チャットボットの導入が、様々な業界や場面で進んでいます。
本記事では、
・チャットボットの実際の導入事例
・チャットボットの導入費用
・チャットボットの導入手順
など、チャットボットの導入を検討されるにあたって多くの方が気になる内容を中心に、解説していきます。
早速チャットボットの導入事例について知りたい方は、こちらを押すとその見出しまで飛べます。
チャットボットの導入に少し興味があるが、実際、
チャットボットの導入効果はあるのだろうか…?
チャットボットの導入費用はいくらくらいだろうか…?
チャットボットはどのような手順で導入するのだろうか…?
など、不透明な部分も多くあると思います。
まずは1社、調べてみるのはいかがでしょうか?
チャットボットサービス「BOTCHAN(ボッチャン)」であれば、月額5万円からの料金で、CVRを平均130%改善することができます。
自社サイトからの問い合わせや資料請求などを増やして、売り上げアップをしたいと考えている経営者やマーケティングのご担当者。
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目次
実際に導入されているチャットボットを触りながら概要をおさらい
本見出しでは、チャットボットの導入に関する具体的な解説に入る前に、実際に触りながらチャットボットの簡単なおさらいを行なっていきます。
自社のサイトにチャットボットを導入するとどのような使われ方になるのか、イメージが膨らむでしょう。
チャットボットの現状
世界初のチャットボットは、いまから約50年前の1966年に、アメリカの大学で開発されました。
そこからAI(人工知能)の開発とともにチャットボットの機能や精度も進歩を遂げ、現在では人間の使う自然言語に対しても柔軟な対応をすることが可能になりつつあります。
一方で、近年ではAIを搭載していない、「人工無脳型」や「シナリオ型」などと呼ばれるタイプのチャットボットも発展が進んでおり、ビジネスでの活用も進んでいます。
Googleトレンドの人気度の動向を確認しても、チャットボットに対する注目度の高まりを確認することができるでしょう。
チャットボットに関してゼロから詳しくおさらいしたいという方は、こちらの記事も参考にしてください↓
実際にサイトに設置されているチャットボットを触ってみよう
画面の右下をご覧ください。
女性の顔のアイコンや「お問い合わせはこちら」などの文言があるのに気づきましたか?(スマートフォンの方は、女性の顔のアイコンだけになっています)
こちらのアイコン部分や「お問い合わせはこちら」の文言部分などをクリックすると、女性との会話が始まるような画面になったと思います。
これが、チャットボットです。
では実際に、チャットボット内での質問に何問か答えてみましょう。
チャットボット画面の上のあたりに「あと◯問」という表示が出ていると思いますが、これが0問になるでは問い合わせが完了せず、誤って問い合わせてしまうことはないので、安心してください。
課題や会社名、名前など、質問に答えていくと、どんどん下から新しい項目が出てくる感覚を体験できると思います。
このようにして、一問一答の会話形式でスラスラとコミュニケーションを行なうことができるのが、チャットボットの大きな特長のひとつです。
チャットボットの導入メリット
では、チャットボットを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
チャットボットを活用することで得られる効果として以下のようなものが挙げられます。
・問い合わせ対応コストの削減
・顧客満足度の向上
・Webサイト/LPのCVR向上
・潜在顧客の育成
・既存顧客のロイヤリティ向上
チャットボットを解決できる課題別に分けると、大きく2つの種類があります。
そして、その種類によって得られる効果は異なります。
解決できる課題別で分けるチャットボットの種類
多くの場面や業界で導入され、かつ幾多もの企業が参入しているチャットボット市場ですが、そのタイプは「解決できる課題」の観点で、大きく2つに分類することができます。
1つ目は、チャットボットの導入によってこれまで人力で対応していた業務を効率化したり、コスト削減したりすることを目指す「問い合わせ対応型」のチャットボット。
そして2つ目が、CVR(コンバージョン率)やLTV(顧客生涯価値)などの最大化を通じて、売り上げの向上を目指す「マーケティング支援型」のチャットボットです。
それぞれ必要な機能や活用の方法が異なるので、自社へチャットボットの導入を検討する際には、まず「自社の解決したい課題は何なのか?」を整理することから始めましょう。
チャットボットの種類に関してさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
業界別チャットボット9個の導入事例
本見出しでは、実際にチャットボットを導入し、活用している企業を業界別に紹介します。
不動産
遠州鉄道株式会社
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求が2倍に
鉄道事業をはじめ、地域に根ざした幅広いサービスを提供する遠州鉄道株式会社では、土地や一戸建て住宅を取り扱う「遠鉄ホーム」のWebサイトでチャットボットを導入しました。
