チャットボットの活用によって、これまで人が行なっていた問い合わせ対応の業務を代替しようという動きが進んでいます。
一方で、チャットボットを導入することのメリットや、従来のFAQシステムとの違いなどについては、疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
ということで本記事では、
・そもそもFAQシステム・チャットボットとは
・FAQシステムとチャットボットとの比較
・FAQシステムとチャットボットのそれぞれ導入が向いている企業の特徴
などを中心に解説します。
現在すでにFAQシステムを導入していて、チャットボットへの変更を検討されている方、まだどちらも導入されていない方、どちらの方にとっても参考になる記事となっております。
いますぐにチャットボットとFAQシステムとの比較を読みたい方はこちらからどうぞ。
FAQシステムとチャットボットの違いとは…?
チャットボットの導入費用はいくらくらいだろうか…?
チャットボットはどのような手順で導入するのだろうか…?
など、不透明な部分も多くあると思います。
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目次
改めてFAQシステムを簡単におさらい
そもそもFAQとは、「Frequently Asked Questions」の頭文字をとった言葉です。
日本語に訳すと「頻繁に尋ねられる質問」という意味になります。
FAQシステムとは、顧客、または社内の人たちなどから頻繁に尋ねられる質問を整理し、検索によって探すことができるようになるシステムのことを指すことが多いです。
数十件程度のFAQであれば、全ての質問とその回答を一覧ページとして掲載すれば問題ないので、「FAQシステム」と呼ぶ場合には数百件や数千件規模の質問と回答のセットを想定しています。
FAQシステムを目的別で3種類に分ける
それではFAQシステムとは、どういった目的で活用されることが多いのでしょうか。
FAQシステムの種類は、目的の観点で大きく3つに分類することができます。
顧客向け
1つ目は「顧客向け」のFAQシステムです。
自社のホームページなどに設置して、自社の商品やサービスなどに興味を持った顧客に対して使ってもらうことを想定しています。
FAQシステムの使用に慣れていない顧客がいる可能性も十分に考えられるため、検索性や質問文、回答文などをできる限り分かりやすく設計することが重要です。
社内向け
2つ目は「社内向け」のFAQシステムです。
社員の事務処理やシステムの不具合などに関して、労務担当や総務担当、情報システム担当などに全ての質問が集中してしまうと、その対応だけで膨大な時間と工数がかかってしまいます。
またそれらの人たちに寄せられる質問や依頼は、いくつかのパターンに集約されることが多いです。
そういった「よく寄せられる質問や依頼」をFAQとして整理することによって、本当に重要な仕事に労務や総務、情報システム担当の方などが集中できる環境を整えることが目的のひとつになります。
社内コールセンター向け
こちらも広い意味では2つ目の「社内向け」なのですが、こちらは全社員を対象にしているのではなく、コールセンターのオペレーターとして顧客に対応している方たちを対象としている点が特徴です。
コールセンターによっては、センター内での対応マニュアルやノウハウの統一が仕切れていないところもあります。
オペレーターによって対応の仕方や回答内容が異なるのはトラブルのもとになってしまうため、FAQシステムとして一覧化して、顧客からの問い合わせに誰が対応しても同じ回答をできるようにすることが目的です。
では次に、チャットボットについても簡単に概要を解説します。
そもそもチャットボットって?実際に触りながら学ぶ
チャットボットとは「会話(チャット)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、人間の代わりにユーザーや顧客とのコミュニケーションを自動で行うプログラムを指します。
最初に誕生したのはいまから約50年前の1966年ですが、その後はAI(人工知能)の開発とともに進展を遂げ、人間の使う自然言語に対しても柔軟な対応をできるようになりつつあります。
ただ、近年はAIを搭載していない、いわゆる「人工無脳」タイプのチャットボットも登場しており、その用途は年々拡大の一途を辿っているのが現状です。
Googleトレンドの人気度の動向を確認しても、チャットボットに対する注目度の高まりは確認することができます。
チャットボットについてより詳しく知りたいという方は、下記の記事もご覧ください↓
実際にチャットボットを触ってみよう
チャットボットの概要について簡単に解説したところで、それでは実際にチャットボットに触ってみましょう。
本ページ右下に女性のアイコンと「お問い合わせはこちら!」の文言があるのに気付きますか?
