「チャットボットってどんな効果が出るの?」、「そもそもチャットボットを導入してちゃんと効果が出るの?」といったように、チャットボットのビジネス場面での活用に対する注目が高まっています。
様々な場面でチャットボットの活用が進んでいますが、具体的にはどのような課題に対してどういった効果を発揮しているのでしょうか。
また、チャットボットを導入するにあたっての注意点とは、一体何があるのでしょうか。
本記事では、
・そもそもチャットボットとは
・チャットボットの導入効果
・チャットボットを活用して効果を出すための注意点
について、主に解説していきます。
いますぐにチャットボットの導入効果に関する見出しを読みたい方はこちら。
チャットボットの導入効果はあるのだろうか…?
チャットボットの導入費用はいくらくらいだろうか…?
チャットボットを導入するときの注意点は…?
など、不透明な部分も多くあると思います。
まずは1社、調べてみるのはいかがでしょうか?
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目次
実際に触りながらチャットボットをおさらい
本見出しは、前半でチャットボットに関する概要や分類の仕方を解説した後、後半では実際にチャットボットを触ってもらいながら、チャットボットに対する理解を深めてもらう構成となっています。
そもそもチャットボットとは、「会話(チャット)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、人間の代わりにユーザーや顧客とのコミュニケーションを自動で行うプログラムを指します。
1966年にアメリカのマサチューセッツ工科大学にて、「ELIZA(イライザ)」と呼ばれる世界初のチャットボットが開発されました。
それ以来、テクノロジーの発達とともにチャットボットも進化を遂げ、いまでは多くの日常生活やビジネスの場面でも見かけるようになりました。
チャットボットを体系的にゼロから知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください↓
解決できる課題別でチャットボットを2タイプに分類
数多くの企業が開発に参入しているチャットボットですが、それらは「チャットボットの導入によって解決できる課題」の観点で、大きく2種類に分けることができます。
1つ目が「問い合わせ対応型」。
これまで人が対応していた社内からの問い合わせや、顧客からの問い合わせをチャットボットで代替することによって、コストを削減したり社員や顧客の満足度を上げたりすることを目的としています。
そして2つ目が「マーケティング支援型」。
チャットボットを通じた双方向でストレスの少ないコミュニケーションによって、CVR(コンバージョン率)やLTV(顧客生涯価値)を最大化することを目的としています。
世の中のチャットボットは、このどちらのタイプに分類することが可能です。
チャットボットの種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
では実際にチャットボットを触ってみよう!
右下の青いバナーは、分かりますか?(スマホの方は丸い女性の顔が出ていると思います)
こちらの青いバナーをクリックすると、本ページに設置されたチャットボットが起動します。
それでは、実際にバナーを押してみてください。
下のような画面の状態になりましたか?
ではここからは、何問かチャットボット内に出ている質問に答えてみましょう。
チャットボット画面の上のあたりに「あと◯問」という表示が出ていると思いますが、これが0問になるでは問い合わせが完了せず、誤って問い合わせてしまうことはないので、安心してください。
課題や会社名、名前など、質問に答えていくと、どんどん下から新しい項目が出てくる感覚を体験できると思います。
このようにして、一問一答の会話形式でスラスラとコミュニケーションを行なうことができるのが、チャットボットの大きな特長のひとつです。
このようにスラスラとチャットボットが動く仕組みとは?