その結果、資料請求数が2倍になるという成果につながりました。
さらに「チャットボット内に画像を配置して視覚的にアピールする」、「入力完了時間の目安を表示する」など、ユーザーの心理的ハードルを下げる工夫もプラスに働いています。
本事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
教育
ビズメイツ株式会社
導入の目的:会員登録数の増加
導入後の成果:全体のCVRが117%、スマートフォンからのCVRが133%改善
オンライン英会話レッスンを提供する「ビズメイツ」では、無料会員を増やすための効果的な施策を考えていました。
まずは無料会員登録を行なう、通常の入力フォームの最適化を行ったものの、離脱率はなかなか改善せず。
さらなる対策として導入したのが、チャットボットです。
サービスの仕組みをチャット形式でシンプルに伝えることで、ユーザーの理解を得ることができ、成果につながった事例です。
こちらの事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
人材
株式会社夢真
導入の目的:エントリー数の増加
導入後の成果:前年比131%のCVを達成
夢真ホールディングスでは、建設業界に特化した求人サイト「俺の夢」でチャットボットを導入。
求人サイトのエントリーフォームは、個人情報や職歴、希望年収など入力項目が多く、どうしても離脱者が多くなりがちですが、チャットボットからもエントリーできるようにしたことで、前年比131%のCVを達成しました。
無機質なフォームではなく、チャットボット形式での入力にすることで心理的なハードルが下がり、それがプラスに働いたと言えるでしょう。
こちらの事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
インテリア・リフォーム
カツデンアーキテック株式会社
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求数が過去最多112件に増加
土地や家を買ったり、新しい家具の購入やリフォームをしたりするのは、大きな金額がかかるうえ、自身の生活の満足度に大きな影響を及ぼします。
当然、検討から実際に購入するまでの期間は長くなります。
顧客一人ひとりの検討期間が長くなるため、不動産・インテリアの事業者側としては、一人でも多くの購入検討者との接点を持っておきたいところ。
室内用のシースルー階段やサイクルスタンドなど、創造性に富んだ製品を展開する建材メーカーのカツデンアーキテック社では、自社サイトからの資料請求数が激減したことを機に、チャットボットを導入。
情報の入力をしやすいチャットボットという新たな入力フォームを設置した結果、これまで46〜77件程度であった月間の資料請求数が、導入後には112件にまで到達しました。
結果として、これまで以上に数多くの購入検討者と接点を持つことに成功しました。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
SaaS
株式会社RESEPTIONIST
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求率が162%上昇
クラウド受付システム「レセプショニスト」を提供する株式会社RECEPTIONISTは、資料請求数の増加を目的として、自社サイトにチャットボットを導入。
しかし導入した当初は、思うような効果が出ませんでした。
そこで改善策のひとつとして、チャットボット内にて資料の画像を見せて、ユーザーにイメージを持ってもらいやすくする施策を実施。
結果的に月間での資料請求数が歴代最高になるという成果を出しました。
ユーザーとの新たな双方向の対応チャネルとして、チャットボットが効果的に働いた事例と言えるでしょう。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
学校
早稲田美容専門学校
導入の目的:学生(顧客)との接点を増やす、Webデザインの改善
導入後の成果:学生(顧客)との接点が増加
「SNSの活用法」を授業として取り入れるなど、単なる美容の技術にとどまらない時代に合わせた柔軟なカリキュラムで、人気・知名度ともに急上昇していた早稲田美容専門学校では、サイトに設置している入力フォームの地味なデザインを改善したいと考えていました。
そこで、サイトの雰囲気に合わせたよりポップで使いやすい入力フォームとして、チャットボットを導入。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、早稲田美容専門学校ではそれまで行なっていたオープンキャンパスを実施しにくいという状況になりました。
学生さんに実際に来校してもらいにくいという制約を抱えるなかで、オンラインでの新たな接点として「オンライン説明会」という施策を開始。
チャットボットが早稲田美容専門学校と学生との重要なオンラインでの窓口となりました。
LINEやインスタグラムでのDM(ダイレクトメッセージ)といったチャット形式でのコミュニケーションに慣れた学生との接点として、チャットボットが重要な役割を果たした事例のひとつと言えるでしょう。
