直帰率を改善する5つの方法は?業種平均や離脱率との違いも解説

ユーザーがサイトを訪問した際に、他のページを閲覧せずに別サイトに移動してしまうことがあります。

その割合を「直帰率」と呼びます。つまり、直帰率が高いということは、ユーザーが訪問したサイトやページに対して、満足していないことが予想されます。

それでは、直帰率の高さはどうすれば改善できるのでしょうか。今回は、直帰率が高いサイトの原因や改善方法をお伝えします。

直帰率の意味や解析方法

直帰率と離脱率の違い

直帰率とは、サイトのセッションのうち、訪問した最初のページから別のページに遷移せずに直帰したセッションの割合を表わす指標です。

直帰率と似た言葉に「離脱率」がありますが、その違いは離脱前に複数のページを閲覧しているかどうか、です。

離脱率は、直帰かどうかにかかわらず、そのページを最後に離脱したセッションの割合を示します。

ユーザーが閲覧しているページから他のサイトに移動することを「離脱」と言います。

ページ閲覧後にサイトから離脱したと見なされる条件は以下の4つです。

・ほかのサイトに移動
・ブラウザを閉じる
・30分間操作がない
・午前0時を過ぎる

直帰率は最初のページからそのまま離脱した割合を指し、離脱率はそのページの閲覧を最後に離脱した割合のことです。まずは、その違いを押さえておきましょう。

例えば、以下のように3つのセッションがあるケースで、直帰率と離脱率の違いを見ていきましょう。

– セッション1:ページ1→ページ2→離脱
– セッション2:ページ2→ページ1→離脱
– セッション3:ページ1→離脱

ページ1について、セッション1とセッション3の2回のうち1回が直帰しているので直帰率は50%(=1/2)です。

一方、ページ1を含む3つのセッションのうちページ1で離脱しているのは2回なので、離脱率は67%(=2/3)となります。

ページ2について、ページ2を最初に訪れているケースはセッション2のみで、直帰していないため直帰率は0%(=0/1)です。

一方、ページ2を含む2つのセッションのうちセッション1のみページ2で離脱しているので、離脱率は50%(=1/2)になります。

このように、離脱率と直帰率の意味は異なり、同じケースでも計算方法は異なります。

離脱率について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください↓
離脱率とは?直帰率との違いや計算方法、8つの改善施策を解説

直帰率がすぐにわかるGoogle Analyticsでの解析方法

サイトの直帰率はGA(Google Analytics)で確認できます。GAでは、どの直帰率を確認するかによって操作方法が変わります。

サイト全体の直帰率を確認するには、サイドメニューから「ユーザ>概要」を開き、ユーザーサマリーを表示させましょう。

デフォルトでは「セッション」になっている指標を「直帰率」に変更すると、サイト全体の直帰率を日別で確認することも可能です。

各参照元の直帰率を確認する場合は、「集客>すべてのトラフィック>参照元/メディア」から確認します。

広告を出稿しているなら、ランディングページの効果測定において直帰率は重要な指標となります。

「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」をクリックすると、ページごとの直帰率を確認できます。

直帰率だけでなく離脱率も確認できますので、数値を比較しながら各ページを解析しましょう。

「すべてのページ」でなく「ランディングページ」をクリックすると、ユーザーが最初に訪問したページのデータを確認できます。

デフォルトでは、セッション数が多い順に並んでいます。セッション数が多いということは、それだけ集客できているということです。

セッション数が多く直帰率が多いページを見て、なぜ直帰率が高いのか分析することができます。

プライマリディメンションを「ユーザータイプ」に変更すると、新規とリピーター、それぞれの数値が分かります。

一般的には、何らかの理由があって再訪したリピーターの方が、直帰率は低くなります。

そのほか「ユーザ>テクノロジー>ブラウザとOS」ではブラウザごとの直帰率の確認ができます。

ユーザーはさまざまな環境でサイトを閲覧しています。極端に直帰率が高いページがあれば、何か問題が発生しているかもしれません。

全てのブラウザとOSでサイトチェックすることは難しいため、定期的にブラウザとOSで数値を確認しておきましょう。

また、セカンダリディメンションで「ブラウザのバージョン」を追加すると、各ブラウザ・OSのバージョンもチェックできます。

業種ごとの直帰率

直帰率は業界や業種、そしてサイトの種類によって異なります。そのため、どれくらいを目安にするかという基準も一定ではありません。

それでは、LPOのコンサルティング会社が調査した業界・業種ごとの直帰率の平均を見てみましょう。

・飲食系 65.62%
・サイエンス系(ITなど) 62.24%
・ペット・動物系 58.04%
・ニュース系 57.93%
・アート・エンタメ系 56.52%
・本・文献系 56.04%
・美容・フィットネス系 55.86%
・ホーム・ガーデン系 55.73%
・法律・政府系 55.06%
・コンピュータ・電子系 54.54%
・趣味・レジャー系 54.04%
・インターネット・通信系 53.59%
・バイク・クルマ系 51.96%
・金融系 51.71%
・スポーツ系 51.12%
・旅行系 50.65%
・ビジネス系 50.59%
・就職・教育系 49.34%
・オンラインコミュニティ 46.98%
・ゲーム系 46.70%
・ショッピング系 45.68%
・不動産系 44.50%
(出典:Bounce Rate Benchmarks: What’s a Good Bounce Rate, Anyway?