先ほど実際にチャットボットを触っていただいて、たくさんの方にチャットボットの滑らかさを感じていただけたかと思います。
それではチャットボットは、どのような仕組みでこれらのコミュニケーションを成立させているのでしょうか。
チャットボットの仕組みは、上記で解説した「解決したい課題」に加えて、「AIが搭載されているかどうか」で、その仕組みが大きく変わります。
例えばAIが搭載されていない、いわゆる「シナリオ型」のチャットボットでは、事前に「ユーザーからの質問とそれに対する回答」をセットでチャットボットに読み込ませておくことで、コミュニケーションを成立させるやり方があります。
「料金」とユーザーが問いかけたら、あらかじめ設定しておいた「こちらの商品は10,000円です」などの回答が、自動的に返されるといった具合です。
一方でAIが搭載されたチャットボットの場合、事前に読み込ませた会話データをAIが学習して、ユーザーからの問いかけに応じて臨機応変に返答を行なうといったやり方も可能です。
この場合、「料金」だけでなく、「値段」や「価格」といった言葉が入力されても、AIによって「こちらの商品は10,000円です」と返すことができます。
チャットボットの仕組みに関する詳細は、こちらの記事をご覧ください↓
チャットボットの導入メリットを解決できる課題別に解説
先ほど、チャットボットは、解決できる課題別に2つで分類できることを紹介しました。
本見出しでは、「問い合わせ対応型」、「マーケティング支援型」のそれぞれがどういった課題を解決できるのかについて解説します。
問い合わせ対応型
有人で行っていた問い合わせ対応の一部をチャットボットが代替することを主な目的とする問い合わせ対応型には、以下のようなメリットがあります。
問い合わせ対応コスト削減
似たような問い合わせをチャットボットが対応するようになり、コールセンター等の人的コストを削減できます。
顧客満足度の向上
チャットボットの導入により、顧客対応時間が拡大し、レスポンスも早くなるので顧客満足度が向上します。
マーケティング支援型
二つ目は、チャットボットの導入によって売り上げの向上を目指す「マーケティング支援型」です。
ECサイトでの、購入情報の入力の際にユーザーが離脱してしまう「カゴ落ち」や、資料請求や会員登録フォームでの情報の入力途中での離脱率は約7割とも言われています。
商品の購入や問い合わせに興味を持ったにもかかわらず、情報入力の手間によってそれが中断されてしまうのはユーザーと企業の双方にとって機会損失のため、それを少しでも少なくするためにマーケティング支援型チャットボットは活用されます。
マーケティング支援型チャットボットのメリットは、以下のようなものが挙げられます。
Webサイト、LPのCVR向上
チャット形式で気軽に登録できるフォーム画面や画像やイラストを使用した訴求内容の視覚化によってCVRの向上に貢献します。
潜在顧客の育成
顧客との双方向なコミュニケーションを実現することにより、潜在層の顧客を育成することができます。
既存顧客のロイヤリティ向上
一度商品を購入した顧客と定期的なコミュニケーションを図ることにより、既存顧客のロイヤリティ向上に貢献できます。
業界課題別のチャットボットの導入事例
チャットボットの概要について解説したところで、ここからは業界課題別のチャットボット導入事例をご紹介します。
一口で「課題」と言っても、業界ごとにその抱える課題は千差万別です。
自社の業界、もしくは自社に近い業界はどのような課題を抱えており、それをチャットボットを活用することによってどのように解決したのかを見ていきましょう。
カゴ落ち率の改善(EC)
株式会社ファンファレ
導入の目的:売上の増加
導入後の成果:CVRが向上
EC業界の方が異口同音に悩みとして挙げるのが、購入フォームの途中でユーザーが離脱してしまう、いわゆる「カゴ落ち」。
ご多分に漏れず、スキンケア商品「ととのうみすと」を展開する株式会社ファンファレも、カゴ落ち率の改善がなかなかできないという課題を抱えていました。
そんななか、商品LP(ランディングページ)に新たな購入フォームとして設置したのがチャットボット。
在庫切れの危機に直面するという、うれしい誤算もありました。
チャットボットの設置によってカゴ落ち率を改善した事例です。
こちらの事例に関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
資料請求数を増やしたい(BtoB)
株式会社RESEPTIONIST
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求率が162%上昇
BtoB、つまり法人を対象にビジネスを展開する企業にとって、「資料請求」によるリードの獲得は有効な施策のひとつです。