本事例に関して、より詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください↓
EC
株式会社ライブナビ
導入の目的:売上の上昇
導入後の成果:売上が10倍に
獣医師との共同開発を経たのち、満を持して犬のデンタルケア商品「ドクターワンデル」を販売し始めた株式会社ライブナビでしたが、当初は売れ行きが芳しくありませんでした。
しかし、商品ページにチャットボットを設置して、購入の際にそのチャットボットからの情報入力を促したところ、設置から半年で売り上げは10倍に。
こちらの事例の詳細はこちら↓
株式会社レッドビジョン
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが約200%改善
ヘアケアブランド「マイナチュレ」を販売する株式会社レッドビジョンでは、自社で運営する女性向けECサイトのカート内での離脱率が高いという悩みを抱えていました。
そこでチャットボットを導入し、チャット内で決済まで完結できるようにしたところ、CVRが約200%改善。
本事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
株式会社クロコス
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが140%改善
ハンド美容液「Siro jam(シロジャム)」を展開する株式会社クロコスは、商品LPからのCVRを高めるため、チャットボットを設置しました。
チャットボット内の設問項目の順番を変更したり、画像を活用したビジュアル訴求をしたりするなどの工夫によって、チャットボット導入後のCVRは140%改善。
チャットボット内での商品の購入後、商品に合わせて別商品や別プランの案内をすることによって、アップセルやクロスセルをすることに成功。
チャットボット内の項目や文言、画像などを柔軟にカスタマイズできる特性を生かした事例となりました。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひ下記の記事をご覧ください↓
解決できる課題別チャットボットの導入事例
本見出しでは、チャットボットを問い合わせ対応型とマーケティング支援型に分類して、それぞれの事例を紹介します。
問い合わせ対応型
エイチアールワン株式会社
年末調整システムの開発運用を手がけるエイチアールワン株式会社では、10月下旬から年末にかけて電話が集中する時期には、受電率が100%に満たないという課題を抱えていました。
そこで、ユーザーからの問い合わせを代替するためのチャットボットを導入。
結果的に、7割に満たなかった受電率を100%にすることができました。
(事例参考:https://saichat.jp/saichat/saichat-case/interview-hrone/)
エン・ジャパン株式会社
採用支援サービス「engage」を立ち上げたエン・ジャパン株式会社のもとには、求人企業からの電話問い合わせが殺到。
まずは問い合わせ対応の工数を削減するためにチャットボットを導入したものの、加えて有料オプションに関する問い合わせ対応の質を上げるため、チャットボットの改善を開始しました。
結果的に有料オプションの問い合わせ数は7.5倍、発注率は約3倍という大きな成果へとつながりました。
(事例参考:https://karakuri.ai/cases/en-japan)
株式会社IDEA
医療に特化したコンサルティング事業を展開している株式会社IDEAでは、問い合わせ対応の一部をチャットボットに置き換えることによって、業務の効率化を図っていました。
予約受付などの複雑な業務は有人にて対応し、それ以外の簡単な対応をチャットボットで代替することによって、問い合わせを約90%削減させることに成功しました。
(事例参考:http://www.ai-messenger.jp/case/437/)
株式会社レアジョブ
オンライン英会話サービス「レアジョブ英会話」を運営している株式会社レアジョブでは、問い合わせの数が多く、人員不足に陥っていました。
そこで、複雑度の低い問い合わせをチャットボットに任せることで、業務の効率化を図りました。
結果的に、レッスンの提供数を1.5倍に伸ばし、年間約180万円のコストカットに成功しました。
(事例参考:https://karakuri.ai/cases/rarejob)
株式会社マクロミル
マーケティングリサーチ、デジタルマーケティングといったソリューションを提供している株式会社マクロミルでは、チャットボットを導入することで、顧客対応時間の拡大、業務の効率化を図りました。
結果として、問い合わせ総数を20%削減することができました。
(事例参考:https://www.chatdealer.jp/case/interview_macromill/)
マーケティング支援型
株式会社magicnumber
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが1%改善
株式会社magicnumberは、自社のヘアケアブランド「Le ment(ルメント)」のEC展開にあたって、購入途中での顧客の離脱、いわゆる「カゴ落ち」を課題のひとつとして抱えていました。