(スマートフォンの方は、女性のアイコンだけが見えていると思います)
それらのアイコンや「お問い合わせはこちら!」の文言をクリックすると、アイコンの女性と会話が始まるような画面になるはずです。
これがチャットボットです。
ではここから実際に、何問かチャットボット内に出ている質問に答えてみましょう。
チャットボット画面の上のあたりに「あと◯問」という表示が出ていると思いますが、これが0問になるでは問い合わせが完了せず、誤って問い合わせてしまうことはないので、安心してください。
課題や会社名、名前など、質問に答えていくと、どんどん下から新しい項目が出てくる感覚を体験できると思います。
このようにして、一問一答の会話形式でスラスラとコミュニケーションを行なうことができるのが、チャットボットの大きな特長のひとつです。
解決できる課題別でチャットボットを2種類に分ける
様々な業界や場面で導入が進んでいるチャットボットですが、導入によって解決できる課題の観点で、大きく2種類に分けることができます。
1つ目が「問い合わせ対応型」、そして2つ目が「マーケティング支援型」です。
問い合わせ対応型
これまで人が行なっていた顧客や社内からの問い合わせを、チャットボットで代替することによって業務の効率化を目指します。
全ての問い合わせをチャットボットで完結させることは現状難しいので、有人対応と連携させて、一部の簡単な問い合わせやよくある問い合わせのみをまずチャットボットで代替するという使い方をしている企業も多いです。
マーケティング支援型
こちらはチャットボットを導入することによって、売り上げの向上を目指すタイプのチャットボットです。
ストレスの少ない情報入力フォームとしてチャットボットを活用することによってCVR(コンバージョン率)の改善をしたり、チャットボットを通じた双方向なコミュニケーションで商品理解を深めてもらい、LTV(顧客生涯価値)の向上を実現したりすることで、売り上げを向上させます。
チャットボットの種類についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考になさってください↓
本記事にてFAQシステムとの比較を行なうのは、主に1つ目のタイプである「問い合わせ対応型」のチャットボットです。
チャットボットとFAQシステムの3つの共通点
チャットボットとFAQシステムは、どちらもユーザーからの問い合わせやリクエストに答えるツールです。仕組みが似ているため、いくつか共通点もあります。
ここではそれらを3つの共通点と4つの相違点にまとめて、詳しく解説します。
問い合わせ対応業務の負担を軽減させる
チャットボットやFAQシステムは、ユーザーからの問い合わせや質問に答える機能を持っており、導入すると問い合わせ対応業務の負担軽減につながります。
通販サイトやメーカー、サービス業など、顧客や取引先から膨大な数の問い合わせを受ける企業は多く、メールやコールセンター、窓口などで人手で対応している場合、業務負担は少なくありません。
そこでチャットボットやFAQシステムを導入すると、問い合わせ対応の効率化・自動化が可能になり、カスタマーサポートの負担軽減につながります。
顧客満足度の向上につながる
チャットボットやFAQシステムは、顧客満足度の向上にも役立つと注目されています。ユーザーが企業に問い合わせる時は、なるべく早く、かつ正確な回答を得たいと思うものです。
しかし、人手で対応する場合、混雑している時はオペレーターにつながりにくく順番待ちになってしまったり、土日夜間など対応不可能な時間帯があったりするなどの課題があります。
その反面、チャットボットやFAQシステムは無休で稼働するため、顧客を待たせることなく必要な情報を提供することが可能です。その結果、顧客満足度の向上につながります。
導入した際の月額費用の目安は15万〜50万
実際に導入した際は、チャットボットとFAQシステム、どちらも初期は30万~50万円、月額は15万〜50万円程度必要なことが多いです。
もちろん、正確な料金はチャットボットやFAQシステム各社によって違うので、気になる企業があった場合は、直接問い合わせて確認してみてください。
チャットボットの費用について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
チャットボットとFAQシステムの4つの違い
チャットボットとFAQシステムは、どちらもユーザーの質問や疑問に答えるためのツールですが、回答のスピード、回答の表示内容、操作性、対応可能なFAQの量といった点では違いがあります。
ここではこれら4つについて、順番に解説します。
回答のスピード
FAQシステムは、日常的な「よくある質問」とその回答をデータ化して管理し、効率的に回答する仕組みです。
サイト内にシステムが埋め込まれており、ユーザーは検索機能によって回答にたどり着けますが、検索ワードが曖昧だと適切な回答にたどり着きにくいという特徴があります。
一方で、チャットボットは選択肢をユーザーに提示したり、入力内容からある程度予測してピンポイントで知りたい情報を返したりするため、スピーディでより効率的に回答することが可能です。
回答の表示内容