そんななか、クラウド受付システム「レセプショニスト」を提供する株式会社RECEPTIONISTは、資料請求数の増加を目的として、自社サイトにチャットボットを導入。
ユーザーとの新たな対応チャネルとして、チャットボットが効果的に働いた事例と言えるでしょう。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
見込み顧客をたくさん確保したい(不動産・インテリア)
カツデンアーキテック株式会社
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求数が過去最多112件に増加
土地や家を買ったり、新しい家具の購入やリフォームをしたりするのは、大きな金額がかかるうえ、自身の生活の満足度に大きな影響を及ぼします。
当然、検討から実際に購入するまでの期間は長くなります。
顧客一人ひとりの検討期間が長くなるため、不動産・インテリアの事業者側としては、一人でも多くの購入検討者との接点を持っておきたいところ。
室内用のシースルー階段やサイクルスタンドなど、創造性に富んだ製品を展開する建材メーカーのカツデンアーキテック社では、自社サイトからの資料請求数が激減したことを機に、チャットボットを導入。
情報の入力をしやすいチャットボットという新たな入力フォームを設置した結果、これまで46〜77件程度であった月間の資料請求数が、導入後には112件にまで到達しました。
結果として、これまで以上に数多くの購入検討者と接点を持つことに成功しました。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
会員登録を増やしたい(教育)
ビズメイツ株式会社
導入の目的:会員登録数の増加
導入後の成果:全体のCVRが117%、スマートフォンからのCVRが133%改善
オンラインの英会話サービス「ビズメイツ」を展開するビズメイツ株式会社では、どれだけ無料の会員登録数を増やせるかが、事業拡大の鍵のひとつでした。
そこで、自社のサービスにサイトに、新たな入力フォームとしてチャットボットを導入。
豊富な画像やイラストなどを用いてユーザーとコミュニケーションを図ることのできるチャットボットの特長を生かした事例と言えるでしょう。
こちらの事例に関して詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
転職希望者とより気軽に接点を持ちたい(人材)
株式会社夢真ホールディングス
導入の目的:エントリー数の増加
導入後の成果:前年比131%のCVを達成
転職や就職は、人生の一大事。
どうしても慎重にならざるをえません。
ただ一方で、ちょっとしたきっかけや気持ちの変化などで一気に行動に移す場合もあるでしょう。
そんなときにすぐにサポートできるよう、人材事業者は、転職希望者・検討者とできるだけ気軽に接点を確保しておきたいもの。
建設業界に特化した転職支援サービス「俺の夢」を展開する株式会社夢真ホールディングスは、転職希望者が気軽に情報を入力できるよう、自社サイトにチャットボットを設置。
チャットボットの手軽な使い心地が成果に結びついた事例と言えるでしょう。
こちらの事例を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
チャットボットの他の導入業界についても知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください↓
業界別以外にもさらに8つの導入事例を紹介
先ほどの見出しでは、業界ごとのチャットボットの事例について紹介しました。
ここからは、業界を問わず、他の企業がどのようにしてチャットボットを活用したのかに関して解説します。
先ほど自社と同じ業界のなかった方は、こちらの事例にて、自社に該当するl、もしくは近い課題があるかどうかをご確認ください。
サイトシステムの大幅な変更はせずに購入・問い合わせを増やセル
株式会社フロムココロ
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが150%改善
自社のEC商品「デイリーワン」のマーケティング担当を務める湯浅さんは、サイトからの商品購入率(=CVR)を高めるべく、様々な施策を試していました。
年々厳しくなる傾向にある景品表示法をはじめとした法律の影響を受けるなかで、商品LP(ランディングページ)内のクリエイティブの順番や文言を変えるといった地道な施策を積み重ねる日々。
しかし、それらの施策も数値改善のインパクトとしては物足りず、残されている施策は徐々にジリ貧となりました。
そこでCVRを改善する起死回生の一手として導入したのが、チャットボット。