その課題を解決してCVRを改善するため、商品LP(ランディングページ)にチャットボットを設置。
そして、それだけでなく、チャットボットの設置されているLPであれば商品が売れやすいということで、Le mentの販売代理店の動きが活発化。
CVRの改善による売り上げアップはもちろん、代理店との関係強化という面でも、チャットボットが効果を発揮した事例です。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひこちらの記事をご覧ください↓
株式会社ファンファレ
導入の目的:売上の増加
導入後の成果:CVRが向上
スキンケア商品「ととのうみすと」を展開する株式会社ファンファレは、カゴ落ち率の改善がなかなかできないという課題を抱えていました。
そんななか、商品LP(ランディングページ)に新たな購入フォームとして設置したのがチャットボット。
在庫切れの危機に直面するという、うれしい誤算もありました。
チャットボットの設置によってカゴ落ち率を改善した事例です。
こちらの事例に関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
株式会社いえらぶマーケティング
導入の目的:会員登録者数の増加
導入後の成果:CVRが向上、会員登録者数増加
不動産業界に特化した転職支援サービス「いえらぶ不動産転職」を展開する株式会社いえらぶマーケティングでは、会員登録者数の増加を目指し、チャットボットの導入を決断。
結果的にCVRは向上し、会員登録数増加にも貢献しました。
また単純な会員数の増加だけでなく、一度登録してそれ以来全く音沙汰のなかったユーザーが再訪問するというメリットも。
その背景には、チャットボット内での診断の存在がありました。
チャットボット内でその人の適職をアドバイスする「適職診断」を展開したところ、その診断を実施する目的で、音沙汰のなかったユーザーが再訪問。
チャットボットを通じた気軽かつ柔軟なコミュニケーションが、ユーザーにとっての興味関心を引き上げ、そしてそれを可視化できた好事例となっています。
こちらの事例に関してさらに詳細を知りたい方は下記の記事を参考にしてください↓
株式会社フロムココロ
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが150%改善
自社のEC商品「デイリーワン」のマーケティング担当を務める湯浅さんは、サイトからの商品購入率(=CVR)を高めるべく、様々な施策を試していました。
年々厳しくなる傾向にある景品表示法をはじめとした法律の影響を受けるなかで、商品LP(ランディングページ)内のクリエイティブの順番や文言を変えるといった地道な施策を積み重ねる日々。
しかし、それらの施策も数値改善のインパクトとしては物足りず、残されている施策は徐々にジリ貧となりました。
そこでCVRを改善する起死回生の一手として導入したのが、チャットボット。
チャットボットであれば、設置するサイトや購入カートのシステム面に対して大きな変更を強いることなく、CVRや問い合わせ数といった成果に大きな影響を与えることができます。
チャットボットの低い導入ハードルと大きな効果という特徴を示す事例のひとつと言えるでしょう。
こちらの事例に関してさらに詳しい内容にご興味を持っていただいた方は、下記の記事も参考にしてください↓
株式会社SYLA
導入の目的:簡単にお客様にとってわかりやすい問い合わせフォームを作ること
導入後の成果:チャットボット経由の顧客の中から一定数以上の受注あり
マンション開発から販売に建物・賃貸管理までを行う、不動産総合事業を展開している株式会社SYLA(シーラ)では、サイト自体のインプレッション数は多いものの、問い合わせフォームまでの導線が難しく、離脱率が高いことが課題でした。
そこで、離脱率を改善するために自社コーポレートサイトにチャットボットの導入を決めました。
コーポレートサイトのシステム面をいじらずに、お客様にとってわかりやすい問い合わせフォームを設置することができました。
その結果、BOTCHAN経由でお問い合わせをいただいたお客様の中から、実際に契約につながることもあり、目標以上の成果を得ることができました。
チャットボットの導入によって、システム面に大きな変更を加えずにユーザー導線を改善することができ、かつ、お問い合わせや受注数の増加につながった事例です。
こちらの事例に関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
株式会社グローバル・リンク・マネジメント
導入の目的:サイトの導線づくり
導入後の成果:CV数が約6倍に増加
不動産投資事業をはじめとした不動産関連の事業を行う「グローバル・リンク・マネジメント」では、多くの人にとって馴染みの薄い「不動産投資」を少しでも気軽なものにしてもらうため、チャットボットを設置しました。
その結果、最終的には、導入当初の約6倍のCV数を達成することができました。
BOTCHANのカスタマーサクセスによる徹底的なサポートが成果につながった事例です。
こちらの事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
チャットボットの導入が向いていない可能性のある3つのケース
自社の業界や商材と同じ、または近い事例はありましたか?
