単品リピート通販とは、通販において1つの商品または1つのカテゴリーだけを扱う方法で、商品を顧客にリピート購入してもらうビジネスモデルです。
このビジネスを成功させるには、適切なKPI管理とリピート化させる仕組み作りが欠かせません。本記事では、単品リピート通販の特徴に触れた上で、注目したいKPIや成功ポイント、便利なツールをご紹介します。
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目次
単品リピート通販について知っておくべき基礎知識
単品リピート通販とは、通販において1つの商品またはカテゴリーだけを扱う方法を指します。
取り扱う商品の種類をあえて厳選することで、顧客の注目を集めて購買意欲を高め、リピート率のアップを図るビジネスモデルです。
ここでは、単品リピート通販の特徴、総合通販との違い、ビジネスの仕組みをそれぞれ詳しく説明します。
特徴
単品リピート通販では、複数の商品を展開するのではなく、1つの商品・サービス、または1つのカテゴリーのみを販売する点が最大の特徴です。
同じ商品・カテゴリーを継続的・定期的に販売することで、「この商品を買うならこのお店」というイメージを顧客に定着させ、リピート購入させることを目的としています。
経済産業省「電子商取引に関する市場調査」のデータを見てみましょう。
(参照:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました)
単品リピート通販で扱われることが多い「食品、飲料、酒類」、「化粧品、医薬品」といった商材分野のBtoC-EC市場規模は2018年から2019年にかけて市場規模もEC化率も伸びており、業界が盛り上がっていることが見受けられます。
総合通販との違い
総合通販とは、商品やカテゴリを1つに絞らずに、様々な商品を取り扱う形態です。
総合通販のビジネスモデルは、必ずしも同一商品のリピート購入を前提としていないので消耗品以外も販売しており、1回だけのスポット購入にも対応しています。
一方で単品リピート通販は、単品しか取り扱わない代わり、リピート購入を前提としています。
一般的に、単品リピート通販には、化粧品などの消耗品や、使い切りの食品・飲料・サプリメント、定期的に新商品が出る衣類・雑誌などが向いています。
そこでしか手に入らないオリジナリティのある商品であれば、よりリピート購入されやすいでしょう。
企業事例
単品リピート通販を行っている企業について紹介します。通販新聞社の「化粧品通販売上高ランキング調査」(2018年度)によると、売上の上位企業は以下の通りです。
– 1位 オルビス
– 2位 新日本製薬
– 3位 ファンケル
– 4位 再春館製薬所
– 5位 コーセー
また、日本流通産業新聞によると健康食品の通販売上高上位企業(2019年)は以下の通りです。
– 1位 サントリーウェルネス
– 2位 ディーエイチシー
– 3位 ファンケル
– 4位 世田谷自然食品
– 5位 やずや
単品リピート通販の主な商品は化粧品や健康食品です。これらは消耗品であり、使い続けることで効果が得られる商品なので、単品リピート通販に適した商材と言えるでしょう。
ラインナップを絞った販売に強い新日本製薬、オルビスや、資金力があり品揃えが厚い大企業のサントリー系、コーセーなどさまざまな企業が単品リピート通販で高い収入を生んでいることが分かります。
ビジネスの仕組み
リピート商材を販売するビジネスでは、新規顧客獲得のために広告費や販促費、初回割引などの費用がかさむので、基本的に初回購入時は赤字の状態です。
これを黒字にするためには、商品をリピート購入してもらい、さらにリピートから定期購入につなげなければなりません。そうすることで、投資した費用を回収し、損益分岐点を超えることができます。
リピート客が増えれば増えるほど、限界利益(顧客が1人増えることによる利益)が増えていくので業績も安定するでしょう。
単品リピート通販のメリットとデメリット
メリット
・価格競争に巻き込まれにくいため、利益率が高くなりやすい
・定期販売なので、売り上げ予測が立てやすい
・商品の種類が少ないため、低コストで始めやすく、商品の保管も容易である
人気の商品を取り扱うと、他のサイトと顧客を取り合うことになり、価格や特典などで差別化を図る必要があります。
しかし、差別化されたオリジナルの商品を取り扱うことで、価格競争に巻き込まれにくくなり、利益率を高めることができます。
また、単品リピート通販は、定期購入を基本とするビジネスモデルなので、売り上げ予測を立てやすく、安定した収入が確立されます。
デメリット
以上のように、メリットも多くある単品リピート通販ですが、その一方でデメリットもあります。
・扱う商品が限られるため、集客できる層も限られる
・オリジナルの商品であるため、顧客を集めるまでに期間や費用がかかる
単品リピート通販には、多くのメリットがありますが、他とは差別化した商品を扱うからこそ顧客を集めるまでが大変です。
多くの種類の商品を扱っていると、様々な層の顧客を集めることが可能ですが、商品の種類が少ないため、アプローチできる顧客が限られてしまいます。
また、差別化されたオリジナリティのある商品なので、認知度が低く、集客できるまでにかかる費用は高くなってしまいます。