チャットボットであれば、設置するサイトや購入カートのシステム面に対して大きな変更を強いることなく、CVRや問い合わせ数といった成果に大きな影響を与えることができます。
チャットボットの低い導入ハードルと大きな効果という特徴を示す事例のひとつと言えるでしょう。
こちらの事例に関してさらに詳しい内容にご興味を持っていただいた方は、下記の記事も参考にしてください↓
入力フォームがカッコ良いデザインに
早稲田美容専門学校
導入の目的:学生(顧客)との接点を増やす、Webデザインの改善
導入後の成果:学生(顧客)との接点が増加
「SNSの活用法」を授業として取り入れるなど、単なる美容の技術にとどまらない時代に合わせた柔軟なカリキュラムで、人気・知名度ともに急上昇していた早稲田美容専門学校。
広報担当の門馬さんは、サイトに設置している入力フォームの地味なデザインを改善したいと考えていました。
そこで、サイトの雰囲気に合わせたよりポップで使いやすい入力フォームとして、チャットボットを導入。
で説明会の予約や資料請求などの行為ができるのは、情報の入力の際のストレスが非常に少ないです。
また、より気軽に触りたくなるようなポップな色使いやデザインも、ユーザーの体験を向上させています。
チャットボットという若年層を含めた多くの人が使い慣れた会話形式のフォーム、そして画像や装飾の活用など、チャットボットの高いデザインを示す事例のひとつと言えるでしょう。
こちらの事例に関してさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください↓
導入から半年で売り上げが10倍
株式会社ライブナビ
導入の目的:売上の上昇
導入後の成果:売上が10倍に
獣医師との共同開発を経たのち、満を持して犬のデンタルケア商品「ドクターワンデル」を販売し始めた株式会社ライブナビでしたが、当初は売れ行きが芳しくありませんでした。
しかし、商品ページにチャットボットを設置して、購入の際にそのチャットボットからの情報入力を促したところ、設置から半年で売り上げは10倍に。
こちらの事例の詳細はこちら↓
顧客単価・LTVの向上
株式会社クロコス
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが140%改善
ハンド美容液「Siro jam(シロジャム)」を展開する株式会社クロコスは、商品LPからのCVRを高めるため、チャットボットを設置しました。
ただ、チャットボット導入の効果はそれだけにはとどまりませんでした。
チャットボット内での商品の購入後、商品に合わせて別商品や別プランの案内をすることによって、アップセルやクロスセルをすることに成功。
チャットボット内の項目や文言、画像などを柔軟にカスタマイズできる特性を生かした事例となりました。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひこちらの記事をご覧ください↓
販売代理店の活発化
株式会社magicnumber
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが1%改善
株式会社magicnumberは、自社のヘアケアブランド「Le ment(ルメント)」のEC展開にあたって、購入途中での顧客の離脱、いわゆる「カゴ落ち」を課題のひとつとして抱えていました。
その課題を解決してCVRを改善するため、商品LP(ランディングページ)にチャットボットを設置。
結果的にCVRが約1%改善されるという効果が出ました。
そして、それだけでなく、チャットボットの設置されているLPであれば商品が売れやすいということで、Le mentの販売代理店の動きが活発化。
CVRの改善による売り上げアップはもちろん、代理店との関係強化という面でも、チャットボットが効果を発揮した事例です。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひこちらの記事をご覧ください↓
CVRが150%改善
株式会社いえらぶマーケティング
導入の目的:会員登録者数の増加
導入後の成果:CVRが向上、会員登録者数増加
自社のサービスサイト「いえらぶ不動産転職」の会員登録数を増やしたいと考えていた株式会社いえらぶマーケティングの小泉さんは、手軽かつ低予算で始められる施策として、チャットボットの導入を決断。
結果的にチャットボット導入以前と比べてCVR(≒会員登録率)は150%改善
また、チャットボット内のシナリオにて、「適職診断」というコンテンツを展開したところ、いますぐに転職を考えているわけではない、いわゆる「潜在層」のユーザーも会員登録をしてくれるようになりました。