本記事でご紹介した事例以外にも、チャットボットは様々な場面で活用されており、今後ますます活躍の幅は広がっていくことが期待されています。
しかし、場合によってはチャットボットの導入が適していない、導入してもうまく効果を発揮できない場合があるのも事実です。
本見出しでは、チャットボットでの課題解決が難しい可能性がある場合について解説します。
これから挙げる項目に当てはまる方は、チャットボットの導入以外の選択肢も含めて、再度自社の課題整理から行なってみると良いかもしれません。
毎度異なる問い合わせ内容や入力内容のサービスを運営している場合
AIが日進月歩の発達を続けているものの、人間と同じレベルでのコミュニケーションを行なうことのハードルは、まだまだ高いです。
同じような問い合わせ内容や入力内容であればチャットボットで代替することができますが、毎度異なったり複雑だったりする場合、チャットボットにその役割を任せるのは難しいかもしれません。
チャットボットが向いているのは、例えば不動産で毎度「エリア」や「家賃」などの同じ問い合わせ内容だったり、ECで商品を購入する際に「名前」や「住所」など毎度同じ内容を入力したりする場合です。
想定しているFAQのパターンが多い
こちらは1つ目のケースと関連しますが、想定するFAQのパターンが多い場合は、チャットボットの導入が向いていない可能性があります。
チャットボットが解決できる課題の1つとして「問い合わせ対応を代替して業務を効率化する」がありますが、事前に想定するFAQのパターンが多いと、チャットボット内のシナリオが複雑になってしまい、うまくユーザーからの問い合わせに答えられない場合があるのです。
目安としては登録するFAQが300件以上の場合は、チャットボットよりもFAQシステムを導入した方がコストの削減につながる可能性が高いです。
チャットボットとFAQシステムの比較については、こちらの記事をご覧ください↓
そもそもPVや問い合わせ数が少ない
そして最後、チャットボットの導入が適していない3つ目のケースは、そもそもサイトのPV(=閲覧数)や問い合わせ数が少ない場合です。
上記で解説したように、(現状では)チャットボットは同じ内容のやり取りを繰り返すことが得意です。
つまり、同じパターンのコミュニケーションを繰り返せば繰り返すほど、チャットボットの費用対効果は高まります。
そこでそもそものPV数や問い合わせ数が少ないと、チャットボットの効果を発揮しにくくなるのです。
また、これまで蓄積された問い合わせのデータが少ないと、チャットボットにてシナリオを作成する際に、精度の高いチャットボットを構築することが難しくなります。
どれくらいのPVや問い合わせ数があれば費用対効果を高めることができるのかというのは、チャットボット提供各社の料金やAIの精度によって異なるので、比較時に確認してみてください。
チャットボット導入5つの失敗事例
先ほどの見出しでは、チャットボットの導入が向いていない可能性があるケースを説明しました。
本見出しでは実際にどのような失敗例があるのかを紹介します。
チャットボットを導入して失敗しないためにも、これから紹介する例を参考にしてみてください。
チャットボットの存在に気づかない・会話をスタートさせる方法が分からない
仮にチャットボットが設置されているページにユーザーが到達しても、チャットボットの存在に気付かなかったり、気づいても使い方が直感的に分からなかったりすると、結局ユーザーにチャットボットを活用してもらえず、導入が失敗に終わるケースがあります。
目立ちすぎて邪魔になるのは良くないですが、チャットボットの存在に気づいてもらえるようにバナーのサイズを大きくしたり、「問い合わせはこちらから」などの文言を明記したりするなどして、まずはチャットボットの存在に気づいてもらえるようにしましょう。
そしてユーザーが何か問い合わせたい、情報を入力したいと思ったタイミングで起動したら、どういった内容をどういった形式で入力すれば知りたい情報が得られるのか、購入が完了するのかなどを分かりやすく伝えましょう。
チャットボットであれば、画像やイラストなどをシナリオ内に差し込むことも可能です。
テキストでだけでなく、そういったビジュアル的訴求も駆使しながら、ユーザーの使いやすいチャットボットを作りましょう。
チャットボットのシナリオ設計に関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください↓