直帰率が一番高いのは飲食業界です。飲食のサイトに訪問するユーザーは、「店舗の場所や営業時間を知りたい」や「メニューを確認したい」という目的がほとんどでしょう。

その場合、最初のページで知りたいことが分かればすぐに離脱します。そのため、全体的に直帰率が高くなる傾向があります。

その一方で、直帰率が低い傾向にあるのが、不動産系やショッピング系です。これらのサイトは1ページだけで目的を果たせることが少なく、回遊することを前提にサイトが構築されています。

続いて、サイトの種類ごとに直帰率の平均を見てみましょう。

・B2B 25〜55%
・EC・リテール 20~45%
・リードジェネレーション 30~55%
・ランディングページ 60〜90%
・辞書サイト・ブログ・ポータルサイト 65~90%

ECサイトの場合、商品の比較や購入でさまざまなページを回遊するため、直帰率は低いと言えます。

一方で辞書サイトの場合は、調べたい単語の意味が分かれば目的を果たせるため、直帰率は高くなります。

全体的な傾向としては、辞書サイトのように簡単に検索意図を満たせるサイトは直帰率が高く、対して比較対象が多く幅広い情報を必要とするサイトの直帰率は低くなります。

直帰率が高い原因

続いては、直帰率が高い原因について紹介します。

先ほどお伝えしたとおり、業界や業種、サイトの種類によって直帰率の平均値は異なります。

しかし、直帰率が業界平均より明らかに高い、またはサイト平均より極端に直帰率が高いページがある場合は、何らかの原因があると考えて差し支えないでしょう。

まず考えられることは、ページの内容とタイトルに相違があるケースです。

ページタイトルに興味を持ってクリックしても、内容が期待していたものと相違があってはすぐに離脱してしまいます。

また、ページ内容がテキストと一致していたとしても、最初に目に入る部分に必要な情報がないと、ユーザーには伝わりません。

そして、ページの内容に満足ができたとしても、「商品の紹介をしているページに購入ボタンがない」など、次に取るべき行動への導線がないと、ユーザーは離脱してしまいます。