FAQシステムは、回答結果に複数の候補が表示され、ユーザーが回答を選ぶため多少手間がかかります。
チャットボットにも選択肢を提示するタイプもありますが、AIが搭載されているチャットボットであれば過去の会話履歴を学習してピンポイントで最適な返答をすることも可能です。
ユーザーの手間を最小限にし、より会話に近い形で回答を表示させたいなら、チャットボットの利用がおすすめです。
操作性
FAQシステムは、ユーザーが検索することが前提になっています。検索にヒットした一覧情報の中から、知りたい情報を選んでもらうという操作方法です。
一方、チャットボットは、なじみのあるメッセンジャーアプリのように、チャット形式で気軽な会話をしながら答えに導きます。言葉のニュアンスから意図を読み取ってくれるので、やりとりもスムーズです。
ユーザーにとっては、まるで画面の向こうの担当者と会話をしているかのような感覚で、簡単に答えを得ることができます。
FAQの量
FAQシステムは、表示する情報量が多くても、ヒットするものを一覧化することでユーザーが情報を探すことができます。
ただし、ヒットした情報が多い場合は、ユーザーがさらにその中から求めている情報を選択しなければなりません。
一方、チャットボットは、大まかな選択肢を提示したり、ピンポイントで最適な回答を返したりすることで、やりとりがシンプルになります。
得られる情報量
FAQシステムは、表示する情報量が多く、問題解決のためのたくさんの情報を一度に取得することができます。
一方、チャットボットは、チャット形式で気軽にコミュニケーションを取ることで、ユーザーの潜在ニーズを取得することができます。
チャットボットとFAQシステムのメリット・デメリット
チャットボットとFAQシステムの共通点や違いを解説してきましたが、本見出しではそれぞれのメリットとデメリット紹介します。
チャットボット
メリット
・チャット形式で気軽に質問できるため、ユーザーの問い合わせに対するハードルを下げることができる。
・ピンポイントに質問の回答を提示することができる。
デメリット
・導入、運用難易度が高い。
・一度に多くの情報を返答できない。
FAQシステム
メリット
・複雑で長い内容であっても1つのページにまとめて表示できるため、一度に多くの情報を提供できる。
・FAQページの閲覧履歴や検索回数が多いキーワードを分析し、ユーザーニーズを把握できる。
デメリット
・ユーザーが自分で質問の回答を探す手間がある。
・ユーザーの調べ方によっては適切な回答に辿り着きにくい。
チャットボットのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
チャットボットとFAQシステムそれぞれの導入事例
本見出しでは、実際に問い合わせ対応型のチャットボットと、FAQシステム、それぞれを導入した事例についてご紹介します。
チャットボット
株式会社レアジョブ
オンライン英会話事業「レアジョブ英会話」を展開する株式会社レアジョブでは、ユーザーの増加に伴って、問い合わせの数も増加するという課題を抱えていました。
そこで、問い合わせの一部を代替するため、チャットボットを導入。
最初は約50件の質問と回答の組み合わせを準備し、運用開始後もこまめなメンテナンスを続けた結果、これまで増え続けていたお問い合わせの対応の一部をチャットボットに代替することに成功。
業務効率が1.5倍になる効果を出しました。
(事例参照:https://karakuri.ai/cases/rarejob)
チャットボットの導入事例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
FAQシステム
HIS
旅行事業を展開するHISの抱えて課題のひとつに、1日あたりの通電数が膨大になっていたことがありました。
そこでFAQシステムを導入することによって、入電前にユーザー自身で課題の解決をすることを後押し、入電数自体の削減を行なうことが可能になります。
(事例参照:https://saichat.jp/faq/faq-case-study/)
チャットボットとFAQのどちらを使うべきか
チャットボットとFAQはどちらもユーザーの問い合わせに対して自動で回答するシステムです。共通点も多いので、どちらを導入するか迷う事業者も少なくありません。
その判断の基準としては、サイトで用いるFAQの量と利用シーンに応じて選ぶというやり方があります。
FAQの量
チャットボットとFAQシステムのどちらを使うか見極めるポイントの1つは、「事前に準備するFAQの量がどれくらいなのか」を整理することです。
シナリオ量が少ない場合はチャットボットでも対応可能ですが、300件以上という膨大な量になるとFAQシステムが便利です。
チャットボットについては、シナリオ量やFAQ量が50件未満と少ない場合は、AI非搭載型のチャットボットでも管理はできます。
シナリオ量やFAQ量が50~300件の場合は、AI搭載型のチャットボットで対応可能です。
ただし、FAQが300件以上など膨大な量になると、非常に多岐にわたる質問が来ることが予想されるため、会話形式のチャットボットでは最適な回答をピンポイントで回答するのが難しいことがあります。