回答精度が低い
チャットボットの回答精度が低いことも、失敗の理由のひとつです。
ユーザーはチャットボットにスムーズで的確な受け答えを求めています。しかし、回答精度が低いと、期待が満たされずストレスを感じてしまいます。当然、利用率も上がらず、導入効果も上がりません。
チャットボットに登録した情報量が少ないと、精度の低下につながります。同時に、情報量が多すぎても適切な回答を導くことができなくなり、精度が下がります。
チャットボットを活用する用途を絞り、その用途に応じた情報を登録すると良いでしょう。
また、導入前にはテストを繰り返して回答精度を確認することも重要です。回答精度が低い場合は、登録している情報量を見直し、精度の高い情報を出せるように調整します。
運用開始後も定期的にメンテナンスを行い、情報の質と量を見直しましょう。
チャットボットが回答できない質問が来た場合も想定し、何かあった場合は速やかに有人オペレーターへ切り替える仕組みを作っておく方法もあります。
運用担当者の不在
チャットボットを導入したものの、運用担当者が社内にいなかったため思うように活用ができずに失敗してしまった事例です。
チャットボットを運用するには、情報のメンテナンスが必要です。定期的にチャットボットに寄せられた質問とその回答内容をチェックして、より適切な回答ができるようにしていかなければいけません。
また、得られたデータを基にチャットボットの利用率を上げるにはどうすればよいかを分析する必要もあります。
チャットボットのシステムそのものの保守は、サービス提供会社に任せることもできるでしょう。しかし、こういった運用に関するメンテナンスは、自社に担当者を置く必要があります。
担当者不在のまま運用を始めてしまうと、せっかく設置したチャットボットの情報の更新が行われなくなり、回答の精度が下がり、そして利用率も下がるという悪循環が発生しかねません。
運用担当者を決めて、チャットボットを活用していきましょう。
導入準備に十分な時間をかけられなかった
チャットボットのリリースに至るまでのスケジューリングには余裕をもたせ、必要な日程をしっかり確保しましょう。
チャットボットのリリースに至るまでには、大まかに以下のようなステップが必要です。
1.チャットボット導入目的の明確化
2.目的に合ったチャットボットサービスを比較検討
3.チャットボット選定
4.社内の担当者に対話に必要な情報をヒアリング
5.ヒアリングを基にチャットのシナリオ構築・情報登録
6.チャットボット運用の環境構築
7.テスト運用
8.テスト運用の結果を基にシナリオや環境をブラッシュアップ
9.運用開始
この9つのステップは、同時進行する場合もあれば何回か戻って繰り返すケースもあります。特にテスト運用とブラッシュアップは、本格的な運用前に複数回繰り返すことも多いです。
一例では、以下のようなスケジュールでチャットボットの導入が進められます。
仕様書のすり合わせ、確認:2〜3週間
開発、シナリオの設計:2〜4週間
テストの実施:1〜2週間
この導入準備に十分な時間を確保できないと、自社とは相性の悪いチャットボットを選定してしまったり、回答精度の低いままリリースしたりすることにつながってしまいます。
十分な準備を整えた上でリリースを迎えることができるよう、無理のない導入のスケジュールを立てましょう。
投資対効果を可視化できなかった
ビジネスである以上、もちろんチャットボットの運用にも費用対効果が求められます。
本記事の冒頭の見出しにて、チャットボットは「問い合わせ対応型」か「マーケティング支援型」のいずれかに分類されると解説しました。
前者の「問い合わせ対応型」の場合、どれだけ業務の効率化やコスト削減につながっているかどうかが最も重要な判断材料ですが、効率化やコスト削減などの貢献は可視化しにくい側面もあります。
また、後者の「マーケティング支援型」に関しては、目的が「売り上げの向上」なので、比較的可視化しやすいです。
ただ、チャットボットでのコミュニケーションが直接的な購入や問い合わせ以外にも貢献していても、それらは可視化するのが難しかったり、中長期的な効果として数値に反映されるまで時間がかかったりします。
いずれのタイプにしても、チャットボットが企業活動に貢献している度合いを正確に測定できず、結局解約になってしまうケースもあるのです。
チャットボットの導入費用の相場と3つの内訳は?