その一方で、コンバージョンを目的としたランディングページは直帰率が高くなります。

なぜなら、商品の購入やサービスへの申し込みを目的としたページは、ほかのページに移動しないように不要なリンクを置かないからです。

その時点でユーザーが購入や申し込みの決断ができていなければ、離脱するしかありません。

そのほか、ページの読み込み速度やレイアウト崩れなど、表示上の問題で直帰している可能性もあります。

ユーザーが1ページで満足した場合も、直帰率は高くなります。必ずしも直帰率が高いことが悪いことではない、ということもあるのです。

直帰率の高いサイトの改善方法

それでは、直帰率の高いサイトの改善方法をお伝えします。直帰率が高い原因を分析していきましょう。

ページ内容とタイトルを合わせる

タイトルを見てページに興味を持っていても、内容が異なっていればすぐに離脱してしまいます。

そういった事態を避けるためにも、ページ内容を分かりやすく伝えるタイトルを付けましょう。

また、狙っているキーワードがタイトルにきちんと盛り込まれているか確認も、重要です。

検索結果からサイトに訪問するユーザーは、何かしらの「知りたいこと」があります。その検索意図を満たすために、検索キーワードをページやタイトルに反映させましょう。

ただし、キーワードとページ内容、タイトルが一致していても、内容がユーザーに伝わらなければ意味がありません。

ページの早い段階で知りたいことについて書かれていないと判断すると、ユーザーはそこで離脱してしまいます。

そのため、ページ内容とタイトルを合わせるだけでなく、スクロールせずに目に入るファーストビューに情報を盛り込むことが大切です。

このページに何が書かれているか、ファーストビューで分かるようにしましょう。

また、広告出稿する場合は、ページタイトルだけでなく、広告テキストとページの内容も一致させることが必要です。

広告のクリック率が低い場合は、広告テキストを見直しましょう。クリック率が悪くないのに直帰率が高い場合は、広告テキストとページ内容の不一致を確認しましょう。

サイトの導線確保の見直し

ユーザーに直帰させないためには、次にどういった行動を取ればいいかを示すことが重要です。

ユーザーの行動を促す導線があれば、直帰させずに次のページにつなげることができます。各ページにCTAが設置されているかを見直しましょう。

CTAとは「Call To Action」の略で、ユーザーの行動を喚起する購入ボタンやリンクのことを指します。

「無料会員登録」、「いますぐ資料請求」のようなボタンやテキストリンクで、コンバージョンページへ誘導するのが目的です。

広告出稿時のランディングページにはCTAを設置していても、「問い合わせ」や「よくある質問」といったページにはCTAが設置されていないケースがあります。

グローバルナビゲーションやフッターに共通してCTAを設置していたとしても、全ページで同じデザインであれば見落とされる可能性もあります。

ページの内容に合わせたCTAを設置することで、次のページへとユーザーを誘導できる可能性が高まります。

セッション数が多いページでCTAの見直しを行えば、直帰率だけでなくコンバージョン率の改善にもつながるでしょう。

デザインになじんでしまっていたCTAを目立たせるように変更するのも、直帰率の改善に有効です。

CTAボタンについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
効果的なCTAボタンとは?CVが増える10のポイントも解説

システムの改善

内容だけでなく、システム面の問題でも直帰率は高くなります。サイトの読み込み時間が長いと、コンテンツの内容に目を通す前にユーザーは離脱してしまいます。まずは、サイトの読み込み時間がどれくらいかを確認してみましょう。

読み込み完了に3秒以上かかる場合は要注意です。読み込み時間が3秒を超えると直帰率が一気に上がるため、理想としては読み込み時間を3秒以内に抑えたいところです。

画像を多用していると読み込みに時間がかかるため、リサイズや圧縮で画像を軽くしておきましょう。

また、操作面での使いにくさも、直帰率を高める要因となります。スマートフォンでの操作がしやすい、モバイルファーストデザインになっているかを確認しましょう。

フォントサイズやフォームの入力など、さまざまな場面でユーザーにストレスを与える作りになっていないかのチェックも必要です。

そのほか、内部リンクのリンク切れも注意したいポイントです。クリックしても目的のページに遷移しないことは、ユーザーにとって大きなストレスとなります。

導線やリンクに不備がないか定期的にチェックしましょう。

クオリティの見直し

直帰率を改善するためには、コンテンツのクオリティを上げることも重要です。ユーザーにはサイトを訪問する理由があります。

そのユーザーニーズを満たせないページは、離脱する理由が生まれてしまいます。離脱を防ぐため、ユーザーニーズを意識し、ユーザーにとって有益なサイトを目指しましょう。

例えばECサイトの場合、商品の良さを伝えたいという気持ちが先行してしまう場合があります。

商品の情報を正しく伝えることは必要ですが、売り手側の都合だけになってしまっていないかをチェックした方がよいでしょう。

ユーザーにとって有益な情報とは、商品やサービスに対する詳細情報よりも、自分の悩みをいかに解決してくれるか、ではないでしょうか。

商品やサービスの良さをユーザーにわかりやすく伝えるためには、ユーザー視点での考え方が必要になります。

ユーザーの検索意図を考え、ユーザーニーズを満たせるコンテンツ作りを心掛けましょう。その姿勢が、直帰率の改善や売り上げアップにつながります。

導線の見直し

コンバージョンを目的としたランディングページは、コンバージョンに至らなければほとんどが離脱となるため、直帰率は高くなります。

これはページの特性上、ある程度は仕方のないことです。

しかし、もっと回遊してほしいページの直帰率が高い場合、導線が不足している可能性が高いと言えます。

コンテンツマーケティングのためのオウンドメディアやブログなら、コンバージョンにつなげるCTAは、広告感が強く出て避けられる傾向があります。

そのため、ページ内容によってはCTAよりも関連コンテンツといった内部リンクで導線を強化した方が良いでしょう。

記事コンテンツなら関連記事、ECサイトならコーディネートアイテムなど、閲覧ページから自然と他のページに誘導できる導線を考えましょう。

そして、ユーザーが求めている情報がどこにあるか分からないと、直帰する可能性が高まります。

ユーザーが迷子にならないように、どのページにどういったコンテンツがあるかを分かりやすくしましょう。誰が見ても分かるカテゴリ名をつけるのも、有効な手段のひとつです。

直帰率を改善して快適なサイト運営を

直帰率を改善するために、まずは直帰率が高い原因をしっかり分析しましょう。業界平均やサイト平均の直帰率を把握することにより、問題があるページを見つけやすくなります。

直帰率が高くなる原因に合わせて対処すれば、直帰率だけでなくコンバージョン率も改善できる可能性が高まるので、是非ご参考にしてみてください。

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