チャットボットを用いた双方向のコミュニケーションによって、幅広い層のユーザーと接点を持つことができた、好事例であると言えます。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひこちらの記事をご覧ください↓
CVRが200%改善
株式会社レッドビジョン
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが約200%改善
ヘアケアブランド「マイナチュレ」を展開する株式会社レッドビジョンでは、ユーザーが購入フォーム途中で離脱してしまう「カゴ落ち」に悩んでいました。
他のEFO(入力フォーム最適化)ツールやLPO(ランディングページ最適化)ツールを試すものの、なかなか目立った効果を出せず。
そんななか、起死回生の一手としてチャットボットを導入。
チャットボットでの快適な購入体験がCVRの向上につながった、ひとつの事例と言えるでしょう。
こちらの事例の詳細は下記からご覧ください↓
データ分析をもとにした改善
遠州鉄道株式会社
導入の目的:資料請求数の増加
導入後の成果:資料請求が2倍に
自社の不動産サイトのCVR(≒資料請求率)を上げるため、遠州鉄道株式会社のマーケター・石橋さんが導入したのはチャットボット。
しかし、そこから「1つ目の設問で離脱している人が多い」というデータをもとにした改善を実施。
それまで「来場予約」や「土地情報のリクエスト」などの複数の問い合わせ内容を用意していたのですが、「資料請求」のみに一本化しました。
その結果、資料請求数は2倍に。
電話を含む有人での対応の場合、定量化しにくい「ユーザーはどこの設問で離脱したのか」、「どれくらいの割合のユーザーが資料請求まで行ったのか」などのデータを可視化して分析しやすくすることによって、効果を出した事例と言えるでしょう。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひこちらの記事をご覧ください↓
チャットボットを導入する際の注意点
チャットボットの種類やメリットについて説明しましたが、本見出しでは、チャットボットを導入する際に気を付けるべき注意点について紹介します。
チャットボットをリリースするまでの期間が必要
まず、チャットボットのリリースに至るまでには、大まかに以下のようなステップが必要です。
1.チャットボット導入目的の明確化
2.目的に合ったチャットボットサービスを比較検討
3.チャットボット選定
4.社内の担当者に対話に必要な情報をヒアリング
5.ヒアリングを基にチャットのシナリオ構築・情報登録
6.チャットボット運用の環境構築
7.テスト運用
8.テスト運用の結果を基にシナリオや環境をブラッシュアップ
9.運用開始
この9つのステップは、同時進行する場合もあれば何回か戻って繰り返すケースもあります。特にテスト運用とブラッシュアップは、本格的な運用前に複数回繰り返すことも多いです。
一例では、以下のようなスケジュールでチャットボットの導入が進められます。
仕様書のすり合わせ、確認:2〜3週間
開発、シナリオの設計:2〜4週間
テストの実施:1〜2週間
この導入準備に十分な時間を確保できないと、自社とは相性の悪いチャットボットを選定してしまったり、回答精度の低いままリリースしたりすることにつながってしまいます。
十分な準備を整えた上でリリースを迎えることができるよう、無理のない導入のスケジュールを立てましょう。
一度に多くの情報を返答できない
チャットボットは、チャット形式で気軽に質問できるため、ユーザーの問い合わせに対するハードルを下げることが可能です。
しかし、チャット形式だと複数の質問に一度で対応できなかったり、ユーザーに多くの情報を提供することが難しくなります。
質問に対して、多くの情報をユーザーに提供したい場合は、FAQシステムを活用すると良いかもしれません。
FAQシステムとチャットボットの違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
導入後も定期的なメンテナンスが必要
チャットボットを運用するには、情報のメンテナンスが必要です。定期的にチャットボットに寄せられた質問とその回答内容をチェックして、より適切な回答ができるようにしていかなければいけません。
また、得られたデータを基にチャットボットの利用率を上げるにはどうすればよいかを分析する必要もあります。
チャットボットのシステムそのものの保守は、サービス提供会社に任せることもできるでしょう。しかし、こういった運用に関するメンテナンスは、自社に担当者を置く必要があります。
担当者不在のまま運用を始めてしまうと、せっかく設置したチャットボットの情報の更新が行われなくなり、回答の精度が下がり、そして利用率も下がるという悪循環が発生しかねません。