チャットボットを導入する際に気になるのが費用、つまりコストです。
ここではチャットボット費用の相場と費用の内訳について解説します。
チャットボット導入の予算は、月額費用が1〜50万円くらいの幅があります。
ちなみに、チャットボット21社を徹底比較した本サイト別記事(【2021】チャットボット21社を徹底比較|料金・AIの有無別に解説)にて取り扱ったチャットボットのうち、価格が公式サイトにて確認できたものの平均月額を計算すると、76,722円でした。
では、チャットボットの費用は月額費用以外にもどういった名目があるのでしょうか。
また、どういった価値に対してその費用が発生するのでしょうか。
チャットボットの費用の内訳は、大きく
・初期費用
・月額費用
・カスタマーサポート費用
の3種類に分けられます。
それでは、それぞれの内訳について解説していきます。
初期費用
チャットボットを導入する際は、AI(人工知能)機能の搭載、シナリオ制作、オプション機能の追加、デザインのカスタマイズ、実装などさまざまな作業が必要です。
これらをベンダーに依頼する場合、それぞれ費用が発生します。ここではチャットボットを導入する際に費用がかかる作業項目を解説します。
AI機能の搭載
一般的に、AI機能の搭載されたチャットボットを搭載する場合、初期費用(もしくは月額費用)は大きくなります。
AIもチャットボット会社の「自社AI」か「他社提供のAI」のどちらを使うかによって料金が変わる傾向にあり、前者の「自社AI」を使用しているチャットボットの方が、値段が高くなることが多いです。
シナリオ制作
チャットボットを導入する場合、質問に対してどのような回答をするのかや、ユーザーからの回答に応じて、次はどのように質問を分岐させるのかなどの「シナリオ制作」をする必要があります。
シナリオ制作は運用する自社内の担当者が行なう場合と、導入するチャットボット会社のカスタマーサポート部門の人に代行してもらう場合のどちらかになることが多いです。
前者の「自社内の担当者」が行なう場合でも、工程やノウハウなどをカスタマーサポート部門の人から教えてもらうことが多く、そういった観点でも「シナリオ制作費用」は発生します。
チャットボットのシナリオ制作のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
検証
必要な機能の搭載や、シナリオ制作などと並行して、そのチャットボットが的確に稼働するのか、事前に検証する必要があります。
設置したページやシステムの仕様によっては、うまくチャットボットが作動しない場合もあるからです。
また、制作したシナリオ通りにチャットボット内の質問が分岐するかなど、入念なテストは必須です。
月額費用
チャットボット導入後のランニングコストは、固定の会社もあれば、その月の利用状況によって変動する会社もあります。
事前にどういった料金体系なのか、興味を持ったチャットボット会社には問い合わせましょう。
追加したオプション機能
基本機能だけでなく、オプション機能を追加するといったカスタマイズをした場合は、追加費用が発生する場合があります。
主なオプション機能としてはSNS連携、プッシュ通知、無人対応から有人対応への切り替え機能、アンケート機能、外部システムとの連携機能(API)などです。
費用をなるべく抑えながら使い勝手を確保するのであれば、必要な機能があらかじめ盛り込まれているサービスを選ぶことと、必要な機能とそうでないものを見極めることが大切です。
サイトの利用状況
月の利用状況によって月額費用が変動する場合は、月の問い合わせに応じたFAQ数や、CV(コンバージョン数)などに応じて変動するのが一般的です。
あらかじめ自社の利用状況がどのようなものか、確認しておきましょう。
カスタマーサポート費用
チャットボット費用、最後の内訳は導入後のカスタマーサポートの費用です。
具体的にはチャットボット内のデザインやシナリオの追加、修正などが挙げられます。
それ以外にも何かエラーや不明点があった際の対応など、このカスタマーサポートの存在が必要不可欠。
なかには初期費用や月額費用のなかにすでに含まれており、カスタマーサポート自体は無料で実施してくれる企業もあるので、その点は各企業に問い合わせてみてください。
チャットボットの費用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください↓
チャットボット導入を成功させる4つのポイント
先ほどの見出しでは、チャットボット導入費用の相場と、その内訳について解説しました。
チャットボットの費用に関するイメージは膨らみましたか?
