を出すための鍵を握ります。
チャットボットの導入、比較検討を本格的に行なう際にはこれらの注意点を守れそうかどうかも念頭に置いてください。
チャットボットの運用を担当する人が社内にいるか
繰り返しになりますが、チャットボットは導入して終わりではありません。
導入後、データや使用履歴などを確認しながら改善を行なっていく必要があります。
もちろん、チャットボット提供会社のカスタマーサクセスからの支援はしてもらえることが多いですが、提供会社によって支援の程度にばらつきがあります。
そして、最終的にはやはり導入した企業がどれだけその運用にリソースを割くことができるかどうかが、導入成功の鍵を握るのです。
導入後にチャットボットベンダーとの窓口になったり、設置後の改善に十分な時間と工数を割くことのできる担当者が社内にいるかどうか、確認してください。
チャットボットに任せる範囲を明確にする
チャットボットはまだまだ発展途上なツールであり、時代とともにできることや精度は向上していますが、まだまだできないことが多いのも事実です。
「チャットボットで業務を代替する」と一言で言っても、全ての問い合わせ対応をチャットボットに任せるのか、一部だけを任せてそれ以外は有人で対応するのかなど、あらかじめ整理しておきましょう。
また、これらの線引きを社内で統一しておくことによって、導入準備や運用が始まった際に「チャットボット入れたのにここまでしかやってくれないの!?」という認識の齟齬を防ぐことができます。
的確に運用ができているかどうかのKPIを定める
本記事では、チャットボットを導入目的によって大きく2種類に分けて紹介しました。
しかし、「問い合わせ対応」や「マーケティング支援」などの粒度では、運用の際のKPIとしてはまだ大ざっぱです。
問い合わせ対応であれば、「回答率」や「回答数」、「起動率」などを、マーケティング支援が目的であれば「CVR」や「CV数」、「CPA」などを、自社の課題に合わせて設定しましょう。
それらの数値を継続的に分析、改善することによって、チャットボットの導入が成功につながる可能性が大きく高まります。
運用の際の指標となるチャットボットの種類別KPI
それでは実際にチャットボットを導入した際に、当初の目的に沿って運用されているかどうかを測定するKPIの参考をご紹介します。
これらの例と自社の解決したい課題を照らし合わせながら、的確なKPIを設定して、その数値を指標に改善運用を行なっていきましょう。
問い合わせ対応型チャットボットの3つのKPI例
まずは問い合わせ対応型のチャットボットを導入した際のKPIの例を解説します。
問い合わせ対応型チャットボットの主な目的は、業務の効率化やユーザー満足度の向上です。
チャットボットの起動回数・起動率
まずはそもそもチャットボットが使われようとしているのかどうかを測定しましょう。
この数値がPV数に対して極端に低い場合は、そもそもチャットボットの存在に気づいてもらえていない、チャットボットの設置ページが的確でない、起動の仕方がユーザーに伝わっていないなどの可能性があります。
問い合わせに対する回答数・回答率
次に、実際にチャットボットが起動してどれくらいの問い合わせに対応できているか、また問い合わせの数に対してどれくらいの割合をチャットボット内で完結できているかも確認することが大切です。
どれくらいの数の問い合わせに対応できているかどうかは、問い合わせ対応型チャットボットの費用対効果に直結するところなので、特に重視しましょう。
また、問い合わせの数に対してチャットボット内で完結できている割合が低く、有人対応に切り替わるケースなどが多いと、結果的に対応工数を増やしてしまうことにもつながりかねないので、注意してください。
これらはチャットボットの精度を向上させることが効果的な対策です。
ユーザーの満足度
チャットボットでの対応が終了したあと、「お客様の知りたかった項目は解決できましたか?」などの質問項目を提示して、チャットボットでの対応がどの程度ユーザーの満足度向上につながっているかを測定するやり方もあります。
業務の効率化やコスト削減の度合いなどは定量化しにくい側面もあるので、こういった定性に近い情報もデータとして可視化することによって、チャットボットの貢献度を測定しましょう。
マーケティング支援型チャットボットの3つのKPI例
それでは次に、マーケティング支援のチャットボットを導入した際のKPIの例を解説します。
マーケティング支援のチャットボットの主な目的は、CVRやLTVなどの向上による売り上げのアップです。
CVR(コンバージョン率)
そのため、チャットボットでのCVRは必ず測定しましょう。
ユーザーとの双方向で気軽なコミュニケーションを行えることがチャットボットの特長のひとつなので、チャットボットを導入することによって、どの程度ユーザーの情報入力ストレスを軽減して、資料請求や購入に結びついているのか、測定します。
CVRについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
購入単価・継続率
これらの数値が向上することがLTVの向上に直結します。
チャットボットのシナリオ内でそのユーザーに合った別商材の提案もすることによって購入単価の増加につなげることができます。
また、チャットボット内でのコミュニケーションによってユーザーの商品理解が深まり、納得した状態で購入するので結果的に継続率を高めることも可能です。
継続率やLTVなどは瞬時に効果が出る指標ではないので、粘り強く運用していくことも意識してください。
LTVについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
ユーザーの離脱箇所
チャットボット内でのなんの項目、どの位置で離脱したのかを測定することによって改善につながり、それが結果的に上記のCVRやLTVの向上につながります。
どの項目の入力を面倒臭いと感じたのか、どこまでいって入力疲れしてしまったのかなどを、蓄積されたデータをもとに分析しましょう。
チャットボットの運用は、継続的な改善が成功の鍵を握っています。
チャットボットを導入する5つのステップ
チャットボットの導入にはどのような手順が必要なのでしょうか。ここではチャットボットの導入に必要な5つのステップをご紹介します。
自社の課題を整理する
チャットボットを導入するにあたって、課題・目的を明確にしておく必要があります。
用途に応じたチャットボットを選択しないと「導入後にコールセンターの負担が増えてしまった」など、効果をうまく発揮できないケースもあるので注意が必要です。
どのような課題があり、どのチャットボットを導入すれば解決することができるのかを自社で判断することがもし難しい場合は、ベンダーに問い合わせをして相談することもおすすめです。
自社の課題に合ったチャットボットを選ぶ
導入するチャットボットサービスを選択するにあたって、1番大切なことは自社の課題を解決することができるサービスであるかどうかです。
自社の課題に合ったチャットボットサービスであることが分かったら、次に料金やAI機能の有無、ベンダー側のサポート体制などの項目を比較検討してください。
チャットボット各社の比較見当を行ないたい方は、下記の記事をご参照ください↓
シナリオ設計を行なう
チャットボットを運用するためにはシナリオの設計が必要不可欠です。
シナリオを設計するにはFAQの準備、もしくはユーザー側に入力してほしい項目の整理などを行なう必要があります。
一般的な作成の際の流れとしては、まず「よくあるお問い合わせ」などから想定される、質問と回答を洗い出します。
次に洗い出した質問の中から最終的な回答までの流れを複数パターン想定し、シナリオの構成にまで落とし込むという手順です。
チャットボットのシナリオ設計に関して詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
実装・環境構築を行なう
チャットボットを導入するにあたって、実装・環境構築を行う必要があります。
実装・環境構築を行うにあたっては、テスト環境・本番環境を構築しデータの整備を行なうことが必要です。
上記の準備が完了したら、実際にテスト環境で問題なくチャットボットが動作しているかのテストを行ない、問題があれば必要に応じてシステムを調整します。
AI型の場合は、ハイパーパラメータのチューニングが必要になることもあります。テストでシステムに問題がないことを確認した上で、実際に本番環境に実装したら実装・環境構築は完了です。
継続的にメンテナンスを行う
チャットボットを運用するにあたっては、継続的にメンテナンスを行うことが重要になります。
実際に運用したデータをもとに効果検証を定期的に行い、離脱の多い地点やエラーなどの問題を抽出し改善を行います。
AI型チャットボットの場合、AIのチューニングを行い、シナリオ型チャットボットの場合、更新情報があれば定期的にシナリオに調整を加えます。
自社に合ったチャットボットを導入を
チャットボットの現況や仕組み、種類などに関する理解は深まりましたか?
また、実際にチャットボットを触ってみることによって、チャットボットに対する具体的なイメージはわきましたか?
チャットボットのビジネスでの活用は大きな可能性を秘めており、ユーザーの満足度向上や売り上げアップはもちろん、コストの削減を行なうこともできます。
ただ、問い合わせ対応やマーケティング支援など、チャットボットの種類によって解決できる課題が異なるので、もし導入をご検討の際は、自社の目的に合ったチャットボットを選定するように気をつけてください。