また、導入前にはテストを繰り返して回答精度を確認することも重要です。回答精度が低い場合は、登録している情報量を見直し、精度の高い情報を出せるように調整します。
運用開始後も定期的にメンテナンスを行い、情報の質と量を見直すことが重要です。
チャットボットの導入が適している企業や部署の特徴
本見出しでは、チャットボットの導入に適している企業や部署の特徴について解説します。
自社の特徴にあっているか、ぜひ参考にしてみてください。
コールセンターやカスタマーサポートといった顧客対応の部署
チャットボットを導入することで、一部の問い合わせをチャットボットが代わって返答したり、問い合わせの対応時間を拡大したりすることができます。
お客様からの同じような内容の問い合わせをチャットボットに代替してもらうことで、顧客対応部署は業務を効率的にできます。
また、問い合わせ時間の拡大によって、顧客満足度の向上にもつながる可能性が高いです。
社内の問い合わせに対応する総務や人事
チャットボットは、社内でも活用することができます。
社内にチャットボットを導入することで、総務や人事にくる問い合わせの数を減らし、別の業務に集中することが可能になり、業務効率の向上が見込めます。
離脱率の高いフォーム画面や、カゴ落ちの多いECサイトを持つ企業
チャットボットを導入することで、入力フォームを一問一答形式にして顧客のストレスを軽減することができます。
資料請求フォームや会員登録フォームの離脱率の高さ、ECサイトでのカゴ落ちの悩みがある企業では、チャットボットを導入することでCVRや売り上げの向上が見込める場合が多いです。
ここまでの事例に自社の課題が当てはまらない方へ
ここまでのチャットボットの導入事例や導入に向いている業種についての見出しを読み、ひとつも当てはまるものがなかった方、またこれから述べるポイントに当てはまるものがある方は、もしかするとチャットボットの導入が自社の課題解決に適していない可能性があります。
その課題は本当にチャットボットの導入が向いているのか、再度確認してみてください。
以下では、チャットボットの導入によって効果を出しにくいケースを3つ解説します。
毎度異なる問い合わせ内容や入力内容のサービスを運営している場合
AIが日進月歩の発達を続けているものの、人間と同じレベルでのコミュニケーションを行なうことのハードルは、まだまだ高いです。
同じような問い合わせ内容や入力内容であればチャットボットで代替することができますが、毎度異なったり複雑だったりする場合、チャットボットにその役割を任せるのは難しいかもしれません。
チャットボットが向いているのは、例えば不動産で毎度「エリア」や「家賃」などの同じ問い合わせ内容だったり、ECで商品を購入する際に「名前」や「住所」など毎度同じ内容を入力したりする場合です。
チャットボットの導入業界について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
想定しているFAQのパターンが多い
こちらは1つ目のケースと関連しますが、想定するFAQのパターンが多い場合は、チャットボットの導入が向いていない可能性があります。
チャットボットが解決できる課題の1つとして「問い合わせ対応を代替して業務を効率化する」がありますが、事前に想定するFAQのパターンが多いと、チャットボット内のシナリオが複雑になってしまい、うまくユーザーからの問い合わせに答えられない場合があるのです。
目安としては登録するFAQが300件以上の場合は、チャットボットよりもFAQシステムを導入した方がコストの削減につながる可能性が高いです。
チャットボットとFAQシステムの比較については、こちらの記事をご覧ください↓
そもそもPVや問い合わせ数が少ない
そして最後、チャットボットの導入が適していない3つ目のケースは、そもそもサイトのPV(=閲覧数)や問い合わせ数が少ない場合です。
上記で解説したように、(現状では)チャットボットは同じ内容のやり取りを繰り返すことが得意です。
つまり、同じパターンのコミュニケーションを繰り返せば繰り返すほど、チャットボットの費用対効果は高まります。
そこでそもそものPV数や問い合わせ数が少ないと、チャットボットの効果を発揮しにくくなるのです。
また、これまで蓄積された問い合わせのデータが少ないと、チャットボットにてシナリオを作成する際に、精度の高いチャットボットを構築することが難しくなります。
どれくらいのPVや問い合わせ数があれば費用対効果を高めることができるのかというのは、チャットボット提供各社の料金やAIの精度によって異なるので、比較時に確認してみてください。
チャットボットの導入がうまくいかないケースについて、より詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