チャットボットの導入を成功させるには、この導入費用以上の成果、つまり、費用対効果を高めることが必要です。
本見出しでは、チャットボットを導入させるために必要な4つのポイントについて解説していきます。
自社の課題に合ったチャットボットを導入する
本記事の前半にて、チャットボットはその導入目的に応じて、「問い合わせ対応型」と「マーケティング支援型」の2つ大別できると解説しました。
それぞれ必要な機能や金額などが異なるため、導入を成功させるため、自社の課題に合ったチャットボットを選定することは重要です。
チャットボット各社の比較検討を丁寧に行ないたい方は、こちらの記事もご参考にしてください↓
的確に運用ができているかどうかのKPIを定める
チャットボットの導入を成功させるポイントの1つ目として、先ほど「自社の課題に合ったチャットボットを導入することが重要」であると解説しました。
しかし、「問い合わせ対応」や「マーケティング支援」などの粒度では、運用の際のKPIとしてはまだ大ざっぱです。
問い合わせ対応であれば、「回答率」や「回答数」、「起動率」などを、マーケティング支援が目的であれば「CVR」や「CV数」、「CPA」などを、自社の課題に合わせて設定しましょう。
それらの数値を継続的に分析、改善することによって、チャットボットの導入が成功につながる可能性が大きく高まります。
チャットボットに任せる範囲を明確にする
チャットボットはまだまだ発展途上なツールであり、時代とともにできることや精度は向上していますが、まだまだできないことが多いのも事実です。
「チャットボットで業務を代替する」と一言で言っても、全ての問い合わせ対応をチャットボットに任せるのか、一部だけを任せてそれ以外は有人で対応するのかなど、あらかじめ整理しておきましょう。
また、これらの線引きを社内で統一しておくことによって、導入準備や運用が始まった際に「チャットボット入れたのにここまでしかやってくれないの!?」という認識の齟齬を防ぐことができます。
チャットボットの運用を担当する人が社内にいるか
チャットボットは導入して終わりではありません。
導入後、データや使用履歴などを確認しながら改善を行なっていく必要があります。
実際、先ほどご紹介事例の中でも、導入当初は成果が出なかったものの、データをもとに改善を重ねて、大きな効果を発揮した事例が複数ありました。
もちろん、チャットボット提供会社のカスタマーサクセスからの支援はしてもらえることが多いですが、提供会社によって支援の程度にばらつきがあります。
そして、最終的にはやはり導入した企業がどれだけその運用にリソースを割くことができるかどうかが、導入成功の鍵を握るのです。
導入後にチャットボットベンダーとの窓口になったり、設置後の改善に十分な時間と工数を割くことのできる担当者が社内にいるかどうか、確認してください。
チャットボットを導入する5つのステップ
それでは最後に、実際にチャットボットの導入を検討するにあたって、導入から運用までどのような手順を踏むのかについて、5つのステップに分けて解説します。
自社の課題を整理する
チャットボットを導入するにあたって、課題・目的を明確にしておく必要があります。
用途に応じたチャットボットを選択しないと「導入後にコールセンターの負担が増えてしまった」など、効果をうまく発揮できないケースもあるので注意が必要です。
どのような課題があり、どのチャットボットを導入すれば解決することができるのかを自社で判断することがもし難しい場合は、ベンダーに問い合わせをして相談することもおすすめです。
自社の課題に合ったチャットボットを選ぶ
導入するチャットボットサービスを選択するにあたって、1番大切なことは自社の課題を解決することができるサービスであるかどうかです。
自社の課題に合ったチャットボットサービスであることが分かったら、次に料金やAI機能の有無、ベンダー側のサポート体制などの項目を比較検討してください。
シナリオ設計を行なう
チャットボットを運用するためにはシナリオの設計が必要不可欠です。
シナリオを設計するにはFAQの準備、もしくはユーザー側に入力してほしい項目の整理などを行なう必要があります。
一般的な作成の際の流れとしては、まず「よくあるお問い合わせ」などから想定される、質問と回答を洗い出します。
次に洗い出した質問の中から最終的な回答までの流れを複数パターン想定し、シナリオの構成にまで落とし込むという手順です。
実装・環境構築を行なう
チャットボットを導入するにあたって、実装・環境構築を行う必要があります。
実装・環境構築を行うにあたっては、テスト環境・本番環境を構築しデータの整備を行なうことが必要です。
上記の準備が完了したら、実際にテスト環境で問題なくチャットボットが動作しているかのテストを行ない、問題があれば必要に応じてシステムを調整します。
AI型の場合は、ハイパーパラメータのチューニングが必要になることもあります。テストでシステムに問題がないことを確認した上で、実際に本番環境に実装したら実装・環境構築は完了です。
継続的にメンテナンスを行う
チャットボットを運用するにあたっては、継続的にメンテナンスを行うことが重要になります。
実際に運用したデータをもとに効果検証を定期的に行い、離脱の多い地点やエラーなどの問題を抽出し改善を行います。
AI型チャットボットの場合、AIのチューニングを行い、シナリオ型チャットボットの場合、更新情報があれば定期的にシナリオに調整を加えます。
成功事例や価格帯を理解しチャットボットを導入しましょう
チャットボットの導入には費用や手間がかかりますが、正しく使いこなせば業績アップやコスト削減に大きく貢献します。
ここでご紹介した活用事例を参考にしつつ、自社でどのように生かすことができるかを検討してみてください。
自社の課題を整理したうえで、チャットボット各社の比較検討を行ないたい方は、こちらの記事をご覧ください↓