一方、FAQシステムは大量の情報の中から、関連する情報をピックアップして一覧化して提示できるので、仮にFAQが膨大であっても対応可能です。
ユーザーにとってはピンポイントで最も欲しい情報にたどり着けるわけではありませんが、回答候補が一覧化されていることで、情報が多い場合であっても必要な情報を見つけやすいという利点があります。
利用シーン
チャットボットとFAQシステムには、それぞれにふさわしい利用シーンがあります。
チャットボットは気軽なコミュニケーションによって顧客との関係構築ができ、FAQはテレフォンオペレーターなどを介さない問題解決サポートという位置付けで、自社サイトに合う方を選ぶのが適しています。
チャットボットは、会話形式で気軽なコミュニケーションを実現できることが大きな特徴です。この特徴を活かし、気軽かつスピーディに問い合わせ対応をし、顧客満足度向上やリードにつなげられるという効果が期待できます。
一方、FAQシステムは大量の情報を整理できるので、製品の故障・返品や使い方の調査、規約の確認など、問題解決に適しています。
複数のサービスや製品を取り扱っている場合、機械的に回答が欲しい場合などはこちらが適しているでしょう。
そもそもチャットボットやFAQの導入が向かない可能性のある場合
ここまでチャットボットとFAQシステムの比較をメインのテーマとして、上記の見出しではチャットボットとFAQシステムのどちらを導入すべきかについて解説ましたが、そもそもチャットボットとFAQシステムの導入、どちらの導入も向いていないというパターンもあります。
これから挙げる項目に当てはまる方は、改めて自社の課題を整理して、自社の課題を解決するために必要な手段について再度検討してみてください。
毎度異なる問い合わせ内容や入力内容のサービスを運営している場合
AIが日進月歩の発達を続けているものの、人間と同じレベルでのコミュニケーションを行なうことのハードルは、まだまだ高いです。
同じような問い合わせ内容や入力内容であればチャットボットやFAQシステムで代替することができますが、毎度異なったり複雑だったりする場合、チャットボットやFAQシステムにその役割を任せるのは難しいかもしれません。
チャットボットやFAQシステムの導入が向いているのは、例えば不動産で毎度「エリア」や「家賃」などの同じ問い合わせ内容だったり、ECで商品を購入する際に「名前」や「住所」など毎度同じ内容を入力したりする場合です。
そもそもPVや問い合わせ数が少ない
そしてチャットボットやFAQシステムの導入が適していない2つ目のケースは、そもそもサイトのPV(=閲覧数)や問い合わせ数が少ない場合です。
上記で解説したように、(現状では)チャットボットやFAQシステムは同じ内容のやり取りを繰り返すことが得意です。
つまり、同じパターンのコミュニケーションを繰り返せば繰り返すほど、チャットボットやFAQシステムの費用対効果は高まります。
そこでそもそものPV数や問い合わせ数が少ないと、チャットボットやFAQシステムの効果を発揮しにくくなるのです。
また、これまで蓄積された問い合わせのデータが少ないと、チャットボットやFAQシステムにてシナリオを作成する際に、精度の高い質問と回答の組み合わせを構築することが難しくなります。
どれくらいのPVや問い合わせ数があれば費用対効果を高めることができるのかというのは、チャットボットやFAQシステム提供各社の料金やAIの精度によって異なるので、比較時に確認してみてください。
チャットボットの失敗事例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
チャットボットとFAQシステムの両者を同時に使う
ここまではFAQの量や質、利用シーンといった観点などから、チャットボットとFAQシステムのどちらを活用すべきか、またそもそもどちらの導入も向いていないパターンなどについて解説をしてきました。
しかし、場合によってはチャットボットとFAQシステム、両方を活用するという方法もあります。
それによって、膨大な量のシナリオを扱いながらも、チャットボットによって検索性を高め、ユーザーにとって利便性の高いシステムを提供することも可能です。
企業によっては、FAQシステムをすでに利用しているものの、チャットボットの方が自社に合うかもしれないと感じており、変更しようか検討していることもあるでしょう。
そのような場合、すでにあるFAQをもとにチャットボットを機能させる方法が役立ちます。ここでは、チャットボットとFAQを連携させる方法について解説します。
FAQをチャットボットのシナリオとして使用する
チャットボットの利用にはシナリオ設定が必要です。すでに整理されたFAQがある、もしくはこれからFAQを整理できるようであれば、FAQに沿ってシナリオを設計し、それにもとづいてチャットボットを機能させる方法があります。
ある程度FAQの情報が整理されていれば、初めてチャットボットを導入する場合であっても比較的スムーズに進められるでしょう。
例えば「製品が故障した」という問いに対して「返品」、「修理依頼」、「部品取り寄せ」など複数の選択肢を提示することで、ユーザーの求める答えに誘導することができます。
FAQシステムとチャットボットを連携する