単品リピート通販の始め方
ここからは、単品リピート通販を始めるために大切な4つのステップを紹介します。単品リピート通販を始めようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
商材を決める
単品リピート通販を始めるには、まずは販売する商材を決める必要があります。単品リピート通販が成功するかどうかを左右する第一条件は商材の選択です。
リピート・継続購入されやすく、差別化されたオリジナリティある商材を企画することが大切です。
化粧品や健康食品は、消耗品でありながら継続して利用することで効果を得やすいとされているので、単品リピート通販の商材として多く取り扱われています。
サイトを構築・改良する
集客して販売するためには、商品販売専用のWebサイトを構築する必要があります。顧客がサイトを見た時に買いたいと思うように、商品が分かりやすく簡潔にまとまっているサイトにしましょう。
既存のコーポレートサイトやブランドサイトを活用するなら、LP(ランディングページ)の見直しや導線の再設計など、作り込みが欠かせません。
例えば、商品の説明から何度もページ遷移せずに購入までできる設計にすると、商品購入前の離脱を抑えられるでしょう。
LPについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
ツールを導入・整備する
販売サイトの効果測定や情報管理のためには、アクセス解析・分析ツールが不可欠です。また、ECサイトで販売するためにはカート機能も導入する必要があります。
カート機能とは、商品をカートに入れてオンライン上で商品の購入手続きができる仕組みで、この機能が備わったものをカートツール、カートシステムや、ショッピングカート、ECカートなどと呼びます。
さらに顧客のニーズに合わせて、クレジットカードなど主要決済手段に対応する決済ツールも必須です。こういったECサイトに必要な機能をサイトに組み込む、もしくは専用ツールを導入する必要があります。
プロモーションの方針を決める
ECサイトのプロモーションにおいては、インターネットのチャネルが活用されるのが一般的です。
インターネット広告にしても、検索エンジン、ポータルサイト、SNSなど様々なプラットフォームがあり、また特定分野に詳しい広告代理店の活用という手段もあります。
単品リピート通販では、多くの顧客を集めることが必要ですが、プロモーションによる集客に成功するためには、事前に自社に合う方針を固めることが大切です。
改めて単品リピート通販の始め方をまとめると以下の通りです。
是非参考にしてみてください。
単品リピート通販で成功するためのポイント
単品リピート通販で成功するためには、単価アップ、リピート率アップが必要です。そのためには、購入見込み客をリピート客に育てる顧客ナーチャリングも必要です。
ここでは、それらを踏まえた上で、単品リピート通販で成功するためのポイントを解説します。
アップセル・クロスセル
単品リピート通販で売上を上げるなら、アップセル・クロスセルを活用しましょう。アップセルとは、現在ある商品を検討している顧客や以前商品を購入した顧客に対し、より高額な上位モデルに乗り換えてもらうことです。
クロスセルとは、1つの商品だけでなく関連した商品も提案することで、他の商品もまとめて購入してもらうことです。両方の手法とも、購入単価を上げる狙いがあります。
商品ラインナップの中で上位商品・関連商品がある場合は、それらを訴求することで顧客の興味を引き付け、購入単価の上昇が期待できます。
こういった施策を行う際は、顧客によって購入意欲やニーズが異なるため、商品の押し付けになって逆効果にならないよう注意が必要です。
そのためには顧客をセグメント分けして、グループごとに最適なアプローチを施す必要があるでしょう。
アップセルとクロスセルについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
定期購入
固定客を獲得するために利用されている手法として、定期購入があります。定期購入により固定客が増えれば、販促費用の削減や買い忘れ防止も可能になり、収入基盤を確立させやすくなるでしょう。
定期購入につなげる手法は2パターンあります。1つ目は、初回購入時に無料サンプルを付けたり、割引価格で提供したりして、商品購入のハードルを低く設定する方法です。
初めてでも気軽に購入できるようにして、次回以降のリピート購入につなげます。2つ目は、初回に通常価格で販売し、定期購入につなげる方法です。
先ほどの方法より商品購入のハードルが高くなるので、商品価値を感じてもらえるような工夫や、定期購入者には割引価格で提供するなど、顧客を引き付ける戦略が必要です。
単品リピート通販に役立つツール
単品リピート通販で成功するには、顧客情報の管理やWebサイトの最適化など様々な施策が必要なこともあります。
データ管理や顧客の行動分析などを効率的かつ効果的に行うには、ツールを利用すると良いでしょう。
ここでは単品リピート通販に役立つ顧客情報管理ツール、アクセス解析ツール、Web接客ツールの3種類のツールについて、特徴にも触れながら詳しく紹介します。
顧客情報管理ツール