チャットボット導入後に最大限活用するための3つの注意点
チャットボットは、設置して終わりではありません。
むしろ、設置してからが本番です。
設置後にチャットボットに蓄積されたデータをもとに、どれだけ精度を高めたり、改善できたりするかどうかが、チャットボットで成果を出すための鍵を握ります。
チャットボットの導入、比較検討を本格的に行なう際にはこれらの注意点を守れそうかどうかも念頭に置いてください。
チャットボットの運用を担当する人が社内にいるか
繰り返しになりますが、チャットボットは導入して終わりではありません。
導入後、データや使用履歴などを確認しながら改善を行なっていく必要があります。
もちろん、チャットボット提供会社のカスタマーサクセスからの支援はしてもらえることが多いですが、提供会社によって支援の程度にばらつきがあります。
そして、最終的にはやはり導入した企業がどれだけその運用にリソースを割くことができるかどうかが、導入成功の鍵を握るのです。
導入後にチャットボットベンダーとの窓口になったり、設置後の改善に十分な時間と工数を割くことのできる担当者が社内にいるかどうか、確認してください。
チャットボットに任せる範囲を明確にする
チャットボットはまだまだ発展途上なツールであり、時代とともにできることや精度は向上していますが、まだまだできないことが多いのも事実です。
「チャットボットで業務を代替する」と一言で言っても、全ての問い合わせ対応をチャットボットに任せるのか、一部だけを任せてそれ以外は有人で対応するのかなど、あらかじめ整理しておきましょう。
また、これらの線引きを社内で統一しておくことによって、導入準備や運用が始まった際に「チャットボット入れたのにここまでしかやってくれないの!?」という認識の齟齬を防ぐことができます。
的確に運用ができているかどうかのKPIを定める
本記事では、チャットボットを導入目的によって大きく2種類に分けて紹介しました。
しかし、「問い合わせ対応」や「マーケティング支援」などの粒度では、運用の際のKPIとしてはまだ大ざっぱです。
問い合わせ対応であれば、「回答率」や「回答数」、「起動率」などを、マーケティング支援が目的であれば「CVR」や「CV数」、「CPA」などを、自社の課題に合わせて設定しましょう。
それらの数値を継続的に分析、改善することによって、チャットボットの導入が成功につながる可能性が大きく高まります。
チャットボット導入の効果を確認するための有効な3つのKPI
チャットボットを導入した後は、どれだけ効果があったのかを確認してみましょう。チャットボットの効果測定をするための3つのKPIを紹介します。
CVRについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
CPAについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
CV(コンバージョン)の確認
まず確認しておきたいのは、コンバージョンについてです。チャットボットがどれだけサイトに誘導できているか、チャットボット経由でのコンバージョン数がどれくらいあるかをチェックしましょう。
チャットボットで商品やサービスの紹介を行う場合、サイト誘導数を確認します。ユーザーに対象ページに移動することを提案し、実際にサイトに移動したユーザーの数がサイト誘導数です。
そして、チャットボットを経由したコンバージョンがどれくらいか測定することは、重要な指標です。サイト全体のコンバージョンのうち、どれくらいがチャットボット経由かを確認しましょう。
チャットボット導入前のコンバージョン数が分かれば、チャットボットの導入でどれくらい変化があったかが分かりやすいでしょう。
起動数・利用開始率の確認
続いて起動数と利用開始率を確認してみましょう。
起動数は、サイトを訪問したユーザーに対してチャットボットが表示された件数です。利用率は、表示されたうちの何回かを求めるため、まずは起動数が必要です。
起動数が極端に低い場合は、何らかのバグが発生して表示されていない可能性もあります。
利用開始率は、チャットボットが表示された回数に対して、ユーザーから何らかのアクションがあった割合です。どれだけチャットボットが利用されたかが分かります。
チャットボットの位置や表示のタイミングなどで利用開始率は変わるため、あまり利用されていないと感じる場合は、ユーザーに見つけてもらいやすいように工夫しましょう。
また、チャットボットが最初に発言するメッセージの内容によっても、利用開始率は変わると考えられます。効果測定の結果を見て、メッセージの内容も見直してみましょう。
問い合わせ件数・回答数・解決率
問い合わせ件数も、チャットボットの効果測定において重要な指標です。チャットボットには、問い合わせ業務を効率化できるというメリットがありました。