上記では、チャットボット用に新たにシナリオ設計する方法を紹介しましたが、既存のFAQシステムがある場合、そのシステムにチャットボットを追加もしくは連携することで運用が開始できます。
通常、チャットボットを導入する場合は新たにシナリオを設計しなければなりませんが、既存のFAQシステムがあれば、追加または連携することでシナリオ作りの手間が省けるので、導入時の負担が削減されます。
チャットボットの導入事例
ここまで、FAQシステムとチャットボットの違いやそれぞれのメリット、デメリットなどを紹介しました。
改めて、チャットボットの活用と相性の良い課題は以下のようなものが挙げられます。
・社内問い合わせの対応負担の軽減
・顧客からの問い合わせの対応負担の軽減
・Webサイト/LPのCVR向上
・潜在顧客の育成
・既存顧客のロイヤリティ向上
それでは、本見出しでは、実際にチャットボットを活用して効果が出た事例を紹介します。
CVRが133%改善
ビズメイツ株式会社
導入の目的:会員登録数の増加
導入後の成果:全体のCVRが117%、スマートフォンからのCVRが133%改善
オンライン英会話レッスンを提供する「ビズメイツ」では、無料会員を増やすための効果的な施策を考えていました。
まずは無料会員登録を行なう、通常の入力フォームの最適化を行ったものの、離脱率はなかなか改善せず。
さらなる対策として導入したのが、チャットボットです。
その結果、導入前月と比較して全体のCVRが117%、スマートフォンからのCVRが133%改善しました。
サービスの仕組みをチャット形式でシンプルに伝えることで、ユーザーの理解を得ることができ、成果につながった事例です。
こちらの事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
CVRが150%改善
株式会社フロムココロ
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが150%改善
自社のEC商品「デイリーワン」のマーケティング担当を務める湯浅さんは、サイトからの商品購入率(=CVR)を高めるべく、様々な施策を試していました。
年々厳しくなる傾向にある景品表示法をはじめとした法律の影響を受けるなかで、商品LP(ランディングページ)内のクリエイティブの順番や文言を変えるといった地道な施策を積み重ねる日々。
しかし、それらの施策も数値改善のインパクトとしては物足りず、残されている施策は徐々にジリ貧となりました。
そこでCVRを改善する起死回生の一手として導入したのが、チャットボット。
チャットボットであれば、設置するサイトや購入カートのシステム面に対して大きな変更を強いることなく、CVRや問い合わせ数といった成果に大きな影響を与えることができます。
チャットボットの低い導入ハードルと大きな効果という特徴を示す事例のひとつと言えるでしょう。
こちらの事例に関してさらに詳しい内容にご興味を持っていただいた方は、下記の記事も参考にしてください↓
顧客との接点増加
早稲田美容専門学校
導入の目的:学生(顧客)との接点を増やす、Webデザインの改善
導入後の成果:学生(顧客)との接点が増加
「SNSの活用法」を授業として取り入れるなど、単なる美容の技術にとどまらない時代に合わせた柔軟なカリキュラムで、人気・知名度ともに急上昇していた早稲田美容専門学校では、サイトに設置している入力フォームの地味なデザインを改善したいと考えていました。
そこで、サイトの雰囲気に合わせたよりポップで使いやすい入力フォームとして、チャットボットを導入。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、早稲田美容専門学校ではそれまで行なっていたオープンキャンパスを実施しにくいという状況になりました。
学生さんに実際に来校してもらいにくいという制約を抱えるなかで、オンラインでの新たな接点として「オンライン説明会」という施策を開始。
LINEやインスタグラムでのDM(ダイレクトメッセージ)といったチャット形式でのコミュニケーションに慣れた学生との接点として、チャットボットが重要な役割を果たした事例のひとつと言えるでしょう。
本事例に関して、より詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください↓
自社の課題を整理した上で導入の検討を
この記事では、チャットボットとFAQシステムの共通点や違い、どちらを活用すべきかなどについて解説してきました。
どちらも「ユーザーからの問い合わせ業務を代替してコスト削減、顧客満足度の向上を目的とする」点では同じですが、使用する際の体験や適したFAQの量などが異なります。
また、場合によっては両者のどちらも自社の課題解決に適していない場合や、逆に両者を組み合わせて活用するといった方法もあります。
まずは自社の課題と状況を整理して、それに合った手段がそもそもチャットボットやFAQシステムの導入なのか、また導入する場合はどちらが適しているのか、両者を組み合わせた方がいいのかなどを検討してみてください。
各社チャットボットの比較を行いたいかたはこちらの記事を参考にしてみてください↓