顧客情報管理ツールとは、顧客の属性、購買履歴、問い合わせ内容、アプローチ履歴など、顧客に関する様々な情報を一元管理するツールです。
CRM、MA(マーケティングオートメーション)といったツールがこれに当てはまります。CRMは、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれ、顧客とのコミュニケーション履歴を管理でき、関係性を把握することが可能です。
MAは、顧客情報を収集し、顧客が必要としているタイミングでアプローチすることで見込み客を固定客につなげるようサポートします。
単品リピート通販では、顧客にリピートしてもらうことが大切で、そのためには顧客と長期的な関係を構築することが重要です。
顧客の購入状況や購買意欲はそれぞれ異なりますが、このようなツールがあれば個別に最適なアプローチが可能になるでしょう。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールとは、Webサイトのユーザー属性、デバイス・環境、行動(ページ遷移、サイト内検索など)、CV数などWebサイトのあらゆる記録を管理・分析するツールのことです。
グーグルアナリティクスが代表的なツールで、無料で利用できる上に高性能なデータが得られるので、導入しやすいでしょう。
アクセス解析ツールは、ユーザーの興味関心が強い商品のリサーチや、広告効果を測定するためにも導入が必須です。
質の高い分析が効率的かつ容易にできるようになることで、Webサイト上における問題点の発見や改善施策の立案に役立ちます。
Web接客ツール
Web接客ツール(オンライン接客ツール)とは、ECサイトなどWeb上においても実店舗の接客のようなきめ細かい接客を実現するためのツールです。
ユーザーの行動に合わせてクーポンやおすすめ商品といった必要な情報をポップアップ形式で表示するタイプや、チャットボットによって会話を実現させるタイプがあります。
これらのツールを導入することにより、ECサイトにおいて気軽かつ的確なコミュニケーションが可能になることで、顧客満足度の向上やCVRアップ、問い合わせ対応の業務負担軽減が可能です。
チャットボットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
実際にチャットボットを導入した事例
ひとつ前の見出しで、単品リピート通販に役立つツールとしてチャットボットを紹介しました。
この見出しでは、実際にチャットボットを導入して効果が出た事例を3つ紹介します。
売上が10倍に
株式会社ライブナビ
導入の目的:売上の上昇
導入後の成果:売上が10倍に
獣医師との共同開発を経たのち、満を持して犬のデンタルケア商品「ドクターワンデル」を販売し始めた株式会社ライブナビでしたが、当初は売れ行きが芳しくありませんでした。
しかし、商品ページにチャットボットを設置して、購入の際にそのチャットボットからの情報入力を促したところ、設置から半年で売り上げは10倍に。
情報の入力フォーム途中での離脱は、EC業界での大きな課題のひとつとなっていますが、その課題をチャットボットによる快適な入力体験によって解決した事例と言えるでしょう。
こちらの事例の詳細はこちら↓
CVRが200%改善
株式会社レッドビジョン
導入の目的:カゴ落ちの改善、CVRの改善
導入後の成果:CVRが約200%改善
ヘアケアブランド「マイナチュレ」を販売する株式会社レッドビジョンでは、自社で運営する女性向けECサイトのカート内での離脱率が高いという悩みを抱えていました。
そこでチャットボットを導入し、チャット内で決済まで完結できるようにしたところ、CVRが約200%改善。
購入から決済にいたるまでの手順を面倒だと感じさせない方法として、メッセージアプリのようなインターフェースでやりとりできるチャットボットが有効だと分かります。
本事例に関する詳細にご興味のある方は、こちらの記事をご覧ください↓
CVRが140%改善
株式会社クロコス
導入の目的:CVRの改善
導入後の成果:CVRが140%改善
ハンド美容液「Siro jam(シロジャム)」を展開する株式会社クロコスは、商品LPからのCVRを高めるため、チャットボットを設置しました。
チャットボット内の設問項目の順番を変更したり、画像を活用したビジュアル訴求をしたりするなどの工夫によって、チャットボット導入後のCVRは140%改善。
ただ、チャットボット導入の効果はそれだけにはとどまりませんでした。
チャットボット内での商品の購入後、商品に合わせて別商品や別プランの案内をすることによって、アップセルやクロスセルをすることに成功。
チャットボット内の項目や文言、画像などを柔軟にカスタマイズできる特性を生かした事例となりました。
こちらの事例詳細にご興味ある方は、ぜひ下記の記事をご覧ください↓
まとめ
本記事では、単品リピート通販の特徴や成功するポイント、Webサイト運営のために役立つツールなどをご紹介しました。
単品リピート通販は、顧客にリピート購入してもらうことを目的としていて、そのためにはビジネスに適している商品選択、サイト構築、顧客の行動分析やデータ管理などが大切です。
単品リピート通販に役立つツールもさまざま展開されているので、単品リピート通販での成長を目指す際は、これらの活用を検討してみてはいかがでしょうか。