チャットボットを導入し、実際に業務を効率化できたかどうかは、問い合わせ件数の変化で判断できます。
チャットボットの導入でどれだけ改善できたかがポイントとなりますので、導入前の問い合わせ件数を確認しておくことが重要です。
導入前の問い合わせ件数と比較して、想定していた効果が出ているかを確認しておきましょう。
そして、ユーザーからの質問にどれだけ回答できたかという回答数も重要です。ユーザーの質問にあまり回答できていない場合は、設定を見直すことをおすすめします。
ユーザーの質問への回答については、解決率といった指標もあります。解決率は、ユーザーの質問をどれだけ解決できたかという数値です。
質問に回答した後に「解決しましたか?」と問いかけることで、解決できたのかどうかを計ることができます。
解決に至らないケースが多い場合には、選択肢の内容やチャットボットが回答できる範囲を見直してみましょう。
チャットボットの回答が的外れの場合、ユーザーの満足率が下がってしまいます。
チャットボットを導入する5つのステップ
では最後に、チャットボットを実際に導入するにあたって、具体的にはどのような手順が必要なのでしょうか。
ここではチャットボットの導入に必要な5つのステップをご紹介します。
自社の課題を整理する
チャットボットを導入するにあたって、課題・目的を明確にしておく必要があります。
用途に応じたチャットボットを選択しないと「導入後にコールセンターの負担が増えてしまった」など、効果をうまく発揮できないケースもあるので注意が必要です。
どのような課題があり、どのチャットボットを導入すれば解決することができるのかを自社で判断することがもし難しい場合は、ベンダーに問い合わせをして相談することもおすすめです。
自社の課題に合ったチャットボットを選ぶ
導入するチャットボットサービスを選択するにあたって、1番大切なことは自社の課題を解決することができるサービスであるかどうかです。
自社の課題に合ったチャットボットサービスであることが分かったら、次に料金やAI機能の有無、ベンダー側のサポート体制などの項目を比較検討してください。
チャットボット各社の比較見当を行ないたい方は、下記の記事をご参照ください↓
シナリオ設計を行なう
チャットボットを運用するためにはシナリオの設計が必要不可欠です。
シナリオを設計するにはFAQの準備、もしくはユーザー側に入力してほしい項目の整理などを行なう必要があります。
一般的な作成の際の流れとしては、まず「よくあるお問い合わせ」などから想定される、質問と回答を洗い出します。
次に洗い出した質問の中から最終的な回答までの流れを複数パターン想定し、シナリオの構成にまで落とし込むという手順です。
チャットボットのシナリオ設計に関して詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください↓
実装・環境構築を行なう
チャットボットを導入するにあたって、実装・環境構築を行う必要があります。
実装・環境構築を行うにあたっては、テスト環境・本番環境を構築しデータの整備を行なうことが必要です。
上記の準備が完了したら、実際にテスト環境で問題なくチャットボットが動作しているかのテストを行ない、問題があれば必要に応じてシステムを調整します。
AI型の場合は、ハイパーパラメータのチューニングが必要になることもあります。テストでシステムに問題がないことを確認した上で、実際に本番環境に実装したら実装・環境構築は完了です。
継続的にメンテナンスを行う
チャットボットを運用するにあたっては、継続的にメンテナンスを行うことが重要になります。
実際に運用したデータをもとに効果検証を定期的に行い、離脱の多い地点やエラーなどの問題を抽出し改善を行います。
AI型チャットボットの場合、AIのチューニングを行い、シナリオ型チャットボットの場合、更新情報があれば定期的にシナリオに調整を加えます。
自社の課題に合ったチャットボットを導入して、効果を最大限に発揮しましょう
チャットボットは活用の仕方次第で、業務の効率削減や売り上げアップの面などに大きな効果を上げることができます。
まずは自社の課題を整理して、その課題に対してチャットボットの導入が適しているかどうかを確認しましょう。
そして自社の課題に合ったチャットボットを導入したあとは、社内に担当者を配置して、KPIを確認しながら継続的に改善し続けていくことが重要です。
そうすることによって、チャットボットは大きな効果を発揮することができます。
チャットボットの導入に興味を持たれた方は、ぜひチャットボット各社の比較を行ない、自社の課題に合ったチャットボットを探してみてください。
チャットボット各社を徹底比較した記事はこちら。ぜひご参考にしてください↓